第22話:仕様変更へのカウンター
「仕様変更」には「バグ」で対抗!? ミナトとカインの凸凹コンビが、理論を超えた連携で最強のシステムエンジニアを追い詰める!
「……無駄だって言ったのに。二人に増えたところで、計算式が一行増えるだけだよ」
宙に浮くレンが、気だるげに空中のキーを叩く。
すると、ミナトとカインの周囲の重力が「上向き」に書き換えられ、二人の体は宙へと放り出された。
「うわっと!? 地面を蹴れねぇ!」
「ミナト殿、空中では私の剣も届きません……!」
カインが焦りの声を上げる。だが、宙に舞うミナトの目は、冷静にレンの周囲を観察していた。
レンの背後に浮かぶ巨大な魔導立方体。それが光るたびに、世界のルールが書き換わっている。
「……ボー、あいつの『処理速度』はどうだ?」
『早すぎて追いつけないわ! でも、一度に書き換えられる範囲には限界があるみたい。複数の命令を同時に投げれば、どこかにラグが出るはずよ!』
ミナトは不敵に口角を上げた。
「なるほどな。……カイン! 奴に『大量の未確認案件』を叩きつけるぞ!」
「……? 意味は分かりかねますが、お任せします!」
ミナトは空中で姿勢を制御し、魔力を込めた投擲ナイフを十数本、あえてバラバラの軌道で放った。同時に、カインに叫ぶ。
「カイン、聖と魔の魔力を交互に練り上げろ! 属性の『矛盾』をぶつけるんだ!」
カインが聖剣に白と黒の魔力を渦巻かせる。
レンは眉をひそめ、空中で指を高速に動かした。
「……ナイフの軌道計算、完了。聖魔のエネルギー係数、算出……。ちっ、属性が反転し続けてる!?」
ミナトのバラバラな攻撃と、カインの変幻自在な属性変化。
レンという「完璧なシステム」に対し、二人はあえて「不規則なノイズ」を流し込み始めたのだ。
「これならどうだ! 国道3号線、拡張工事開始!」
ミナトが地面に向けて膨大な魔力を叩き込む。
レンによって消去されかけていた国道3号線の「定義」を、ミナトが龍神の加護で強引に上書きし、カインの足場を再構成した。
「今だ、カイン! 直線距離ならお前の勝ちだ!」
足場を得たカインが、音速を超えて地を蹴る。
レンの顔に初めて焦りが浮かんだ。
「……待て、再計算が……! 割り込み処理が多すぎる……! 間に合わな――」
レンが防壁のコマンドを打ち込むより早く、カインの聖剣が魔導立方体を真っ二つに叩き斬った。
世界の「定義」を司っていた核が破壊され、浮遊していた瓦礫や狂った重力が、一気に元に戻っていく。
「……あーあ。強制終了かよ……。僕の完璧な環境が……」
支えを失ったレンが地上に降り立つ。その顔には、最強の魔法使いとしての余裕は消えていた。
目の前には、肩で息をしながらも剣を構える二人の英雄。
「……仕事のやりすぎだ。少しは現場の『イレギュラー』ってやつを勉強してくるんだな」
ミナトの言葉に、レンは力なく笑い、光の粒子となって撤退していった。
第22話をお読みいただきありがとうございました!
どれだけ強力なシステムでも、「予測不能な動き」には弱いもの。 ミナトらしい、ちょっと強引な攻略法でした。
次回、お楽しみに!
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※AIとの共同執筆作品となります。




