86.追試まで56
今日も電車は満員御礼です。私は鷹村くんと電車に乗りました。
「小鳥。ここに来い。」
私は鷹村くんに抱きしめられるような体勢で立ちました。
「今日も満員だね。」
「そうだな。」
乗り込む人たちに押されてバランスが崩れると、鷹村くんが私を支えてくれました。
「ありがとう。手すりに届かなくて。」
「俺を掴んでろ。俺は上の手すりを余裕で掴めるから。」
「うん。」
私は鷹村くんの腕を握りました。
「鷹村くん鍛えてるね。」
「まあな。」
そんな話をしていると電車が動き出しました。その瞬間横の人に押されバランスを崩した私を抱き支えてくれました。
「鷹村くん。ごめんね。重いでしょ。」
「軽いよ。もっと飯を食わねーと。」
「食べてるよ。お菓子もしっかり食べてるし。」
「そうだったな。」
鷹村くんはそう言って笑いました。
「小鳥は、甘いもの好きだもんな。」
「うん。」
そんな話をしていると、電車は秀華学園前に到着しました。
「鷹村くん。ありがとうね。じゃあ、又放課後。」
「あぁ。じゃあ、気をつけてな。」
私は電車から降りました。鷹村くんに手を振ると鷹村くんはてを振り返してくれました。鷹村くんは背が高いし、満員電車の人混みの中にいても赤い頭が目印になってどこにいるのかわかります。扉が閉まり電車はホームを出て行きました。
「おはよう。たかちゃん。」
「おはよう。しいちゃん。」
「鷹村くんと一緒だったの。」
「うん。今日は約束して一緒に来たの。」
「おー、朝から仲良しさんだね。」
「確かに。私、鷹村くんと仲良しさんかも。」
と話をしていたら、木村くんがやってきました。
「小鳥遊さん、再びおはよう。彼氏さんとの朝のひと時をお邪魔してすみませんでした。」
「え?彼氏?」
としいちゃんが木村くんに尋ねます。
「小鳥遊さんか彼氏さんといる時に美術部への勧誘をしたら彼氏さんにすごく警戒されまして。」
「木村くん。さっき一緒にいたのは彼氏じゃなくて、」
「じゃあ旦那さん?」
「は?何でそうなるの。」
「いやー。仲睦まじくって。収まりがいいというか。凸と凹がピッタリ合わさっている感じがしたんですがね。」
「木村くん、私もそう思う。そうそう。」
としいちゃんまで言い出しました。
「木村くんと、しいちゃんは知り合いなの?」
と尋ねたら、2人とも首を振ります。そして、しいちゃんは
「木村くんとは知り合いではないけど彼の意見に全く同意見だったから。意気投合したって感じ。」
それから3人で学校に行きました。もちろん木村くんに美術部の勧誘もされながら。
登場人物
小鳥遊マヤ→秀華学園、高校2年生(2年A組)。アメリカに住んでいたが両親を事故で亡くし、祖父母に引き取られ日本に戻ってきた。
鷹村龍→赤髪。鬼山高校の2年生。他校の不良たちと度々問題を起こしてきた問題児。
小鳥遊巌→マヤの祖父、たかなし医院の院長
小鳥遊富士子→マヤの祖母
森田先生→マヤ(2年A組)の担任
東口先生→秀華学園の生活指導の先生
畑中昇太→秀華学園、(2年A組)
椎名歌→秀華学園、(2年A組)。あだ名はしいちゃん。
滝川 恋 (れん)→秀華学園、(2年A組)
林 頼人 (らいと)→秀華学園、(2年A組)
馬場正 (ただし)→秀華学園、テニス部、クラス委員(2年A組)
秋山淳子→秀華学園(2年A組)
木村正雄→秀華学園美術部部員(2年B組)
ひぐりん→鬼山高校の先生
菊田毅→金髪。鬼山高校(2年)
川村利明→茶髪。鬼山高校(2年)
小森健太→緑髪。鬼山高校(2年)
小川→鬼山高校




