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豚公爵と猛毒姫  作者: NiO
魔族侵攻編
100/205

第99毒 猛毒姫、晒す

某巨大掲示板から抜粋+ボツリヌス様による感想


>ブクマ500のポイント1400だから知ってる人も多そうだけど

>ランキングの下の方に面白いのあったんで紹介

>豚公爵と猛毒姫


ボツリヌス「よっ、待ってました!」


>豚公爵ってのが主人公らしいが22万字あるのにチョイ役でしか今のところ出てない


ボ「ふむ、ふむ!」


>名前のセンスが絶望的だけど、全員おかしいから逆に気にならない


ボ「ふむ、ふむ!」


>猛毒姫ってのが転生者なんだけどアテクシとか悪役令嬢では無い


ボ「ふむ、ふむ!」


>あと結構な頻度で拷問されたり大怪我負ったり、周囲に覚悟を見せるために自傷したりする


ボ「ふむ、ふむ!」


ボ「あれ。

  褒められておらぬ」


 宣伝、有難う御座いました!

******************


 前回までのあらすじ


 あれあれ?

 勢いよく家を飛び出したボツリヌス(ぼつりぬす)ちゃんは。

 公爵家の場所が分からなくて、泣き出しちゃいました!


 やっぱり5歳の女の子に、初めてのネゴシエーション(ねごしえーしょん)は早すぎたのかな?


******************


 公爵家の場所も分からず、空の上で途方に暮れる私。


 家に帰るのは流石に恥ずかしいしのう……ぐぬぬ。

 ぐぬぬ系女子。


「……あ、そうじゃ」


 タクミなら分かるかもしれん。

 彼奴、武国でとはいえ結構偉い奴じゃし。

 ついでに今回の戦闘にも参加してもらおう。


 おお、一石二鳥、一挙両得じゃあないか。


######################################


 小屋に帰ると、タクミがワイバーンに餌をやっておった。

 ちなみに餌は5m近くある巨大な土竜(もぐら)

 

「お、どうしたお嬢ちゃん!」


 タクミが笑顔で手を挙げた。

 地中の主を素手喧嘩(すてごろ)でガハハハ、までは読めたのでそこは無視する。


「タクミよ……。

 ちょいと相談があるのじゃが」


 かくかくしかじか。


「成る程……魔貴族に、統率の取れた魔族軍か。


 ……厄介だな。

 5公が出てこないと、まず勝てないだろう」


 かくかくしかじかで伝わった。

 便利じゃ。


「そこで、私による神交渉の出番、というわけじゃ!」


「場所も分からず家を飛び出したと」


 ぐぬぬ。


「……5公が魔族に関しての話し合いをする場所は決まっている。

 ピッグテヰル公爵領の西の端。

 通称『5公会議所』だ」


 通称も何も、そのまんまじゃあないか。

 タクミが簡単な地図を書いて、場所を教えてくれた。


「しかし、それぞれの公爵領はかなり離れておるぞ。

 集まるのには時間が掛かるのではないのかの」


「ピッグテヰル公爵は魔法キチガイで有名でな。

 彼奴は確か新しい魔法陣……転移魔法陣も持っていたはずだ」


 て、転移魔法陣じゃと!?


 これまた、雷魔法陣と並んで戦争の概念がひっくり返る物じゃあないか。



「……という事は、4公は転移魔法陣を使って。

 今そこに、全員集まっておるという事か」


「恐らくな。

 時間的にはそろそろ5……4公会議が始まってもおかしくないだろう」


 これは良い事を聞いた。

 公爵全員から、一遍に協力を得ることの出来る好機(ちゃんす)じゃあないか。


「……言っておくが、5公ってのは。

 産まれてから死ぬまでずっと、戦争か戦争準備に明け暮れている奴らだ。

 純粋な戦闘力も勿論だが、経験値で言えば全大陸でも最高峰だろう。

 奴らは冷静で冷徹。

 少女の嘆願なぞ、便所紙よりも軽いぞ(・・・・・・・・・)


 嘆願どころか、本気(がち)交渉(ねごしえーしょん)なので大丈夫じゃ。

 しかし、成程、一筋縄にはいかない連中か。

 それを知っているだけでも助かったぞ。


「恩に着るぞ、タクミよ。

 それと、お主にも是非我らの戦列に加わって欲しいのじゃが」


「ああ、それは、駄目だなあ」


「ぬな!?」



 これは意外。

 私としては「任せろガハハハ」以外の言葉が出るとは思わなんだ。



「儂程偉い人間になると、よその国の戦争に出るのは事実上、不可能でなあ」


「……そうか。

 偉い奴は窮屈じゃのう」


 がははと苦笑いするタクミ。

 此奴は戦闘狂じゃから、本当は参加したいのじゃろうが。

 自分の戦いたいという気持ちと、武国を思う気持ちとを天秤で揺らした結果。

 愛国心と言う名の分銅の方がより重たかったのじゃろう。


 仕方あるまい。

 責めはせぬ。


「……ところで。

 魔貴族殺しの称号って、格好良いのう」


「……ぬ」


「それに、調度良い龍殺しの試金石になるのう」


「……ぬぬ」


「そもそも、これはよその国での戦争などという概念からは外れて。

 人族と魔族との戦いという側面が大きいんじゃがのう」


「……ぬぬぬ」


 責めはせぬ。


 が。


 逆側の皿に、いくつか分銅を追加しておく。

 ぬふふ。


「ぐぬぬ……ッ!」


 ぐぬぬ系男子。

 タクミの中で天秤ががったんがったん揺れているのが分かって面白い。


 ……まあ、これくらいにしておくか。

 後の判断は、自身に任せよう。


「そうじゃ、タクミよ。

 私の服、少し切ってくれぬか?」


「ん? 服を?」


「あと、(さらし)を少し貰いたいんじゃが」


「……まあ、良いが」


 さっそく私は着ていた服を脱ぎ出す。

 小屋の中で、衣擦れの音が聞こえ、真っ白な(どれす)が床に落ちる。

 薄暗闇の中で、私の我儘(わがまま)ぼでぃーが惜しげも無く晒された。

 えろてぃっくじゃ。


「……で、この服のどこを切ればいい?」


 タクミは完全に無視しておる。

 ええい、この美しい肌が見えぬのか!

 5歳児のたまご肌が。

 何じゃ此奴は、腎虚か!

 ぐぬぬ。


 ……と言う訳で、タクミに服を切って貰った。

 腹部(こるせっと)の位置を大胆にかってぃんぐ。

 所謂臍出しという奴じゃ。


 公爵令嬢でもあるし、その姿は流石に(はした)無いので。

 腹には晒を巻いておく。

 これで良し。


「なにが良しなのか、全然分からん」


 タクミは頻りに首を捻っておるが、無視した。


「それじゃあ、タクミよ。

 行ってくるぞ!!」


「ああ。

 頑張ってこい!」


 改めて2人で爆笑し合うと。


 私は小屋から飛び立つ。

 ……目指すは『5公会議所』。


 亜音速で30分程すっ飛ばしていると。

 

 目下、巨大な建築物が現れた。


「屋根が五角形(ぺんたごん)……これじゃな」


 私は静かに地面に降りると。


「……さて、乗り込む準備をさせて頂こうかの」


 そう呟いて、金魔法を使う。

 金玉(ゴールドボール)金操(ゴールドムーブ)で変形させ、刃物の様に尖らせた。


「ぬふふ、さあて、ボツリヌス劇場の始まりじゃ!

 4公の(やっこ)さん共よ、震えて待つが良い!!」


 とりあえず景気付けに、呵呵大笑してみた。

次回は記念すべき100話目……。


なんとなんと、とうとうあの人が、本編初登場!?






などと言うバレバレな煽りをしてみた。

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