第42話:海賊の国と美肌の龍
さらに東へ。ミナトたちの前に現れたのは、無法者たちが支配する海賊の国。
だが、ドラグーン・リリア号の守護神レヴィアは、龍神の加護により「美肌の守護龍」へと進化を遂げていた!?
アビス・ラグーンを出航し、さらに東の未踏海域へと進むドラグーン・リリア号。女王コーラルは別れ際、ミナトに厳しい表情で警告を残していた。
「ミナト様、この先に広がる群島は『無法地帯』……海賊たちが支配する領域です。特に最近、王を殺して国を乗っ取った『髭の神』の移住者が率いる海賊国家、バッカニア・ドミニオンには気をつけて。彼は荒くれ者たちを束ね、略奪を繰り返している暴君です」
その警告を胸に刻みつつ、船上の空気は意外にも穏やかだった。
甲板では、小型化したホロが巨龍レヴィアの頭の上で跳ねている。驚くべきことに、出会った当初は「巨大なウツボ」らしく独特の粘液と生臭さを纏っていたレヴィアだったが、ミナトの龍神の加護を常に浴びることで劇的な変化を遂げていた。
「……ねえ、ミナト。レヴィアのこの粘液、なんだか香りが変わったよ。それに見て、装甲を拭いたらピカピカだ」
レンが不思議そうにレヴィアの肌に触れる。加護によって浄化された分泌液は、もはや生臭い粘液ではなく、最高級のボディオイルのような芳香と潤いを放っていた。
「がはは! これは良い。ワシの岩のような肌も、レヴィアの油を塗ればツヤツヤよ!」
岩山丸が腕にオイルを塗り込み、ご満悦だ。思わぬ「美容龍」への進化にミナトが苦笑いしていると、マストの影隼が鋭い声を上げた。
「……来たぞ。前方に黒い帆の群れだ」
水平線を埋め尽くすのは、大砲を積み込み、禍々しい装飾を施した海賊船の数々。海賊の国『バッカニア・ドミニオン』の略奪艦隊だった。
中央の大型船から、荒々しい怒声が響く。
「止まれ! この海を通るなら、積み荷と命を置いていけ! 我らが髭の王の慈悲だ!」
話し合いの余地なし。いきなり放たれた砲弾がリリア号の傍らで水柱を上げる。ミナトは静かに目を細めた。
「……リリア号を傷つけさせるわけにはいかないな。レヴィア、お前の力、見せてやれ」
『グルゥゥォォォォン!!』
清らかな水の粒子を纏ったレヴィアが、海面を割って高く跳ね上がった。五十メートルの巨躯が、まるで銀色の稲妻となって海賊船団のど真ん中へ叩きつけられる。
ただの体当たりではない。レヴィアが通った後の海面は、浄化の余波で爆発的な水圧を発生させ、海賊船を次々と木っ端微塵に粉砕していった。
わずか数分。百戦錬磨のはずの海賊艦隊は、戦う術もなく壊滅した。
ミナトは、海面に浮かぶ一隻の残骸にしがみついている海賊を見下ろした。
「お前たちの王……『髭の神』に挨拶に行きたいんだ。……案内してくれるかな?」
恐怖に震える海賊を道案内に、一行は略奪者たちの本拠地、バッカニア・ドミニオンへと舵を切った。
第40話をお読みいただきありがとうございました!
レヴィアの粘液が高級ボディオイルに……。ミナトの加護の意外な副産物ですね。
さて、壊滅した艦隊の生き残りを案内役に、一行は「髭の神」が待つ海賊の国へ。
次回、お楽しみに!
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※AIとの共同執筆作品となります。




