大学進学
中学の時、僕は絶頂期にあったと言っていい。
部活も勉強もバリバリ。
受かった高校は県内トップクラス。
あとは、有名大学に入っておけば、就職も安泰…
の、はずだった。
僕は今、名前だけはそこそこ有名な私立大学に通っている。
もちろん、第一志望ではなかった。
第一志望に落ちたと分かったとき、そしてここに入ったとき、僕には絶望しかなかった。
人生プランがことごとく打ち壊されたからだ。
そして、なぜ生きているのか分からなくなった。
有名大学…日本でも五本の指に入る大学に行くからこそ、下宿させてもらえる。
そう、思っていた。
消えたかった。
親の金を無駄遣いしていると思うと。
バイトを始めてお金の重さを知ると、ますます自分の存在が嫌になった。
消えたい。
僕がいなければ、親は学費を払わなくて済む。
それなら………
僕のそんな考えに気づいたのか、両親は僕に
学費のことは気にするなと
優しく言ってくれた。
その優しさが、苦痛だった。
親が僕を大切に思っているから生きていていいなんて。
親のせいにしてるみたいで。
自分で自分自身の、生きていてもいい価値を
見つけなくちゃと焦った
でも、どう考えても
僕がいない方が、両親は経済的に楽になる。
弟の大学進学も間近だ。
僕なんかより、弟の方が″生きたがっている″。
そう、それなら………




