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一言  作者: 結倉芯太
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さようなら

『さようなら』


 この言葉をあなたはどういった状況で言いますか?

 私は学校から帰る際、先生によく言っていた記憶があります。


 先生、さようなら

 ええ、さようなら


 そして、友達と何度もやり取りした言葉。


 ばいばい

 うん、さようなら

 

 何度も何度も同じ相手に言う『さようなら』

 でも時として、それはとても悲しいものに変わる。


 ……ごめん

 ううん、もういいの、さようなら


 別れの言葉であり、再会の約束のない言葉。

 少し切ない『さようなら』

 

 ……

 ……さようなら


 もう帰って来ない人に告げる最後の言葉。

 返事のない哀しい『さようなら』


 でもね、実は私が好きな言葉は『さようなら』

 淋しい意味もあるけれど、前を向くのに必要なこの言葉。

 出会いがあれば、きっと別れも訪れる。

 その時に笑って『さようなら』が言える自分でありたいと私は思う。

 桜の舞う季節の中、卒業証書を手にした生徒が私に言う。


 先生、ありがとう。

 ええ、卒業してもお元気で。


 繰り返し何年も同じことを言っているのに、辛くて嬉しい言葉。

 あと何回言えるだろう?

 あと何回聞けるだろう?

 私は笑顔で、巣立つあなたを送り出す。


『さようなら』


 あなたの人生が素晴らしくありますように。

 そんな願いを込めて……

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