85.追試まで55
ホームに着くと、
「小鳥遊さん。おはよう。」
美術部の木村くんが声をかけてきました。
「木村くんおはよう。」
鷹村くんの顔を見上げたら、
「おはよう。」
と少し不貞腐れたように木村くんに挨拶をします。木村くんは、
「お、おはようございます。」
と挨拶を返します。木村くんは、
「小鳥遊さんと一緒に学校に行こうと思って待っていたんだ。」
「あ、そうなの?私、秀華駅まで鷹村くんと一緒に行く約束してるから、彼も一緒でよければいいけど。鷹村くん、木村くんも一緒にいいかな?」
「あぁ。」
「木村くんは?」
「僕は構わないよ。」
「小鳥遊さんは今日の放課後時間ある?」
「ごめんなさい。約束があって。あ、今日は火曜日だったね。」
「木村くんだっけ?小鳥には何の用なんだ?」
「今、僕は彼女を口説いているところなんだ。」
「く、口説く?小鳥、口説かれてるのかよ。」
「ははは、そうだね。口説かれてるね。試験が終わったら返事するから。」
「それまでにしっかり売り込んでおこうと思ってね。」
すると鷹村くんは
「嫌ならちゃんと断れよ。」
「嫌じゃないのよ。」
「は?そ、そうなのか?」
「小鳥遊さん、彼落ち込んでるよ。」
「え?何で鷹村くんが落ち込むのよ。美術部に入っても、勉強は教えてあげるから。」
「は?美術部?」
「そう。小鳥遊さんがアメリカでアートのクラブに入ってたって聞いたから、美術部に入ってもらいたくて。今、部員が6人しかいなくって3年生が引退したら3人になるんだよ。今日が活動日だから声をかけだってわけ。」
「鷹村くんに美術部のこと伝えてなかったっけ?」
「聞いてねーよ。マジ焦ったわ。」
「何で鷹村くんが焦るのよ。」
「小鳥は絵を描くのが好きなのか?」
「うん。下手の横好きだけどね。」
「小鳥遊さん。彼氏さん。お邪魔しました。今日はフラれたのでこれで一旦ドロンします。秀華駅に着いたら又勧誘するから。」
と言って離れて行きました。
「鷹村くん?どうしたの?」
「いや、別に。俺、彼氏って。」
「木村くんからはそう見えたのかな?まっいいや。それで美術部のことだけど、さっきも言ったけど、部活に入っても、勉強の相談にはちゃんと乗るから、鷹村くんが焦らなくてもいいのよ。」
「彼氏のことは、まっいいやなんだ。」
「え?何?」
その時、電車がホームに入るというアナウンスが流れ、電車が入ってきました。
登場人物
小鳥遊マヤ→秀華学園、高校2年生(2年A組)。アメリカに住んでいたが両親を事故で亡くし、祖父母に引き取られ日本に戻ってきた。
鷹村龍→赤髪。鬼山高校の2年生。他校の不良たちと度々問題を起こしてきた問題児。
小鳥遊巌→マヤの祖父、たかなし医院の院長
小鳥遊富士子→マヤの祖母
森田先生→マヤ(2年A組)の担任
東口先生→秀華学園の生活指導の先生
畑中昇太→秀華学園、(2年A組)
椎名歌→秀華学園、(2年A組)。あだ名はしいちゃん。
滝川 恋 (れん)→秀華学園、(2年A組)
林 頼人 (らいと)→秀華学園、(2年A組)
馬場正 (ただし)→秀華学園、テニス部、クラス委員(2年A組)
秋山淳子→秀華学園(2年A組)
木村正雄→秀華学園美術部部員(2年B組)
ひぐりん→鬼山高校の先生
菊田毅→金髪。鬼山高校(2年)
川村利明→茶髪。鬼山高校(2年)
小森健太→緑髪。鬼山高校(2年)
小川→鬼山高校




