第43話:燃える赤髭と略奪の美学
海賊たちの本拠地、バッカニア・ドミニオン。
そこに君臨するのは、燃える赤髭を持つ暴君・ガド!
「理屈は髭の長さに比例する」と言い放つガドの猛攻を、ミナトの知略とレヴィアの浄化が迎え撃つ。
壊滅した海賊船の生き残りに案内され、ドラグーン・リリア号が辿り着いたのは、無数の沈没船を土台に築き上げられた奇怪な要塞島、海賊国家『バッカニア・ドミニオン』であった。
島全体から火薬の匂いと、粗悪な酒の香りが漂ってくる。
「……うぷっ。……なんだい、この品のない島は」
レンが眉をひそめる。確かにこの島には、ミナトがこれまで相手にしてきたカミシロの「法」も、ギルベルトの「効率」も存在しない。あるのは「奪いたいから奪う」という、原始的な欲望の熱気だけだった。
「がはは! 清々しいほどの無法地帯よ。ミナト、あそこの玉座に座っておるのが、噂の『髭』か?」
岩山丸が指差す先。広場の中心、巨大な錨を積み上げて作られた玉座に、その男はいた。
髭王ガド。
逆立った燃えるような赤髭をパチパチと放電させ、山盛りの肉を骨ごと食らっている巨漢。彼が笑うたびに、周囲の海賊たちが熱狂して武器を打ち鳴らす。
「――おい、そこのモヤシっ子共! 俺の可愛い部下たちを掃除してくれたそうじゃねえか!」
ガドが立ち上がると、その背後に控えていた巨大な赤髭が生き物のように蠢き、周囲の空気を熱で歪ませた。
「掃除代わりと言っちゃなんだが、そのピカピカの戦艦と、横に連れてる『美味そうなウナギ』を置いていきな! そうすれば命だけは、俺の髭にかけて保証してやるぜッ!!」
ミナトはレヴィアの頭を撫でながら、不敵に笑って一歩前に出た。
「……お断りするよ……それにレヴィアは、お前の汚い髭を洗うための石鹸代わりに使うには勿体なすぎる」
「……あァ!? 訳わからん事言いやがって! ぶっ殺してやる!!」
ガドが咆哮すると同時に、彼の髭が急激に増殖・硬質化し、数千本の赤い槍となってリリア号へと襲いかかった。
『千髭万化』。
だが、その猛攻を、レヴィアが吐き出した清浄な水の幕が阻む。
「お前の『海賊国家』、そろそろ限界だろ? 奪う対象がなくなれば、お前の国は一週間で終わりだ。……俺が、その燃え盛る髭と一緒に『トリミング(事業整理)』してやるよ」
「……トリミングだと!? 面白い、なら俺の髭に火を付けてみろッ!!」
力こそがすべての海賊王と、情報を武器にする戦略家。
南洋の覇権を賭けた、正反対の理念を持つ二人の激突が始まった。
第43話をお読みいただきありがとうございました!
髭王ガド、名前の通り暑苦しくて豪快なキャラクターですね。
彼の「千髭万化」という特殊な能力に、ミナトたちがどう立ち向かうのかが見どころです。
そして、ミナトの放った「トリミング」という挑発。
次回、お楽しみに!
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※AIとの共同執筆作品となります。




