78.追試まで㊽
畑中君が指をさした先には赤い頭が。遠くからでもよく目立ちます。鷹村くんは私たちの方へ駆けて来て私に
「今日、小鳥は塾だろ。」
と確認したので
「うん。」
と私が答えると、みんなに気づいた鷹村くんは
「この前は、すごく助かった。ありがとう。」
とお礼を言いました。すると畑中君が、
「たかちゃん。席とっといてあげる。真ん中の端だよね。」
と言うので私は、
「うん。ありがとう。」
と答えました。すると林くんは
「俺も、今日は塾だから。また。」
れんちゃんも
「私も塾だからお先に。」
と言って改札に向かいました。
しいちゃんは私に
「あとで話聞かせてね。」
と耳打ちし、
「じゃ、お先に。」
と言って畑中君と改札に向かいました。
「鷹村くん、わからないところがあったの?20分弱しか時間がないから早速見せて。」
と私が言うと、
「あ、いや。そうじゃなくて。一駅だけど、一緒に帰ろうかと思って。」
「え?」
「わりぃ。みんなで帰ってるところだったのに迷惑だったよな。」
と言って帰ろうとします。私は鷹村くんの腕を捕まえて
「何で勝手に帰るの。迷惑だなんて言ってないよ。ちょっと話をしてから帰ろ。」
と私が鷹村くんに提案すると、
「あ、ありがとう。」
と言って恥ずかしそうにしています。・・・あ、鷹村君は追試前で心細いんだ。みんなが怖がる不良だから誰にも弱音を吐けないんだろうな。鷹村くんの先生として、しっかり話も聞いてあげないとね。私は気合を入れました。私は
「鷹村くん。どうしたの?何かあつたの?」
と尋ねると、
「いや。別に。」
と普通に答えます。・・・?何にもない?じゃあなぜ鷹村くんはここに来たのだろう・・・。私が考えていると、鷹村くんは自販機に向かい、
「小鳥は紅茶?」
と尋ねます。私は
「自分で買うから大丈夫。」
と答えると、
「何にする?」
と又尋ねます。私は
「じゃあ、レモンティーで。」
と答えると鷹村くんはレモンティーを買い、自分の飲み物も買って戻って来ました。私がカバンから財布を取り出すと、
「俺が引き止めたんだし、もらってくんね?」
と言ったので、
「ありがとう。」
とお礼をし、ありがたく頂戴しました。
「鷹村くんは何買ったの?」
と尋ねると、
「コーヒー」
と言って缶を見せてくれます。私は
「ブラック飲めるの?大人だね。私はパックの甘いコーヒー牛乳しか飲めないんだよね。鷹村くんは苦いの平気なんだ。」
と言うと、
「まあな。」
と答えます。私は、ペットボトルの蓋を開けると、
「いただきます。」
と鷹村くんに言ってレモンティーを飲みました。2人でたわいも無い何にも話をして過ごしていると、あっという間に電車の時間になりました。
「鷹村くん。そろそろ電車の時間。」
「あぁ。」
私たちは飲み終わった缶とペットボトルをゴミ箱に捨ててホームに向かいました。
登場人物
小鳥遊マヤ→秀華学園、高校2年生(2年A組)。アメリカに住んでいたが両親を事故で亡くし、祖父母に引き取られ日本に戻ってきた。
鷹村龍→赤髪。鬼山高校の2年生。他校の不良たちと度々問題を起こしてきた問題児。
小鳥遊巌→マヤの祖父、たかなし医院の院長
小鳥遊富士子→マヤの祖母
森田先生→マヤ(2年A組)の担任
東口先生→秀華学園の生活指導の先生
畑中昇太→秀華学園、(2年A組)
椎名歌→秀華学園、(2年A組)。あだ名はしいちゃん。
滝川 恋 (れん)→秀華学園、(2年A組)
林 頼人 (らいと)→秀華学園、(2年A組)
馬場正 (ただし)→秀華学園、テニス部、クラス委員(2年A組)
秋山淳子→秀華学園(2年A組)
木村正雄→秀華学園美術部部員(2年B組)
ひぐりん→鬼山高校の先生
菊田毅→金髪。鬼山高校(2年)
川村利明→茶髪。鬼山高校(2年)
小森健太→緑髪。鬼山高校(2年)
小川→鬼山高校




