第50話:砂海の主と、分かたれた道
砂漠化の元凶を断ち、サンド・リヴァイアサンを救い出したミナト。
感謝を述べた巨鯨は、ミナトに忠誠を誓い、新たなる名『サンドラ』を授かる!
不落の盾バスティオンからも認められ、一時の安息を得た一行。
楔を破壊され、静寂を取り戻したサンド・リヴァイアサンは、その巨躯をミナトの前に横たえた。地響きのような唸り声が、龍神の加護を通じて意思の疎通を可能にする。
『……救いし者よ。我を縛りし楔を断ったその手、見事なり。我、この恩を返すまで御身の影となり、砂の海を統べる盾とならん……』
「あんた、俺の仲間になりたいのか? ……いいだろう、歓迎するよ」
ミナトは微笑み、その巨大な鼻先に手を触れた。温かな魔力が交差する。
「だが、その巨体じゃ戦艦には乗れないな。……そうだ、あんたにはこの広大な砂漠を守り、俺たちの『道』を維持してほしい。名前は……『サンドラ』だ。砂の海を統べる龍、そして俺たちの未来を繋ぐ架け橋になってくれ」
『サンドラ』
その名を与えられた巨鯨は、歓喜の咆哮を上げた。周囲の砂が共鳴して波打ち、全身の砂の鱗が黄金色に輝く。サンドラはその広大な背に乗せ、驚異的な速さで砂漠を泳いだ。
帰り道は驚くほど早かった。数日かけて進んだ砂の海を、サンドラは「砂泳ぎ」によってわずか数時間で駆け抜ける。その光景に圧倒されていた。
城塞都市フォート・ヘイヴンへ戻った一行は、バスティオンから最大級の儀礼を持って迎えられた。城壁を埋め尽くした兵士たちが、伝説の巨獣を従えて帰還した使節団に歓声を上げる。
「信じられん……砂漠化が止まっただけでなく、あの伝説の砂の主を従わせるとは」
バスティオンが苦笑しながら、冷えた極上の水を手渡してくる。
「龍神の加護のおかげですよ。……さて、問題はここからだ」
ミナトは宿舎のテーブルに、北から東までを網羅した広大な地図を広げた。
「砂漠化の元凶は断った。このまま東へ進み、予定通り極東を目指すか……。あるいは、サンドラの力を借りて、この未知の北の砂漠をさらに冒険しに行くか。選択肢が増えすぎて困るな」
「がはは! 砂漠の冒険も面白そうだが、サンドラの背に乗れる今なら、北の最果てまで時間もかからんだろうな! ワシの拳がうずくわい!」
岩山丸が腕を組み、砂漠の地平線を熱っぽく見つめる。
「……僕は慎重に行くべきだと思うよ。それに、さっき解析したんだけど、装置の残骸から微かに『雲の神』と同じ魔力波形が出てる。……つまり、何か関係があるのさ」
レンがホログラムで解析図を表示しながら、鋭い視線をミナトに向けた。
東の極東、あるいは北の未知なる砂漠。
強力な「足」を手に入れたミナトたちの前に、二つの大きな運命が提示されていた。
「……どっちに進むべきか……」
ミナトがペンを地図の一点へと突き立てようとした――その時。
見張りをしていた影隼が、窓から風のように滑り込んできた。その腕には、一羽の銀色の機械鳥が止まっている。
「……ミナト。東の空から、極東の意匠を施した『伝令鳥』が届いた。……中身は、招待状だ。……『雲を操る者』の名で」
ミナトは手紙を広げた。そこには、ただ一言。
『退屈を殺せる者よ、空の上で待つ』
「どうやら、向こうから招かれたようだぞ。……極東への道、タダでは通してくれないらしい」
第50話をお読みいただきありがとうございました!
ついに50話到達です!
100メートル級の仲間「サンドラ」。砂漠を特急のように進むその力は、ミナトたちの行動範囲を一気に広げました。
そして登場した「雲の神」ニルバスからの招待状。
ミナトたちはどちらの道を選ぶのか……それとも、両方を同時に解決するのか?
応援ありがとうございます!次回、お楽しみに!
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※AIとの共同執筆作品となります。




