第一話 お参り
どこまでも広がる田園の風景は、散歩してる私にとって目に優しく、いくらかのストレスを軽減してくれる。だが今年受験を迎える私の抱えるストレスは、計り知れないものがある、今もこうして勉強が少し嫌になり、四畳しかない独房の勉強部屋から、抜け出し散歩に出てきた。二年前の中学一年生の時にパパがこの田舎の土地にマイホームを買い、引っ越してきた、別に都会に友達がいなかったので、寂しくはなかったが、何も無さ過ぎて毎日が退屈で、勉強しかやることがない。そして私は勉強も嫌いなので、こうやって、緑を眺めることしか楽しみがない。
今日は少し遠くにある、古びた神社にお参りにきた、ここの神社は別に学業の神様が祀られているわけではないが、何となく神頼みにきた、因みに何の神様がいるのかも私は、分かっていない、ただ何の神様でもいいから成績が少しでも上がるようにお願いをしたかった。でも私は分かってる、お参りしたからといって成績が上がらないことを、所詮お参りなんて、即席行為の気休め、実際夢をかなえた人が、インタビューで神社で神頼みしたんです。とは言わない。みんなそれ相応の努力をして夢をかなえている。
古びた鳥居をくぐると、地面にひきしめ合う真っ白な石たちが迎えてくれる。手入れをする人がいないのか、石と石の間から雑草があちこちに生えている。いや、もしかしたら掃除をする人がいて綺麗に雑草を刈ってるかもしれない、そしてすぐに生えてくるのかもしれない。そう思ったら私の腕から生えてくる、うぶ毛と似てておかしくなってきた。ふふっと、ふざけて足元の白い石を男の子みたいに蹴り飛ばした。スカートがふわりと舞ったが、気にはならない。平日の午後の神社は人の気配がなく、静寂に包まれていた。
お賽銭箱に気休めの五円玉を入れ、本坪鈴をならし、気休めの手を合わせた。
「受験がうまく行きますように、ストレスが解消出来ますように」
さて帰ろうとしたときに、神社の裏手から声がした、この声は女の子の独特の甲高い笑い声だ、急にクラスで私をバカにする女の子達の顔が頭に浮かんできて、気分が悪くなってきた。早く帰ろうと思ったが、何故かその甲高い声に興味が湧いてきた。こんな遊ぶところもない、人も来ない古びた神社で楽しそうに話してるのが不思議だった。その正体を私はみたいと、心で強く思った。




