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ノート
『生きることはすばらしい。
そう思わねば、人は生きてゆけぬ。
自分の存在を否定できず。
自分の欲望に素直であることを良しとして。
倫理、道徳、宗教…
いろいろつくってはみているが
畢竟
意味はない
それらを悟ったとき
人など、命など、自分などどうでもよくて
ただただ壮大な
宇宙の歴史に心引かれてしまう
目の前のことだけ考えていればよいという状況にいれば
ある意味何も考えずとも生きてゆける
でも
でも
目が開かれたなら
自殺するしかない
でも
それは許されぬ
それを許したらその他大半の人々の存在を否定してしまうから
否定されてしまうから
皆必死に自殺することを止める
ダメなこととする
…だから、皆目を閉じて生きてゆく。
その目を開けることは、許されぬ。』




