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忘れていた記録
酒を飲みながら
父は僕の話を聞いてくれた。
人生の先輩に話を聞くと、なんだか生きていきたいような気持ちになった。
そして、父は最後に、こう言った。
「少しは、目が覚めたか???」
ーーー その後、実家から下宿に帰ってきた日。
荷物を整理していると、見慣れないノートがでてきた。
赤錆びのような色の、薄いノート。
いぶかしんで開くと、中には………
僕の、字。
おそらく大学1回生の時の。
書いたことすら忘れていた。
珍しくかしこまった、それでいてどこか投げやりな自分の字を
僕は無意識に目で追っていた………




