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第四話 気が強い相棒

 翌朝になった。


 体に不調な部位は無く、元気いっぱいだ。


 これなら、任務も成功するっしょ。


 そして、今朝、ライヴァンさんから、スーツを貰った。


 普通、自分がコスチューム出来るらしいがライヴァンさんが選んだ!と自信満々に言ってた。


 かと言っても、ネクタイを通常の黒から青に変更したぐらいだと。


 スーツの上着の部分は、案外重く戦闘に支障を来たしそうだったので着ない事にした。


 剣も貰ったが、カッコいい。


 鞘が黒と金色で装飾されていている。


 いざその鞘がから刀身を剥き出しにすると、銀色に輝く尖った刃先が目に映った。


 ライヴァン先生曰く、この剣の名前は、「浄堕魔」と言うらしい。


 部屋に鏡が付いていたので、試しにどんな顔をしているのか見てみた。


 どうやら、金色の髪で赤い色の瞳だった。


 この特徴を持った人で俺の親を搾り出せないものかな?


 それでも難しいか。


 と言うわけで、これから俺の相方と言うやらを魔剣騎士団本部の中で、ライヴァンさんと待っていた。


 その相方情報によると、一週間ほど、訓練を受けている人らしく、まだ実戦は未経験らしいのだ。


 つまり、俺と一緒なのだと。


 どんな人が来るのだと胸に期待を膨らませ待っていたが、その期待は打ち砕かれた。


「本当にこのスーツ私に似合わないわね。もっとオシャレさせなさいよね!」


 赤色の短髪で、薄い茶色の瞳を持った女の人来た。


 勝手に男の人が来ると思っていたら、女の人とは。


 しかも、自我がとんでも無く強そうだ。


 男の人とバカ話したかったもんだ。


「お!ライン、来たね。じゃ、揃ったみたいだし、早速任務に行こうか」


 ライヴァンは、任務に行く事を催促すると、ラインとやらは、それを静止する。


「私の名前は、ルミ。あんたアレンと言うのね。聞いたわ。私より一週間遅く、魔剣士になったんだから敬語使いなさい!!」


 俺の予想は一瞬で的中した。


 何ともまぁ、ここまで自我を出せるとは驚きだね。


 てか!敬語使えとか言ったよな?


 おかしいでしょ。


「ちょ!一週間ぐらいしか違わないのに敬語はおかしいだろ!それに、実戦未経験だとも聞いた。俺と同期だろ!!」


 俺はツッコミを入れると、ラインは顔を俯かせ、深くため息を吐いた。


「まぁそれもそうね。じゃぁ、私を敬い崇拝しなさい!!」


「いや、変わってないし!!何なら、もっと悪化してんだろ!?」


 こうして、俺の波乱の日々が始まったのだった。



 俺らは、任務先へと着いた。


 そこは、3階程のデカい建物であった。


 その建物は、錆びれていて、古っぽい無人であろう不気味な所だ。


 周辺の場所にも民間人は居らず、避難させているらしい。


 道理で、魔剣騎士団の関係者が1人、2人居るのか。


 どうやら、2人の子供がここで失踪しているらしいのだ。


 多分死んでるとライヴァンは、言っていた。


「魔物は自然発生により沸く。それは、生き物が死骸になり、取り残された魔力が単体での不安定さから安定を求める時に生じる現象。人間の数が増えている昨今は、大量発生でもうウジャウジャ〜。だからね、魔剣士が沢山必要なんだ。でも、死ぬリスクが高い魔剣士は不人気なんだよね」


 マジか、俺の加入は単なる俺を助ける為だけではなかったわけか。


 そりゃそうか、いつ出てくるかどうかも分からない白龍と言う爆弾を抱えてんだ。


 にしても、人口に比例して、魔物の量も増えるって中々にキツいんじゃないか?


 魔物が沢山増えるって事は、強い奴もその分増えるのか。


 これは、骨が折れそうだ。


「初の戦いだから、魔物のレベルも低いんでしょ?」


 俺の問いに、ライヴァンは応えた。


「そうだね。この任務を熟せなかったら、戦力にならないと言うまでにはね」


「ふふふ〜ん。私が速攻終わらせてやるわよ!」


 ラインは、少し口角を上げ、胸を張って言った。


「初任務だから、終わったら、どっかの店で飯奢ってあげるよ」


 だから頑張れと言わんばかりに、笑顔で俺たちの方を見てくる。


「やったー!!沢山頼んでやるわ!!」


 ラインの目が輝く。


「そんじゃ、行きますか」


 俺は張り切って言うと、ラインはギョロっとした目でこちらを見る。


「指図されなくても分かってるわよ」


 俺にハイキックをお見舞いしてきた。


 訓練されているからだろうか、結構痛かった。


 こいつとは、仲良くなれそうにない最悪の相方だろう。


 建物の中に入ると、薄暗い石造の壁が、不気味さを一層引き立たせる。


「それじゃ、私は魔力の反応の強い3階に行くから、アンタは1階から。御馳走が待ってるわ」


 ラインはルンルンと階段を登って行く。


 初の任務だぞ?あそこまで能天気なのは、流石に危険じゃないか?


 もっと緊張感を持ってやるべきだろう。


 これ言ったら、多分また蹴り来るから、直接的に言う事は辞めておこう。


「ライン、助けが欲しければ、魔力を爆ぜさせろ。すぐ行く」


「ご心配なく〜」


 ラインは、俺の言葉に気だるげに返し、手を拒否するように振った。


 本当に大丈夫なのだろうか。


 まぁ良いか。


 俺は、一階の通路を歩いてると、ガサっと音が近付いてくる。


 バンッ!!


 俺のすぐ後ろの天井から大きな踏み込む音が聞こえた。


 音の発信源は、空を切り俺の首へと迫った。


 俺は、それを剣で弾いた。


 そこには、カマキリのような形をした頭が長細い魔物がいた。


 異様に飛び出した目ん玉がコチラを見ようとするが、焦点が合わないようだった。


 だが、確実に俺を捉えれている。


 呼吸を整えろ。


 相手が攻撃入れてきたところでカウンターをするとしようか。


 魔物は、魔力を流し込まないと死なないんだっけな。


 意識しろ、体内で魔力を寝る上げ血液と共に循環させるイメージ。


 記憶はないけど、白龍に乗っ取られていた時のあの感覚が残っている。


 体から熱い不可解なエネルギーが湧き出てくる。


 おー、出来んじゃねぇか。


 これなら勝てる。


 魔物が、独特なステップで俺の間合いに入った。


 キィィイイン


 金属と硬い爪の音が部屋へと鳴り響く。


 俺は、攻撃を受け流し、空中を通り背後へと回った。


 そして、頭へと剣を疾風の如く一突き。


 空気に穴が空き、吸い込まれるように頭を貫通した。


 魔物の体が重力に負けるようにダランとなった。


 すると、魔物の体が光の粒子のように散っていった。


「よぉし!初の実戦順調!!このまま2階まで突進だぁ!!」


 【ライン目線】


 この任務が終わったら何を食べようかな。


 魚料理も良いけど、やっぱ肉料理が良いわよね。


 カロリーも消費してるし。


 私は、3階のドアを蹴ってこじ開けた。


「はーい!魔物達!!美人が来たわよ。御尊顔を崇めるために出てきなさい」


 大声で魔物を誘った。


 部屋には、私の声だけが響き渡っていた。


 はぁ、美人に怖がってるのね。


「大サービスよ。私が出迎えてあげるわよ」


「助け....て」


 震える声が聞こえた。


 子供の声だ。


 衰弱しきっていて、今にも消えちゃいそうな、か弱い声。


 まさかあの、失踪した子供!?


 私は声の方へと振り返ると、額から血が流血していた。


 私が見える範囲では肉も削がれてはいない。


 まだ喰われていないのか?


「僕の事は大丈夫....だけど、弟は....魔物と一緒....に」


 手で足を包み込み、すくめた。


 魔物と一緒に連れて行かれたのか?


 あぁ、申し訳ないが弟さんは、きっと喰われている途中だろう。


 このまま、この子の安全を優先する方が良いか。


 仕方ない、魔物はあいつに任せるとして、私はこの子を連れて外に撤退するか。


「ごめん。まずは僕の大事が優先よ」


 私は、この子を抱っこしようとすると、私の服をギュッと掴んできた。


「お願い....」


 その言葉を聞いた瞬間、目の奥がツンと痛くなった。


 この子にとっては、自分のよりも弟の命の方が大事なんだ。


 別に私は、その考えを肯定したり、咎めたりしない。


 自分の命よりも大事な人の命を大切にしろなどとも言わないし、思ったことすらない。


 だが、その思いを踏み躙りたくはない。


「分かったわ。やれる所までやってみるわ。下がってなさい。どんな姿の弟を見ても知らないわよ」


 まぁ、死肉の臭いが酷くないわね。


 生き残ってる可能性もある。


「....ありがとうございます」


 子供は、必死に頭を下げた。


 きっと、弟は奥の部屋に魔物と一緒に居るだろう。


 魔物の気配で分かる。


 アイツも今、魔物と戦ってるだろうし、安易に呼べないわね....


 腰に携えている剣を抜き、ゆっくりとドアを開けた。


 私は開ききるのを見ると、一気に部屋へと入り周りを見渡した。


 私は目を見張った。


 居ない....?


 そう、そこには子供どころか魔物も居ないのだ。


 無造作に置かれた袋に、古びた椅子、棚。


 部屋の中心には、異質なオーラを出す魔物の肉だけがポツンと置かれていた。


 しまった....!


 釣られた。


 私が先程の部屋に戻った時には、もう遅かった。


「ケヒヒヒヒ」


 そう高らかに笑い、満面の笑みを浮かべた魔物が、兄の頭に鋭い夢を突き付けていた。


 肩には血だらけの弟らしき人を拵えていた。


 兄は、涙を必死に堪えている。


 弟がまだ完全に喰われれいない!?


 まだ、息はあるようね、良かったわ。


 クッソ!!こいつ魔物の癖に知恵はあるんだわ。


 この子供を喰わず餌にして、それよりも体がデカい人を釣る。


 私は、どうやら餌にまんまと釣られた魚になっていたようね....


 私が所持している剣、爆弾を床に落とし、手を上げる。


「おねえちゃん....?」


 兄の方の子が申し訳なさそうに、顔を目線をすくめた。


「大丈夫よ。私は、1人じゃない。仲間が居るもの」


 私は微笑みを浮かべ、顔を鋭く魔物へと向けた。


 そして、上げた手の片方を指を鳴らし、魔力を爆発させた。


 魔物は、一瞬警戒し子の頭を刺そうとしたが、何も起きてない現状に顔をこわばらせる。


 その刹那、床からアイツが出てきた。


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