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74.追試まで㊹

 電車のドアが開きました。いつもながらの満員御礼。私と馬場くんは降りる人を待ち、満員電車に乗り込みました。その瞬間誰かに腕を掴まれ引き寄せられました。私は痴漢と叫ぼうとした瞬間、

「小鳥、俺だよ。」

と鷹村くんが声をかけてきました。私は小声で

「脅かさないでよ。痴漢かと思って叫ぶところだったじゃない!」

と鷹村くんに抗議しました。すると

「わ、悪い。・・・あの・・・。あいつ誰だよ。」

「あいつ?ああ馬場君のこと。クラスメイトだけど。なに?知り合いなの?」

「いや・・・。小鳥があいつと」

鷹村くんが何か言いかけたところで

「中ほどへお詰めください!!」

車掌のアナウンスで会話が遮られてしまいました。それにしてもラッシュ(人混み)が苦手な私にとっては一駅でもこの空間は辛い。アナウンスの後、車内の人々が動いた瞬間鷹村くんは、私を手すりと鷹村くんの間に私を入れてくれました。鷹村くんは私を守るように立ってくれています。

「鷹村くんありがとう。」

「大丈夫か?」

「うん。大丈夫。鷹村くんのお陰だよ。それに一駅だし。」

「そっか。大丈夫ならよかった。」

「鷹村くんはお友達はいいの?」

「別にいいよ。駅降りたらどうせ会うんだし。」

「お前はいいのか?馬場ってやつと一緒だったんだろ?」

「うん。だってここから動けないし、私も駅に降りたら出会うだろうし問題ないよ。」

その時電車が揺れ、その瞬間鷹村くんは私の腰に手を回して支えてくれました。

「ごめん。ありがとう。もう大丈夫だよ。」

「別に。また揺れたら危ないだろ。」

「あ、ありがとう。」

鷹村くんは親切心で私を支えてくれているけど、私はなんだか落ち着かない・・・。向かい合って腰に手を回されて密着していると流石の私も恥ずかしくなってしまうよ!そんなことを考えていたら!鷹村くんはいつも通りに、

「今日小鳥は放課後塾だよな?」

「うん。そうだけど。」

「頑張れよ。」

「鷹村くんもね。」

そのタイミングで

「秀華学園前、秀華学園前。お降りのお客様は足元にお気をつけ下さい。」

という車内アナウンスが流れ、ドアが開きました。鷹村くんは腕を外して微笑み

「いってらっしゃい。気をつけてな。」

と言って手を小さく振ります。私も

「鷹村くん。いってきます!」

と小さく手を振ると鷹村くんは

「おう。」

と返事をしました。

私は電車から降りると、

「おはよう。小鳥遊さん。」

とクラスメイトの秋山さん?(多分あっていると思うんだけど。)に声をかけられました。

「おはよう。秋山さん。秋山さんはいつもこの電車に乗っているの?」

「ううん。普段自転車なんだけど、今日は夕方雨が降るみたいだから今日は電車で。」

「そうなんだ。」

と返事をした時、

「小鳥遊さん、待ってー。あー、危うく隣の駅まで行くところだった。」

と馬場くんが息を切らしてやって来ました。

「おはよう。馬場くん。さっ、行きましょ。」

秋山さんに促され私たち3人はホームのエスカレーターに向かいました。振り返ると鷹村くんと目があったように思い手を振ると、鷹村くんは恥ずかしそうに手を振りかえしてくれました。



登場人物

小鳥遊マヤ→秀華学園、高校2年生(2年A組)。アメリカに住んでいたが両親を事故で亡くし、祖父母に引き取られ日本に戻ってきた。

鷹村龍→赤髪。鬼山高校の2年生。他校の不良たちと度々問題を起こしてきた問題児。

小鳥遊巌→マヤの祖父、たかなし医院の院長

小鳥遊富士子→マヤの祖母

森田先生→マヤ(2年A組)の担任

東口先生→秀華学園の生活指導の先生

畑中昇太→秀華学園、(2年A組)

椎名歌→秀華学園、(2年A組)。あだ名はしいちゃん。

滝川 恋 (れん)→秀華学園、(2年A組)

林 頼人 (らいと)→秀華学園、(2年A組)

馬場正 (ただし)→秀華学園、テニス部、クラス委員(2年A組)

ひぐりん→鬼山高校の先生

菊田毅→金髪。鬼山高校(2年)

川村利明→茶髪。鬼山高校(2年)

小森健太→緑髪。鬼山高校(2年)

小川→鬼山高校

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