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1日の終わり

勢いが止まる前に次話を書かねば!

ユーリside


「・・・結構派手に吹っ飛んでいったな」


薙ぎ払いがクリーンヒットしたのか、実体ホログラムは壁にぶつかるまで飛んでいった。


「驚いた・・・カウンターをもう体得したなんて・・・よし、第一フェイズは終了。ちょっと休憩だ」

「了解です」


実際のウルフもこの一撃で倒せるのだろうか。余裕があれば試してみよう。


「さて、第二フェイズに移る前に説明をしておこう。ウルフは普通の狼同様、基本群れを形成して行動する魔物だ。群れに一体リーダーがいて、その下に10体位のウルフがいる。狩りの時も複数で行うことが殆どだ。その為、複数ウルフがいる場合の連携はベテランの魔狩でも油断ならないものとなっている。まぁ、なかには我狼のような群れを作らない、文字通り一匹狼なやつもいるがな」

「はぁ・・・」


それ、てつまり下手な大型魔物よりも恐ろしい、ということか・・・


「第二フェイズではそんなウルフの連携を体験してもらう。というのも、新人の魔狩が殉職する大半の理由が群れたウルフによるものだからだ。単体があまり強くないからこそ、群れた時の恐ろしさを甘く見るケースが多いんだ。そのため、訓練の段階でウルフの連携に慣れてもらうことにしている」


ベテランでも油断ならないと言われるウルフの連携だ。新人が相手にすれば一目瞭然なのだろう。成る程、確かにいい訓練だ。


さっきみたいにゆっくりカウンターを狙うのは無理かもしれないな。狙ってる間に後ろからがぶりとやられるかもしれない。うーむ、当夜さんに多数の魔物と相手する時のコツを教えてもらうべきだったか・・・


「よし、休憩終了だ。第二フェイズに移行する!」

「はい!」


仕方ない、ディフェンダーにはあまり推奨されてないが回避しながら手探りで突破口をつかもう。




目の前に二体のウルフが現れる。まずは左右から飛びかかってきた。

・・・一体の時の挑発、本当に効いてたのだろうか・・・


俺は剣を仕舞ったままで、飛びかかりが少し遅かった右側のウルフを潜るように回避。態勢を低くし、足を伸ばして一気に引っ張る感じだ。


そして着地したウルフ目掛け、身体を先程の状態から腰を捻るようにして動きながら抜刀し振り下ろす。うんむ、ちゃんとした態勢じゃないからうまく力が入らないか。だがしっかり首元を捉えた。


その後すぐ剣先を引きずるようにサイドステップを取る。大剣の基本はヒットアンドアウェイだ。無理に連続攻撃を狙う必要はない。因みに剣先を引きずるのは単に武器の重さの関係だ。


先程攻撃したウルフが此方に向かって牙を向いた。すかさずガード。軽く鍔迫り合いの形になる。さっきはここから薙ぎ払いに繋げたが・・・今回相手は二体、それも連携が上手いと何度も言われた輩が、だ。狙うとしたら・・・先程思案したガラ空きな自分の背後!


案の定、チラリと見たらもう一体のウルフが飛びかかっていた。俺は回転しながら横に回避することで牙を引き剥がし、飛びかかりを仕掛けたウルフを回避。ウルフはその勢いなよまま相方にかぶりついた。


二体はそのまま取っ組み合いになる。現実的に考えるなら、軽いパニック状態か。無論この好機を逃すわけにはいかない。


振り下ろしの態勢に入り、ギリギリまで力を溜める。そして、二体まとめて斬り落とす!



最初にダメージを与えていた為か一体だけ動かなくなった。一対一になればさっきと同じ。カウンターで仕留めた。このカウンター極めたいな。先程当夜さんが言ってたリベンジャーというのも気になるし、当分はこれになるのを目指すか。


「・・・早いな、ひょっとしたら新記録かもしれない」

「え、時間計ってたんですか!?」

「まぁな。因みに真由君は君の二倍以上の時間を掛けてた。まぁ、それでも初体験ということを考えなくても十二分に早い方なのだが・・・」

「道理で疲れてたわけだ・・・」

「一連の行動を見るに、君達は狩人に元から向いていたかもしれないな、真由君にも言ったが、これはとんでもないブラックホースかもしれん!よし、これで全ての訓練を終了する!お疲れ様!」

「ありがとうございました!」


こうして長かった訓練は終了した。





「おーし、お疲れさんだ、2人とも」

「お疲れ様でしたー」

「お、お疲れ様でしたー・・・」


所変わって訓練前に当夜さんと話をしていた一角に座っていた。


「しかしまぁ、キャプテンから今回の実践のタイムを聞いたが・・・お前ら本当に初めて魔武装動かしたのか?特にユーリ」

「そ、そうですが・・・」

「右に同じく・・・」

「マジか・・・こりゃたまげたわ・・・俺でも初めての時はヒーヒー言ってたんだがなぁ・・・」


如何にも信じられないといったような表情で何やら資料を読んでいた。


「よし、今日はもう日も暮れたし飯にしよう。オススメの店を紹介するぜ。今晩は俺の奢りだ!」

「「ありがとうございます!」」

「うし!んじゃ混む前に行きますか!」

「はい!ところでどんなお店で?」

「ん?あぁ、この船の居住区エリアの繁華街にあるんだが、まぁ簡単に言えばラーメン屋だ」




5分後・・・


「おし、着いたぞー」

「「おおー」」


赤い提灯に魂の文字・・・いかにもな店があった。


「この繁華街は沢山の飲食店があるんだが、俺はここが一番だな。無論他の店も美味いから、暇な時にでもお気に入りを見つけてくれ」

「当夜さん、ここのオススメはなんです?」


真由がふと訪ねた。確かに気になる。


「そうだな・・・個人の好みにもよるが、俺は国産大豆100%醤油一択だな」

「結構豪華なんですね・・・」

「醤油専門だしな。醤油、つっても色々あるぞ、魚醤ベースだったりとか、若干豚骨が入ってたりとか・・・」


・・・グゥゥ・・・×3


「・・・まぁ、腹が悲鳴上げてるし、兎に角食うか」

「「・・・はい」」



ガラガラ



「へいらっしゃい!お、兄ちゃんか!毎度ご贔屓に!」


おお、凄くいい香りが・・・!


「どもっす大将、今日は新人2人も連れてきたぜ」

「おお、イケメンとべっぴんさんじゃねぇか!了解、奥の座席に座ってくれい!」

「あいよー。行くぞ」


当夜さんに案内されて奥の座席に座った。しかしまぁ、もうすぐ20歳になるがイケメンは初めて言われたな・・・


「・・・べっぴんさん・・・」


・・・こっちもか。


「で、2人は何食うよ」

「ん、えーと、メニューは・・・これか。うーむ、どれも美味そうだな・・・」

「おう、味は一通り全部食べた俺が保証するぞ!」

「えーとじゃあ和風豚骨醤油のチャーシュー盛りで」

「おお、結構ガッツリいくんだな。真由は何にするよ?」

「えーと・・・このあっさり魚醤でいいですかね?」

「おういいぞ。おーい、大将、オーダーいいかー!?」

「あいよー!ちょいと待たれい!」


大将が若い男の人に此方を指して指示を出した。


「お待たせしました、ご注文をどうぞ」

「えーと和風豚骨醤油のチャーシュー盛り一つ、あっさり魚醤が一つ、あと何時もの一つ」

「確認させていただきます、和風豚骨醤油のチャーシュー盛りがお一つ、あっさり醤油がお一つ、国産大豆100%醤油大盛りがお一つ、以上でよろしいでしょうか?」

「オッケーでーす」

「かしこまりました、大将、オーダー入りましたー!」


「当夜さん大盛りなんだ・・・」

「おう、これくらいが丁度いいんだ」


その後談笑しながらラーメンを食べた。もんのすごく美味かった。それこそもっと早くこのラーメンの存在を知っていったほど・・・



「「「御馳走様でしたー」」」

「お粗末さまでしたー!!」


「当夜さん、ゴチになりましたー」

「おーう、どうだ、美味かったろ?」

「はい!また来たいです!」

「お得意様になればサービスもあるかもなー・・・さて、話は変わって明日のことなんだが・・・今ここにいる面子、つまり俺と、真由と、ユーリで任務に向かう。つまり二人の初任務だ」


おお、初任務・・・やはりすぐあるものなのか。


「内容は・・・まぁ当日にならんと分からんが、まぁ初心者向けの任務になるのは確実だ。この任務で、実地でどんな感じに動けばいいかを教える」

「「はい!」」

「おし、今日は自室でゆっくり休め!明日の10時にラウンジ集合な!解散!」



こうしてアガスティーアとしての最初の1日が終わった。


最初は不安だらけだったがなんとかやっていけそうだ。


だが、実地で気が緩めば待ってるのは死亡のみ。明日ちゃんと学ばないとな。















当夜side


自室に戻った俺はパソコンを立ち上げてカメラ通信の準備をしていた。


「おし、えーと・・・おし、オンラインだな」


出れるかどうか確認したら早速連絡を取る。


「・・・はい、こちらmiragedragon」

「あーこちらbloodfork。おっす」

「なんだお前か。どうしたこんな夜に」


画面に通信相手の顔が映る。自然体な(悪く言えばボサボサの)黒髪、寝る前だったのか気怠そうな顔、そして左半分を覆う眼帯。そしてそこから少しはみ出る傷跡。


「ちょいとそちらの現状確認と此方の近況報告をな」

「近況報告?まさか殉職者が・・・」

「逆だ逆。減ったんじゃなくて増えたの。」

「あ、あぁそっちか。いやお前が言うことだからな・・・」

「軽くdisられた気がするのは気のせいか?」

「気のせいだ。で、こちらの状況だったな・・・割と大規模な群れが来たが俺が・・・いや、三人で全滅させた」

「相変わらずだなおい・・・被害状況は?」

「発見が早かったからほぼゼロだ。復旧作業にも支障はない。一週間も経たずに全て終わるだろうな、何もなければ」

「言うな、フラグになるぞ」

「なに、何もなければと付け足したことによってフラグブレイクに・・・なればいいな」

「そこは自信持とうぜ・・・」

「で、お前がわざわざ連絡する程の新入りだ。凄いのか?」

「おう、2人いるんだが、そのうち1人はウルフの群れの訓練、最短記録出した」

「・・・本当か?」

「おう。俺もびっくりしたわ。立浪さんの記録、長らく越されてなかったんだがな・・・もう1人もお前の記録に迫る結果だったぜ?」

「嘘だろ・・・」

「まぁ、戻ってきたらまた挑戦するこった」

「だな・・・その前に新人に挨拶しないとな」

「眼帯でビビられたりして」

「厨二病扱いされるよりかは断然マシだ」

「さいでっか・・・」


この後もたわいもない談笑をした。


「しかしまぁ、やっぱお前が俺、て言うの慣れないな・・・」

「慣れてくれ・・・「我」は今思えば黒歴史なんだから」

「へいへい。んじゃまた連絡するわ」

「ああ。おやすみ、当夜」

「おう、おやすみ、冬樹」


互いに通信を切る。後藤 冬樹のオンラインのアイコンも程なくして消えた。


「・・・しかしまぁ、ほんととんでもない輩が来たもんだ・・・」


因みにmiragedragonとbloodforkはコードネーム。キャプテンの趣味。

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