第4話:土曜日の朝
土曜日の朝、優子はいつもよりはやく目が覚めた。今日は美容院で髪を切ってもらう日だった。
優子は台所に行くと、由香里は朝食のパンを焼いていた。
「おはよう優子ちゃん」
「由香里お母様おはようございます」
「美容院に行くのがうれしいのね」
「そうなのよ。わたし今日という日がうれしくて、いつもよりはやく起きたの。午後から美容院に行くのね由香里お母様」
「そうよ。優子ちゃんがこんなによろこぶなんてうれしいわ。
これから一緒に朝食の準備をしない」
「もちろんよ。わたしサラダを作るわね」
「いつもありがとう優子ちゃん。
優子ちゃんは本当に女の子よ。この前までは勇樹という名前の男の子だったのにね」
「もう由香里お母様たら、家の中では女の子で外ではまだ男の子なのよ。
このサラダの盛りつけこれでいいかしら」
「あら話をごまかして。
でも今日は一日中女の子だから、美容院でもっと可愛い女の子にしてもらおうね」
由香里にそういわれて、優子は恥じらいの表情を見せた。
朝食の準備が出来たころになって、寝起きの由紀が台所に入ってきた。
「おはようママ。優子もおはよう」
「由紀お姉様おはようございます」
「朝食の準備が出来たから、顔をあらったてらっしゃい」
由紀が顔をあらっている間に、優子は朝食を運びテーブルの上に置いた。
由紀は優子の顔を見た。優子の顔はうれしそうに笑っているのであった。
「優子は、美容院に行くのが待ち遠しいのね」
「そうよ、優子ちゃんは朝からそうなのよ。
うれしくって仕方がないのよ」
二人はそういって優子の顔を見たのだった。
朝食を食べ終わって、優子は美容院に出かける服をえらんでいて、服を着たのがもうすぐ美容院に出かける時間だった。
優子は急いで部屋を出た。
「遅いよ優子。でもその服なかなかいいじゃない」
「本当、由紀お姉様。やっぱりこの服を選んでよかったわ」
「二人とも早くクルマに乗りなさい。でも、由紀はその服でいいの」
「これでいいのよ。今日の主役は優子なんだから」
「そうよね。今日は優子ちゃんのための日だから。
忘れ物ないわね」
由香里は美容院へ向かった。