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検査

ユーリside


「よっと・・・」


俺たちが乗っていた便は無事到着。アガスティーア所属の空挺・・・そういえば名前を知らなかったな。後で聞いてみよう・・・そこの甲板に降り立った。


「はぁいユーリ、さっき振りね」

「真由か。そうだな」


真由とも合流し、俺たちは中に入った。


「ようこそモルゲンロートへ!狩谷さんと國木田さんですね、お待ちしておりました!」

「ど、どうも」

「初めまして」


中に入るなり、早速歓迎された。真由は慣れてるのか挨拶してお辞儀したが・・・俺は少しどもってしまった。うむ、情けない・・・


それとモルゲンロートとはこの船の名前だろうか。一体どういう意味なのだろうか・・・


「私はここでオペレーターを務める宇喜多(うきた) 鈴香(すずか)です。これからよろしくお願いしますね?」

「「よろしくお願いします」」


よし、今度はちゃんと挨拶できた。


「早速で申し訳ないのですが、これから直ぐに検査がありますので荷物は一旦此方に置いて、こちらの訓練室へ向かって下さい。奥のエレベーターに乗って2階に下りてすぐです」

「「分かりました」」


宇喜多さんはデータパッドをこちらに手渡した。そこにはこの空挺のマップが映っていた。


「では行きますか」

「そうね」


俺たちは近くの休憩スペースみたいな所に荷物を置き、奥のエレベーターに向かった。




「ここがその訓練室だな」


彼女の言うとおり、エレベーターを下りて直ぐに入り口があった。


「ようこそ、狩谷様と國木田様ですね?此方へどうぞ」


俺たちは係の人に連れられて訓練室に入る。そこには広く無機質な空間があり、またその雰囲気に似つかわしくない機器が鎮座していた。


「これは一体・・・」


俺がその事に疑問に思っていると。


「・・・あーテステス、新人諸君、聞こえているかい?」

「「は、はい!」」


突然放送がかかり、俺たちは驚きながら返事をした。


「よしよし、マイクに問題は無いね。・・・コホン。ようこそ、モルゲンロート・・・及びアガスティーアへ!まずは長い空の旅、ご苦労様。これから、魔狩となる君たちに検査を行う」

「検査・・・ですか?」

「そうだ。といっても難しいことはしない。魔狩となる際に体に支障が出ないかCTスキャンや血液検査等をした後、脳を検査する。この脳を検査際に出た脳波や、血液検査で採取した血液から採れる遺伝子情報を元に、魔狩としての能力を見定める。まぁ、健康診断のつもりでうけてくれればいい。分からないことはその場にいる係の人と専属医師に聞いてくれ」

「「分かりました」」

「うむ、よい返事だ!では係の人、あとは任せた」


そう言うと放送は終わった。今の人はアガスティーアのリーダーだろうか・・・


「それでは狩谷様、國木田様、此方へ」


俺たちは係の人と、恐らく先程言っていた専属医師であろう人の指示に従いながら検査を行った。・・・真由が血液検査の際にものすごく顔を引きつらせていたのが印象に残った。彼女、注射苦手なのだろうか・・・


その後椅子に座らされた後見慣れぬ機械をかぶせられた。恐らく脳波を調べるものだろう。軽い電気ショックのような衝撃は感じたが、特に違和感を感じることなく検査は終了した。


「お疲れ様でした。これより、検査結果の解析を行います。終了次第艦内放送でお二人をお呼びしますので、その際にまたこの訓練室に集合して下さい。その間、荷物を各自室に運んだり、艦内の施設等を確認して下さい」

「「ありがとうございました」」


係の人に挨拶し(専属医師は先に解析に向かった)、解散となった。




「それにしても広いわね、この船」

「そうだな、外観が大きかったから粗方予想はしていたが・・・」


荷物を置きに行く途中、真由と会話をしていた。


「ところで真由、さっきから少し気になったんだが・・・」

「何かしら?」

「・・・先程からやたら血液検査の跡を気にしてないか?」

「・・・!」

「・・・あえて聞くが注射・・・苦手なのか?」

「・・・苦手で悪いかしら?」

「いやそういうわけじゃないさ。誰にだって苦手なものくらいあるだろう。俺にだってあるし。・・・それもとあまり聞かれたくなかったか?」

「・・・まぁ、ね」

「そうか・・・すまない、無粋なことを聞いたな」

「いいのよ・・・私幼い頃に蜂に刺されたことがあってね・・・とても痛いし、刺された跡は腫れるしで、トラウマなの。それ以来、針のような尖ったものが怖くてね・・・今はだいぶ平気にはなったんだけど」

「そうか・・・」


先端恐怖症・・・だったか?親父が言っていた。どうも同期がそれだったらしい。子供の頃に注射の痛みを覚えると、大人になってもその恐怖が残るという。真由は恐らくそれだろう。ましてや蜂の針には毒があるから尚更だ。


・・・しかし大丈夫だろうか。詳しく知らないからなんとも言えないが、魔物にも針や毒を有する輩はいるはず。仮にそれがいたとして、彼女がそれと対峙することとなったら・・・いや、あまりこういうことは考えない方がいいな。



・・・あれ?


「なぁ、尖ったものが苦手なのは分かったが、フェンシングのフルーレは大丈夫なのか?あれ尖ってないか?」

「まぁ、ね。テレビで見てかっこいいと思って始めたんだけど、やっぱり最初の頃はフルーレが怖くて全然だったわ。頑張って恐怖を克服して、ある程度平気になってからは怖くなくなったんだけど・・・針はどうしても身構えちゃうわ」

「そうなのか・・・」


国体で優勝する程だ。余程の葛藤があったのだろう。針れの恐怖はまだあるみたいだが、これなら先程の心配はいらないだろうか。

そう考えることにした。

國木田 真由


18歳 誕生日 9月5日 A型


好きなもの 梅干し

嫌いなもの 尖ったもの


フェンシング国体優勝者。しかし先端恐怖症であり、多くの葛藤があったという。

優勝者に違わぬ鋭い剣術は魔狩でも応用されている。


黒髪のショートカットで、体格は普通の女子高校生並。胸は控えめでn(以下の文は血痕で汚れて解読不可能)

性格は真面目で高校では生徒会副会長だった。前述通り先端恐怖症の為注射が苦手で、そのギャップに萌えるという男子もいたらしいが本人にとっちゃ笑えない話である。



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