第13話:同盟成立と、勇者の「直帰」
寝室を「更地」にされたエドワード王子の前に現れたのは、帝国の絶対的支配者。
圧倒的な実力を見せつけたミナトに、皇帝が下した決断とは!?
命懸けの「直接交渉」がついに決着!
「な、なんだこれは……! 壁が、私の部屋の壁がないぞ! 外が見える! 寒いではないか!」
エドワードが震える指で「国道予定地」の看板を指し、絶叫する。
だが、その声に応えて現れたのは近衛兵でも暗殺部隊でもなかった。
「――騒がしいぞ、エドワード。朝食の邪魔だ」
更地になった壁の向こう側……廊下から、鉄を打つような足音と共に現れたのは、帝国の皇帝、ガルド・V・ヴァルガルドだった。
「ち、父上! この男が、私の寝室を……!」
「黙れ。……暗殺という前時代の『古いやり方』をしかけ、失敗して部隊を全滅させたのは貴様だ。これ以上の損害を出す前に下がっていろ」
皇帝の鋭い眼光に、エドワードは脂汗を流しながら縮こまった。
皇帝はミナトが手にしたコーヒーの香りを一嗅ぎし、不敵に笑う。
「……龍神の移住者よ。一晩でこの城の最高レベルの防壁を『無』にしてみせるとは。……貴様という『存在』そのものが、もはや一つの国家に等しい武器だな」
「恐縮です、陛下。……俺としては『破壊』より『建設』にこの力を使いたい。……さて、同盟はいかがいたしましょうか?」
ミナトが差し出した魔法の契約書。そこには「政略結婚の白紙撤回」と「帝国領土の譲渡」等のアド・ヴァルムに有利な条項が、光り輝く文字で刻まれている。
「こちらがかなり不利だな……面白い。」
皇帝は自らの指輪を契約書に押し当てた。
瞬間、契約が魔法的に締結され、まばゆい光が部屋を包む。
「……同盟成立だ。佐伯ミナト。今日からアド・ヴァルムは我が帝国の『同盟国』であると宣言しよう」
同盟成立のニュースは、魔法通信によって瞬く間に大陸中を駆け巡った。
ミナトは帝都に長居するつもりはなかった。なぜなら、彼にはこの過酷な出張を支えた「モチベーション」の源泉が、王都で待っているからだ。
『ミナト、交渉成立おめでとう! 報酬の「金貨」と「帝国の特産品セット」も確保したわよ。……早く帰らないと、リリアーヌ様が待っているわ』
「ああ、すぐに戻る。……ボー、一番速いルートで『国道』を敷きながら帰るぞ」
アド・ヴァルム王都の城門。
ミナトの馬車が見えた瞬間、城壁の上から青い影が飛び出してきた。
「ミナト様!!」
リリアーヌが、王女の品位も忘れて駆け寄ってくる。
ミナトが馬車から降りると、彼女は勢いそのままに彼の胸に飛び込んできた。
「……っ、ご無事で……本当によかった……!」
「ただいま戻りました、リリアーヌ様。……約束通り、同盟の契約書を持ってきましたよ。……あ、あとこれ、帝国の最高級スイーツです。……出張のお土産に」
リリアーヌは、泣き笑いの表情でミナトを見上げた。
背後では、国王やシリウス王子、そしてレオニダス王子までもが、信じられないという顔で契約書を確認している。
「……本当に、帝国と対等以上な同盟を……。ミナト様、あなたは一体どれほどの奇跡を……」
「奇跡じゃありませんよ。……ただの『適切な交渉』の結果です」
ミナトはリリアーヌの頭を優しく撫でた。
29歳、元広告マン。
最強の帝国の脅威を退け、彼は今、世界で一番贅沢な休息を、最愛のヒロインの隣で手に入れたのだった。
第13話をお読みいただきありがとうございました!
ついに帝国との同盟が成立。
物理的な暴力だけでなく、「経済的なメリット」を提示して皇帝を唸らせるミナト、さすが元代理店マンです。
次回、第14話。龍神お姉さんから告げられた「お試し期間」の終了が迫る……。
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※AIとの共同執筆作品となります。




