表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
豚公爵と猛毒姫  作者: NiO
魔族侵攻編
103/205

第102毒 猛毒姫、102毒目のプロポーズ

******************


 前回までのあらすじ


 ずっとボツリヌス様の三味線ターン。


*******************


 やはり、此奴ら5公会議の正式な定義をしていなかったな?

 まあ、あまりにも当たり前すぎてそんな事は普通せぬが。

 そこにこそ、私の突破口は、ある。


「そもそも、5公会議への参加条件とは何ですか?」


 私がそういうと、デカエース公爵が御冠(おかんむり)になって答える。


「勿論、我らデカエース公爵家を始め、コロスキー公爵、サヨナラー公爵、ダブルピース公爵、ピッグテール公爵の5名のみというのが、この会議への参加条件だ!」


「それは違いますね(・・・・・)

 例えば今後、サヨナラー公爵領を新たに治める公爵が現れた時、公爵様方は5公会議に参加させないおつもりですか?」


「……無論、参加して頂く事になるだろうな」


 ダブルピース公爵が、私の話した内容を咀嚼しながら慎重に答える。


「では、『魔族領に面する領の公爵、もしくは公爵代行』というのはどうでしょう」


 今度はコロスキー公爵が楽しそうに発言する。


「それも違いますね(・・・・・)

 例えば、サヨナラー公爵が打ち取られた後、残された領民が再度戦線を構築。

 捲土重来するために公爵家のなんばー2……例えば長男などが5公会議に参加しようとした時。

 公爵様方は5公会議に参加させないおつもりですか?

 彼らは公爵でも公爵代行でもありませんが」


「……成る程。

 公爵が死亡する等、止むに止まれぬ不在の際に、他の者を代わりに参加させる事が出来るか?という事ですか。

 ……その場合は参加を許可するでしょうね」


 コロスキー公爵は相変わらず笑いながら答える。


「ならば私から提案しましょう。

 5公会議の参加条件は……『魔族領に面する領の代表』であると」


「……サヨナラー公爵が魔族領へと落ちたという事で、トキシン侯爵領の代表である貴女にも、参加資格が出てきたとおっしゃるのですね。

 ふむ、それならば確かに……」


「ば、馬鹿な!

 そんな滅茶苦茶、通るか!」


「いや、筋は通っている」


 コロスキー公爵が納得し、デカエース公爵が異議を唱え、ダブルピース公爵が補論(ふぉろー)した。

 よし、2対1じゃ。

 穴だらけの理論ではあるが、勢いで押せるかのう。

 私はちらりと最後の1人、ピッグテヰル公爵を見る。


「……ぶひょ、ぶひょ。

 な、なかなか面白い三味線を弾くなぁ、歯抜けぇ。


 こ、これ以上発言すれば、自分の首を絞めかねないと言うおまけつきか。

 面白い、面白いぞぉ!」


 おお。

 そこまで読まれておったか。


「い、良いだろう。

 き、貴様のその案を取りあえず飲もう!」


「……分かりました。

 それでは、3対1で、トキシン侯爵代行の5公会議参加を認めます」


 コロスキー公爵が笑顔でまとめ、渋い顔のデカエース公爵も含め、皆が頷いた。


 よし、とりあえず第一関門突破じゃ。


 私はまず一心地つくが。

 戦いは、全然終わっておらぬ。


 今のまま5公(?)会議を始めれば。

 2対3……つまり、私・ダブルピース公爵 対 コロスキー公爵・デカエース公爵・ピッグテヰル公爵であり。

 やっぱりトキシン侯爵領見殺しが決定するからじゃ。

 あと1人、誰かを此方側の陣営に組み込まなくてはならない。


 デカエース公爵は……無理じゃろう。

 私にやり込められたせいで、すっかりこちらを敵視しておるし。


 コロスキー公爵は、絶対に嫌じゃ。

 見た目は好青年であるが、名前がやばすぎて、死亡(ふらぐ)が見え見えじゃ。


 ……となると、残りは。


 仕方が無いので、私はぶひょぶひょ笑っておるピッグテヰル公爵に声を掛ける。


「さて、会議を始める前にピッグテヰル公爵にお尋ねしたいのですが」


「ん、んん?」


 豚公爵は私の言葉が楽しいらしく、相変わらずのにやけ顔で返してくる。

 私も同じく笑顔を浮かべて。


 ピッグテヰル公爵に尋ねた。




「ピッグテヰル公爵様。



 ……私と(・・)結婚しませんか(・・・・・・・)?」


明日は馬鹿系の短編を書くと思います。

チェック頂けますと幸いです、はい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ