表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

40/53

第40話:浮島都市の会談と、消えた「雲」

クラーケン討伐は、思わぬ「手土産」となった。

素材の無償提供を条件に、海の民との友好を勝ち取ったミナト。

だが、女王コーラルから依頼されたのは……。


 クラーケンの巨躯が海に沈み、魔導戦艦ドラグーン・リリア号の甲板に静寂が戻った。

 海面に浮いた巨大な触手の残骸を見つめていると、水平線から数隻の快速艇がこちらへ向かってくるのが見えた。魔獣を駆る戦士たちではなく、精巧な魔導エンジンを積んだアビス・ラグーンの警備船だ。


「……お見事! 陸の民がこれほどまでの怪物を仕留めるとはな!」


 先頭の船から、潮風に焼かれた顔の中年男が身を乗り出して叫んだ。彼はアビス・ラグーンの自警団船長、バルド。


「このクラーケンには長年、海を荒らされて困っていたんだ。助かったよ。……ところで、その残骸、もし良ければ我らに譲ってくれないか? クラーケンはほとんど食べれるし、皮は、魔導回路の触媒に重宝するんだ」


 岩山丸が「ワシが腹を割った戦利品よ」と鼻を鳴らすが、ミナトはニヤリと笑って一歩前に出た。


「いいですよ、船長。素材はすべて差し上げましょう。……ただし、一つ条件があります。我々はアド・ヴァルム同盟の使節団。この海域の島々と正式な貿易をしたいんです。女王への紹介状と、案内を頼めますか?」

「……素材をすべて、だと? がはは、太っ腹な商いだな! 分かった、その心意気、俺が保証しよう!」


 案内された浮島都市『アビス・ラグーン』は、幾百もの船が連結された壮大な水の都だった。

 中央の謁見の間で待っていたのは、褐色の肌に青い瞳を持つ女王コーラル。彼女はミナトから差し出された「クラーケンの魔核」をバルドから受け取ると、柔らかな微笑を浮かべた。


「陸の民よ、歓迎します。素材の提供だけでなく、海域の安寧を守ってくれたこと、感謝に堪えません。我ら海の民は、信義には信義で応える。アド・ヴァルム同盟との友好関係、喜んで結びましょう」

「ありがとうございます。私はアド・ヴァルム同盟の主国、アド・ヴァルム王国の龍神の加護の移住者ミナトです。交渉役を任せられております」

「龍神の加護者様でしたか……」


 握手を交わしたミナトだったが、コーラルの瞳に潜む影を見逃さなかった。


「……友好の印として、何かお困りごとはありませんか? 我々はその解決も『商品』にしています」


 コーラルはふっと溜息をつき、視線を空へと向けた。


「実は……ここにはかつて、一人の『移住者』がいたのです。私たちの暮らしを助けてくれていたのですが、数ヶ月前、突然姿を消してしまいました」


 その男の名は、ニルバス。『雲の神』の移住者だ。

 白銀の長髪をなびかせ、常に退屈そうに空を眺めていたという青年。戦闘でも誰にも負けず、彼は雲を操り、真水を作ったり日照りを防いだりする力を持っていたが、「定住は飽きた。自由になりたい」と言い残し、自ら作り出した巨大な積乱雲に乗って、砂漠の向こうへ飛び去ってしまったという。


「彼がいなくなってから、この海域の気象が不安定になり、魔物も暴れだしました。ミナト様、もし彼を連れ戻してください」

「雲の神の移住者、ニルバスか……。我々も砂漠の向こうにも行く予定ですので探してみましょう」


 ミナトは不敵に笑い、新たな目的地の情報を地図に書き込んだ。

 南洋の霧が晴れ、次なるターゲットは空に浮かぶ「雲の城」へと定まった。


第40話をお読みいただきありがとうございました!

素材をあっさり譲るミナトの「先行投資」としての判断が光りました。

そして新キャラクター、雲の神の移住者。

自由を愛する彼が、なぜ極東へと向かったのか……。

次回、お楽しみに!

面白いと思ったら、ぜひ【ブックマーク】や【評価(★)】で応援お願いします! 励みになります!

※AIとの共同執筆作品となります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ