第3話:明日は美容院。
お風呂からあがった優子は、パジャマを着ていた。このパジャマは由香里が選んだパジャマで、優子のお気に入りのパジャマだった。
夕食の準備ができた部屋にはいると、由香里と由紀がまっていた。
「おそくなってゴメンなさい由香里お母様、由紀お姉様」
「わたし達も、いまから夕食を食べようと思ったのよ優子ちゃん。
あら、またそのパジャマを着てきたのね」
「だって、由香里お母様がはじめて選んでくれたパジャマだから、わたしうれしくって」
「カラーリップをぬり直したのね優子」
「由紀お姉様にはじめていただいたカラーリップだから、またぬってきたの。
やっぱり、おかしいかしら」
「おかしくなんかないわよ優子ちゃん。
とてもお似合いだわ。さあ、夕食を食べましょう」
優子は席に着いて夕食をたべた。
夕食を食べ終わろうとしようとしたとき、由香里は優子の顔をみてこういった。
「優子ちゃんの髪のびてきたわね。あした髪を切りに行きましょうか」
「でもママ、あそこの散髪屋だと、土日は混むでしょう」
「その心配はないわ由紀。あしたは優子ちゃんの美容院デビューの日だから。
だから明日楽しみにしてね」
「本当に明日、美容院で髪を切るの。由香里お母様」
「よかったね優子。
でもママ、どこの美容院なの。予約はとっているの」
「心配しなくても大丈夫よ。ちゃんと予約は入れてあるわ」
どうやって美容院へ行くのだろうと優子は考えた。
女の子の服を着て家の外へ出ていくのだろうか。
その姿を知り合いにでも見られたりしたらどうしようと、優子は思った。
「美容院はクルマで行くから心配いらないは優子ちゃん」
由香里がそう答えたので、優子の心配事は消えうせた。
「だから明日は由紀もいっしょに美容院に行くから、妹の優子ちゃんのサポートをたのむわよ」
「わかったはママまかしといて。
どうしたの優子、なに泣いてるの」
「だって、はじめて美容院で髪を切るのがうれしくて、わたしナミダがでてきたの。由紀お姉様」
「明日が楽しみはね優子ちゃん」
「はい由香里お母様」
優子は食べ終わった夕食の後片付けをしに、食器を台所に持っていった。
「後はは由紀といっしょに食器を洗うから、優子ちゃんは自分の部屋にもどりなさい」
「なんでわたしも台所に行くのママ」
「由紀がつまみ食いをしたバツよ」
由紀は食器を持って、台所に向かった。
部屋に戻った優子は、美容院でどういった髪型をされるのか、今から待ち遠しかった。