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偵察隊迎撃作戦

ユーリside


転送装置の光に包まれ、なにやらエレベーターに乗ったような感覚に揺られること数秒。


「おーし、着いたぞー」


・・・ん、うお!?まぶし!?


「あ、昼だから直射日光が・・・(汗)」


もう少し早く言ってほしかった・・・


しかし、さっきまでモルゲンロートの風景たったのに、ものの数秒で移動できるとは・・・

あれ、これ俺たちが行きに使った飛行機とかの類いいらないんじゃ・・・


「しかし、本当便利ですねこの転送装置」

「運用コストが大きいから、民間用にあまり使えないのがあれだがなー」


真由ナイス!成る程、まぁあれだけオーバーテクノロジーな代物だからなぁ・・・


「さて、と。ほんじゃ作戦どおり丘を目指すぜ。道中でウルフに気づかれないようにな」

「「了解」」



歩くこと10数分。


「おし、到着だ。二人は体勢を低くしろ。これから見える奴を狙撃する」


そういうと当夜さんは腹這いの状態になり、双眼鏡を構えた。俺たちも腹這いになる。


「ターゲット補足・・・まずは急所を外し、仲間を呼び寄せてもらう」


当夜さんは双眼鏡を地面に置き、セカンダリの狙撃銃を構える。訓練の時に見せてもらった拳銃と同じ黒と赤のカラーリングをした・・・あれはAWMか?ゲームでみたことがある。そういや当夜さん武器の設計図を書いていると言ってたな。似せたのだろうか。


ダァン! カチャコ


「命中・・・よし、吠えたな」


速い!武器を構えて撃つまでとボルトアクションのスピードが速い!映画でボルトアクションのライフルを使うシーンをよく見たがあんなに速く動けた人はそうそういない。ゲームでもここまで速くない。これも魔狩の身体能力補正・・・いや、それを考慮しても狙って撃つまでが速すぎる。


これが当夜さんの実力か・・・


ダァン! カチャコ


「ゲッダン。二人とも、行くぞ」


なんて考えてたらもう二発目を撃ち終えていた。真由と一緒に呆然となりながら当夜さんが仕留めたウルフの元へ歩いた。



再び歩くこと5分。様子を見るにまだウルフ達は集まっていないようだ。


狙撃先に到着すると、そこには血だまりとなにやら皮やら牙やらがあった。当夜さんは躊躇なくそれらを回収。流石に血までは集めなかったが。


「あの、これは一体・・・」

「魔物は死滅すると細胞が殆ど分散する、てのはさっき言ったろ?で、その殆どに該当しなかったものがこんな感じに残るんだ。で、それを俺らが回収する。これが素材収集のメカニズムだ」

「何故残るんです?」

「正直まだ研究中なんだ。そもそもなぜ細胞が分散するかもよく分かってないしな・・・よし二人とも、茂みに隠れるぞ」


おっとそうだ。ウルフが来る前に身を隠さねば。近くの茂みに身を隠し、血だまりを見つめる。


「おし、いつ来てもいいように身軽な武器を構えておけ。ユーリは鋼拳、真由は片手剣でいいな」

「はい」

「了解です・・・て、当夜さん?あれ、スナイパーは何処へ・・・」


俺がふと当夜さんを見てみると、背中に背負ってた狙撃銃は消えていて、代わりに大きめのナイフを持っていた。あれ、当夜さんが持ってきてたの双拳銃と狙撃銃なんじゃ・・・


「ん?ああこれか。移動中に変えた」

「え、変えた、て・・・」

「後で説明する。それよりも奴さんが来たぜ」


当夜さんが指差したその先には・・・血の臭いを嗅ぎつけたウルフの群れがいた。数は4。確認された全ての魔物がここにいるわけだ。


「よし、俺の合図で飛び出して近い奴を狙え。・・・まだ動くなよ・・・」


茂みの中で全員が息を飲む。少しの物音が命取りだ。


「・・・よし、Go!」


当夜さんが飛び出した!俺たちもすぐに飛び出し・・・俺は右側のウルフに向かって駆けた。


うん、やっぱりディフェンダーは足が他より遅いのな。当夜さんと真由はもうウルフに取り付いている。


「相手の振り向きに合わせて・・・」


狙いは顎だ。・・・よし、距離感、タイミングバッチリだ!


「どっせぇぇえ!」


ドグォォ! バキッ


ダッシュから姿勢を低くし相手が振り向きざまに左アッパーカット。綺麗に顎に命中。ん、牙が折れたか?そんなような音がした。

クリーンヒットしてよろけた隙に右ストレート。勢いよく吹っ飛び頭から木に激突。ウルフは痙攣してそのまま動かなくなった。


「他のウルフは・・・」


「真由、大丈夫か!?」←ナイフをウルフの脳髄に刺している

「はい、大丈夫です!」←レイピアをウルフの背中を刺して貫通


・・・うん、大丈夫か・・・いや、あと一体いるはず!


「あ、当夜さん!後ろ」


まずい!当夜さんに飛びかかってる!


「あ?おっと!」


ダン!


い、今起こったことを順を追って説明しよう。


当夜さんが傾く→ウルフが横を通り過ぎる→刺していたナイフを抜く→すれ違いざまにナイフを頭部に刺す


この間1秒強。


「あぶねぇ、助かったぜユーリ!」


当夜さんは空いている左手で拳銃を取り出してとどめをさした。


「・・・まぁ実を言うと気配でバレバレだったんだがな」

「・・・改めて当夜さんが凄いと思いました・・・」

「まぁキャリアがあるしなー。でもこんなもんまだまだだぜ。もっととんでもスペックな奴いるしな・・・」

「とんでもスペック、て・・・」

「まぁ、そのとんでもスペックの素質を持ってんだがな、お前ら」


んー、そう言われてもいまいち実感が・・・


「おーし、目的の魔物も倒したし、素材を回収して撤収するぞ。俺はモルゲンロートに連絡入れる」

「「了解です!」」

「あー本部に通達、こちらbloodfork。任務完了。被害はゼロだ。何か追加オーダーはあるか?・・・オーケー。それじゃ回収作業を終えしだい帰投する。bloodfork、out」

「当夜さん、追加オーダー、て?」

「ん?ああ、魔物がいつどこに現れるか分からねぇからな。近くにいる魔狩に連絡入れるんだ。今回はなかったけどな」

「ユーリ、当夜さん、回収作業終わりました」

「おし、ほんじゃ転送装置に帰るぞー」

「「了解です!」」




転送装置のある場所まで歩いている時、ふと思い出したので当夜さんに聞いてみた。


「ところで結局、さっきのスナイパーは・・・」

「ああ悪りぃ、言い忘れてた。お前らにはまだ早い話だが・・・魔狩には特殊技能(スキル)、てのがあってな。これはスタイルとか関係なしに、個人に一つ、魔狩のスペックを上げれば二つもつ事ができる。まぁ、基本的に武器やスタイルと違って自由に変えれないけどな」

「成る程、基本的に一人一つと考えていればいいんですね?」

「そういうこった。で、俺の特殊技能は換装、て言ってな。早い話セカンダリを自由に変えれる」

「便利ですね・・・」

「まぁ変えられる武器の数は決まってるけどな。それに変えてしばらくは使えないし・・・と、着いたぜ」


あ、もう転送装置のある場所に着いたのか。


「さーて、これで正式に任務完了だ。お疲れさん二人とも」

「ありがとうございましたー」

「当夜さんもお疲れ様です」

「おし、転送!」


こうして俺と真由の初任務は無事終了した。





その日の晩、昨日のラーメン屋にて3人で打ち上げをしていた。


「おし、それじゃあ二人の初任務の成功をお祝いして・・・乾杯!」

「「乾杯!」」


うーむ、やはりビールはうまい。あ、ちゃんと20歳超えてますよ。ええ。


「ああそうだ、明日からの任務のことなんだが・・・色々とまだ説明したいことがあるから真由と俺、ユーリと俺みたいな感じで行く」

「2人で、ですか?」

「おう。早い話、訓練の時できなかったスタイルありきの技の練習だな」


そういえば実際にやらないといけない、みたいなこと言ってたな。


「そうだな、明日は真由から行くか。ユーリは悪いが、明日は休みだ。すまねぇが繁華街の穴場でも探してくれぃ。ゲームセンターみたいな娯楽施設もちゃんとあるからよ」

「分かりました。明日は探検してきます。真由頑張れよ」

「も、勿論よ。当夜さん、ご指導よろしくお願いします」

「おう。ああ、それと新人さんがもう一人来る、て話聞いたか?」

「え?何も聞いてませんが・・・」

「あ、昨日言ってた妹さんですか?」

「おう。明日着く、て言ってた。俺と真由の任務が終わってからになるだろうが・・・まぁ、こことは別の場所で歓迎会しようや。流石に三日連続は飽きるだろ」

「「分かりました」」

「あ、ひょっとしたらユーリ会うかもしれねぇから、そん時は挨拶よろしくな」

「あ、はい」


当夜さんの妹・・・どんな人なんだろう。楽しみだ。




「お待たせしましたー」

「お、丁度ラーメンが来た!よし、食うぜ!」

「「「いただきます!」」」



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