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第19話:五国同時侵攻と、五人の「移住者」

帝国を囲む五つの敵対国家。 水、魔法、猿、影、そして馬。五人の神の「移住者」たちが結託し、一斉に牙を剥いてきました。

「全方向からの同時侵攻……」

カインが四つの戦線を支える間、ミナトに託されたのは北の重鎮・バシュタール。 そこに待ち受けていたのは……。


 アド・ヴァルム王国の王宮・円卓の間。

そこでは現在、異世界史上最大級の「経営戦略会議」が行われていた。

出席者はアド・ヴァルム側の国王、ミナト、シリウス、リリアーヌ。そして帝国側の代表、聖魔の剣士カインと軍団長ゼノス・アイゼンガルド、宰相のバレンタイン・ヴォルフ・クロムウェル 「冷徹なる銀秤ぎんびょう」 と呼ばれるその男は、 帝国の経済と法を司る男。帝国の繁栄は彼によるものと言ってもいいだろう。

常に冷静沈着で、眼鏡の奥の瞳は「国家の利益」のみを計算している。彼の振るうペンは、軍団長の剣よりも多くの命を奪うと言われる。

帝国側は3人のみであるが国王を除いた最高権力者がそろったと言ってもいい。


「……さて、現在の帝国周辺の状況を整理しましょう」


軍団長ゼノス・アイゼンガルドの声が響いた。

「鋼鉄の戦鬼アイアン・デーモン」と呼ばれている帝国軍団を率いる大男。全身を特殊な黒金くろがねの鎧で固め、巨大な大剣『ガルド・エッジ』を片手で振り回す。帝国名「ガルド」の名を継承することを許された唯一の武人。

ミナトは地図の上に、帝国を囲む周辺諸国をプロットしていく。

剣戟帝国は、アド・ヴァルムを除いて五つの強硬な国家と隣接していた。そしてその全てに、自分たちと同じ「神の加護を受けた移住者」が配置されているという。


北:鉄騎公国バシュタール【馬の神の移住者】

東:聖教皇国エセルガルド【水の神の移住者】

南:魔導連合ルヴィア【魔法の神の移住者】

西:獣王領フェラリス【猿の神の移住者】

北西:暗黒共和国ゾルグ【影の神の移住者】


「アド・ヴァルム以外の五か国、全てが帝国の『敵対勢力』です。同盟か戦争か……まずはどこから――」


 ゼノスが言いかけたその時、部屋の扉が勢いよく開かれた。帝国の伝令が、かつてない悲鳴のような声を上げる。


「緊急報告! 北のバシュタール、東のエセルガルド、さらに南、西、北西の全五か国が、申し合わせたかのように同時に帝国領内へ侵攻を開始しました!」

「……同時侵攻!?一気に帝国を滅ぼす気ですね」


ミナトは地図を叩いた。あまりにタイミングが良すぎる。


「帝国は敵を作りすぎましたね。私たちが手を組んだことを嫌がって、無理やり盤面を動かしてきたようです」


カインは冷静に立ち上がり、聖剣の柄に手をかけた。


(ん……アカツキの剣と違うな……これが武器の神から与えられた武器なんだろうか……)


カインの腰には日本刀が差してある。鞘が赤く豪華ではあるがアカツキの聖剣とは違うものだ。


「ミナトさん、戦力を分けましょう。私がエセルガルド、ルヴィア、フェラリス、ゾルグの四か国を引き受けます。ですが……北から迫る『バシュタール』だけは、あなたに止めてほしい」

「北の鉄騎公国か。……あそこには『馬の神』の移住者がいるんだったな」


(……馬の神? 龍神の加護を受けてる俺に比べりゃ、交通手段に特化した中小企業みたいなもんだろ)


ミナトは内心、そう高を括っていた。だが、カインの表情はかつてないほど真剣だった。


「ミナトさん、侮ってはいけませんよ。今回現れた五人の中でも、北の『馬の神』と南の『魔法の神』は別格で強い。……特に北の男には気を付けてください。奴は八本足の魔馬『スレイプニル』に跨って現れる。戦場で見ればすぐにわかりますよ」

「……スレイプニルだと? 八本足の伝説の馬!?」

「ええ。物理法則を無視した突進力……あれは、あなたの『加護』を破壊しかねない存在です。……」

「了解した。……カイン、あんたこそ四か国相手に一人で無双なんてできるのか?」

「ふふ、私は大丈夫です。……早めに助けに来てください」


 カインはそのまま出陣し、ミナトはリリアーヌの手を引いて駆け出した。


29歳、元広告マン。

彼は今、北の移住者――八本足の神獣を駆る新たな移住者を迎え撃つべく、北の戦線へと国道を敷き始めた。


第19話をお読みいただきありがとうございました!

ついに現れた五人の移住者。 水、魔法、猿、影、そしてミナトが対峙する馬。 スレイプニルといえば神話でも最強の移動力を持つ馬ですが、ミナトの「国道」をどう攻略してくるのか!?

次回、お楽しみに!

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※AIとの共同執筆作品となります。


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