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第17話:急成長する港町と、帝都からの「表継訪問」

スパイを逆利用し、港町を爆速で「リブランド」していくミナト。 活気を取り戻した街で、リリアーヌとの平和な時間が流れる……はずでした。

「挨拶に来ました、同盟国ですから」

王宮に現れたのは、帝国の新エース『聖魔の剣士』カイン。 笑顔の裏に隠された秘密とは!?


 深夜の港。ミナトは忍者組織『隠龍』の報告を受けながら、闇に紛れる数人のスパイを見つめていた。


「泳がせておけ。あいつらは、いわば『生きた広告』だ。敵国に『アド・ヴァルムの復興は止まらない』という事実を逐一報告してもらえば、向こうの焦りを誘える。最高の宣伝材料になってもらうさ」


 ミナトは『隠龍』に監視を命じ、そのまま本格的な「マリナ・ガルド再生プロジェクト」の指揮を執った。


 翌日、王都アド・ヴァルムからミナトが呼び寄せた特選職人集団――通称『龍神の職人』が到着した。

ミナトは彼らに工程表を見せながら、復興までにかかる工程を確認していく。


「いいですか、ただ直すだけじゃない。ここは『帝国に捨てられた街』から『王国に愛される海の玄関口』に生まれ変わります。この港町の未来はみんなにかかっている!」


 街中には、槌音が小気味よいリズムで響き始めた。

龍神の加護で地盤を固め、職人たちがその上に美しい石材を敷き詰めていく。ミナトが考案した「魔法塗料」で塗り替えられた建物は、朝日に映える白と青のコントラストを描き出した。

 さらに、ミナトは「心のインフラ」にも手を打った。

リリアーヌ王女を「復興のアイコン」として、彼女と共に街の孤児院や老朽化したギルドを回り、自ら炊き出しの鍋を振るったのだ。


「皆様、見てください。この港にはもう、不吉な影はありませんわ」


リリアーヌが修理されたばかりの灯台を指し、慈愛に満ちた笑顔を住民に向ける。

帝国の搾取に怯えていた住民たちは、その美しさと「明日への希望」を前に、次第に自らも修繕作業に志願するようになっていった。

 数日後。

かつて廃墟のようだったマリナ・ガルドは、驚くほどの活気を取り戻していた。

修復された桟橋には、噂を聞きつけた周辺諸国の商船が試験的に停泊し始めている。市場には活きのいい魚が並び、酒場からは陽気な歌声が漏れ出す。まさに、完璧な「V字回復」だった。


「ミナト様、信じられません……。この街がこんなにも輝くなんて」


防波堤の上で、潮風に髪をなびかせながらリリアーヌが感嘆の声を漏らす。


「……街を動かすのは、結局のところ『人』ですよ。人は、明日が今日より良くなると思えれば、勝手に走り出すもんです」


ミナトはコーヒーを一口飲み、満足げに目を細めた。

だが、その安堵の瞬間を、空間を切り裂くような『隠龍』の緊急報告が破った。


「緊急報告! 王都アド・ヴァルムより伝令!!」


影から飛び出してきた隠密の顔は、かつてないほど引き攣っていた。


「帝国の新移住者、聖魔の剣士――『カイン』と名乗る男が、単身で我が国の王宮に現れました!」


 ミナトの手が止まる。


「……カイン? あのスパイたちが言っていた……。宣戦布告でもしに来たのか?」

「いえ、それが……『私は帝国の親善大使である。同盟国として、挨拶と、両国の友好を深めるために龍神の移住者に会いに来た』と……。現在、国王陛下とシリウス様が応接室で対応されています」

「……挨拶だと?」


ミナトの脳内に、前職で経験した最悪の記憶が蘇った。『競合他社が、こちらの親会社へ笑顔で挨拶に来た時』の、あの寒気だ。


『ミナト、敵対心はないんじゃないかしら……』


頭の上のボーが、珍しく静かに話した。


「……リリアーヌ様、すぐに王都へ戻ります」

「は、はい! ……でも、同盟国の方がご挨拶に来ただけなら、礼を失するわけには……」

「……いいえ、リリアーヌ様。帝国は油断できません……俺がいない隙を突いて攻めてきたのかもしれません」


 29歳、元広告マン。  彼は復興したての港町を背に、自分が不在の「王都」を狙う不気味な新星――聖魔の剣士カインを迎え撃つため、国道1号線を全力で逆走し始めた。


第17話をお読みいただきありがとうございました!

地方創生が成功したと思ったら、今度は王都を直接叩きに来た強敵。 聖魔の剣士カイン。アカツキとは違い、知性と威圧感を兼ね備えた「ホワイトカラーな怪物」の登場です。


次回、第18話。 お楽しみに。

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※AIとの共同執筆作品となります。


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