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第53話:轟鳴の海、白銀vs黒鉄

数で勝る鉄甲船艦隊。だが、ドラグーン・リリア号は退かない。

レヴィアの波濤、岩山丸の剛力、そしてリリア号の魔導主砲が、極東の黒鉄を粉砕する!


水平線を埋め尽くす黒鉄の艦隊。その数は十二隻。極東の造船技術と、移住者が持ち込んだ「鉄血」の思想が融合した、異形の軍艦だ。


「……ミナト、敵艦隊から信号。……『亡命者を即刻引き渡せ。さもなくば、海の藻屑とする』だってさ。交渉の余地なし、だね」


 レンが眉をひそめながら、モニターの数値を叩き出す。


「いい度胸だ。だが、あいにく俺の辞書に『降参』という言葉はない。……レヴィア、いくぞ!」


ミナトの号令に応え、海中からレヴィアが浮上する。巨龍が尾を振るうたび、鏡のようだった海面に巨大な渦が発生し、突き進む鉄甲船の陣形を乱していく。


「ぬうっ!? なんだあの化け物は! 怯むな、大筒おおづつ構えッ! 放てぇ!!」


 敵旗艦の号令とともに、鉄甲船の側面から火を噴く。だが、飛来する砲弾はドラグーン・リリア号に届く前に、甲板に仁王立ちする岩山丸によって弾き飛ばされた。


「がはは! 生ぬるいわ! この程度のつぶて、ワシの肌をかすめることもできんぞ!」


 岩山丸は飛来する砲弾を素手で掴むと、そのまま敵艦へと投げ返した。爆発音が響き、鉄甲船の一隻が大きく傾く。


「……そろそろ、こちらからも『挨拶』を返そうか。レン、第一、第二主砲、照準固定。目標、敵前衛艦隊。――プロモーション・バースト、発射!!」


ドラグーン・リリア号の主砲から、純白の魔導エネルギーが奔流となって解き放たれた。それは「軍の神」が誇る黒鉄の装甲を紙細工のように焼き切り、一撃で三隻の艦艇を無力化する。


「な……馬鹿な!? 我が国の誇る不落の鉄甲が、たった一撃で……!?」


 狼狽する敵艦隊。だが、ミナトの攻勢は止まらない。


「レヴィア!艦隊を沈めろ!……この海域は、今日からアド・ヴァルム同盟が頂く!」


白銀の戦艦が全速力で加速し、混乱する敵陣のど真ん中へと突っ込んでいく。極東の海に、かつてない轟音が響き渡った。


【連載休止のお知らせ】新章・極東八州動乱編、準備中!

いつもご愛読いただき、誠にありがとうございます。

第53話「白銀vs黒鉄」の激突をもちまして、物語は大きな転換点を迎えました。 ここで新章の構想をより熱く、濃密にするため、しばらくの間、充電期間(休止)をいただくことになりました。

再開までの間、これまでのミナトたちの歩みを振り返り、来るべき「八州やしま動乱編」への期待を膨らませていただければ幸いです!



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