表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/27

第20話:八本足の蹂躙と、泥沼の損害賠償

帝都目前! バシュタール軍の速攻に、ミナトは驚愕します。 槍の名人ハヤトと不死の馬スレイプニル。 圧倒的な武力の前に苦戦を強いられるミナトが選んだのは……


 ミナトの計算は、その「速度」によって大きく狂わされた。

北の戦線で食い止めるはずだったバシュタールの鉄騎兵団は、国境を越え、信じられない速さで帝都の目と鼻の先まで進軍していたのだ。


「……嘘だろ。もうここまで来てるのか!?」


 帝都郊外の丘陵地。砂塵を巻き上げて迫る軍勢を置き去りにし、あの「八本足」がいた。

スレイプニルに跨る馬の移住者が、長大な槍を風車のように回しながら突っ込んでくる。


「おれはハヤトだ!」


 ミナトは龍神の障壁を展開しながら、大声で叫んだ。


「待て、馬の移住者! この戦争は死んだアカツキが独断で始めた『不祥事』だ。元凶はもうこの世にいない。今さら泥沼の戦争を続けるのは、互いに『損』でしかないだろ! ここで停戦といかないか!?」


 ハヤトは鼻で笑い、スレイプニルを跳ねさせた。


「不祥事? 冗談じゃない。アカツキが死のうが、帝国が先に仕掛けてきた事実は消えないんだよ! 奪われた土地とプライド、その『代償』は払ってもらうぜ!」


 交渉は決裂した。ハヤトの振るう槍は、目にも留まらぬ速度でミナトの喉元を突く。馬上の圧倒的なリーチと、スレイプニルの変幻自在な動き。


「くっ、馬上の槍がこれほど厄介とはな……!」


 ミナトは龍神の拳をスレイプニルの胴体に叩き込んだ。手応えはあった。並の魔獣なら即死する一撃だ。

しかし、八本の足は止まらない。


『ミナト、気をつけて! あのスレイプニル、ミナトの攻撃で死んだけど瞬時に再生させてるわ。……まるで「不死」のバグが組み込まれてるみたい!』

「不死だと!? 冗談じゃねぇ!」


 ハヤト本人の槍術も名人級だ。スレイプニルの速度に乗った突きは、龍神の加護さえも貫きかねない威力を秘めている。ミナトは防戦一方で、徐々に追い詰められていった。


(……マズいな。まともにやり合えば、こっちのスタミナが先に尽きる)


 ミナトは鋭い目で戦場全体を見た。

ハヤトは強い。だが、その背後に続くバシュタールの鉄騎兵団は、スレイプニルの速度についていくのが精一杯で、陣形が伸び切っている。


「……ボー。『軍勢』をたおしてしまおう」


 ミナトはハヤトを無視し、後方の兵団に向けて地面を叩いた。


『そうね!ハヤト一人では帝国と戦えない!』


 ズドォォォォン!!


ハヤトが駆け抜けた直後の地面が、巨大な奈落となって口を開けた。

スレイプニルほどの跳躍力を持たない一般の鉄騎兵たちは、次々と穴に吸い込まれ、あるいは流砂に脚を取られて転倒していく。


「なっ!?兵隊たちが……!」

「お前がどれだけ強くても、兵がいなければ進軍は止まるんだよ!」


 数分後。バシュタールの誇る精鋭部隊は、ミナトの【ウェルカム・インパクト】によって壊滅的被害を受けていた。

 ハヤトは真っ赤な顔でミナトを睨みつけたが、周囲を見渡して唇を噛んだ。


「……クソっ! 覚えてろよ。次は必ず、帝都ごと更地にしてやる!」


 ハヤトはスレイプニルを翻し、一瞬で地平線の彼方へと消えていった。


「……はぁ、はぁ。……消えたか」


 ミナトはその場に座り込み、深く息を吐いた。

勝ったわけではない。単に、相手を削って引き下がらせただけだ。


『ミナト、お疲れ様。……でも、今回は運が良かっただけよ。あいつ、次は一人でも攻めてくるかもしれないわ』


「分かってる。……馬の神であの強さか。……南の『魔法の神』がどれほどのバケモノか、想像もしたくないな」


 29歳、元広告マン。

帝都のすぐ傍まで迫った「移住者」の脅威に、ミナトは拭いきれない不安を抱きながら、夕闇に沈む帝都を見つめていた。


第20話をお読みいただきありがとうございました!

無敵のスレイプニルを相手に、あえて「後ろの兵士」を全滅させるミナト。 勝利よりも「撤退させること」を優先する判断は、まさに実務経験豊富なビジネスマンならでは。

ミナト「正面から戦って勝つのだけが、プロの仕事じゃないんでね」

次回、お楽しみに!

面白いと思ったら、ぜひ【ブックマーク】や【評価(★)】で応援お願いします! 励みになります!

※AIとの共同執筆作品となります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ