65.追試まで㉝
「よし!一通り終わったね。思ったよりも捗ったね!」
「そうだな。う〜ん。身体が伸びる。」
と言いながら鷹村くんは伸びをします。スマホの時計を見ると、5時43分
「鷹村くん6時まで休憩しよっか。」
「そうだな。」
「ちょっと部屋に戻っていい?今のうちに宿題のプリント印刷してくる。」
「俺も行っていい?」
「いいよ。」
私は机のノート型パソコンとプリンターに電源を入れました。
「ちょっと待っててね。」
「あぁ、わざわざ悪いな。」
「気にしないで。」
私が用紙をセットしていると、
「これ、昨日小鳥がやってた塾の宿題だろ?すげー量だな。中を見てもいいか?」
「うん、いいよ。よかったら座って。」
「あ、サンキュ。」
鷹村くんは宿題を一枚ずつ丁寧にめくりながら
「小鳥はすごいな。こんな難しい問題を解けるんだもんな。俺、問題の意味すら分かんねーもんな。って、小鳥、昨日もらったプリントここまで終わらせたのか?ごめん。俺に勉強を教えてるのせいで小鳥に無理させちまって。」
「鷹村くんは関係ないよ。単に勉強が捗った、それだけ。」
そう言って印刷が終わった用紙を確認して鷹村くんに渡そうとしたその時、私の足が鷹村くんの足に引っかかって尻餅をつきそうになりました。すると鷹村くんは私をうけとめ膝の上に乗せました。
「鷹村くんごめんね。ありがとう。」
「ああ、それにしても小鳥は軽いな。」
「そうかな普通だよ。・・あの・・そろそろ降りるね。」
「あ、ああ。悪い、小鳥が軽すぎて降ろすのを忘れてた。」
鷹村くんは私を支えている腕を慌てて外し、私は鷹村くんの膝から降りました。鷹村くんは顔と耳まで赤くして俯いています。そして
「本当、悪い・・。」
とポツリと言いました。
「悪くないよ。鷹村くんは私が転ばないように支えてくれただけだもん。それに鷹村くんの膝に乗った時、懐かしかったー。恥ずかしい話なんだけど、私、よく、ソファーに座ってるお父さんの膝に座ったりしてたのよ。うちのお父さん、鷹村くんみたいに背が高くてガッチリしていたから座り心地が似ててびっくりしちゃった。」
私の思い出話を聞いた鷹村くんは自分の太ももを2度叩き、
「俺の足でよかったら使ってくれ!」
と手を広げました。
「ハハハ、流石にはずかしいよー。」
その時、鷹村くんは急に立ち上がり、私を抱きしめました。
登場人物
小鳥遊マヤ→秀華学園、高校2年生(2年A組)。アメリカに住んでいたが両親を事故で亡くし、祖父母に引き取られ日本に戻ってきた。
鷹村龍→赤髪。鬼山高校の2年生。他校の不良たちと度々問題を起こしてきた問題児。
小鳥遊巌→マヤの祖父、たかなし医院の院長
小鳥遊富士子→マヤの祖母
森田先生→マヤ(2年A組)の担任
東口先生→秀華学園の生活指導の先生
畑中昇太→秀華学園、(2年A組)
椎名歌→秀華学園、(2年A組)。あだ名はしいちゃん。
滝川 恋れん→秀華学園、(2年A組)
林 頼人らいと→秀華学園、(2年A組)
ひぐりん→鬼山高校の先生
菊田毅→金髪。鬼山高校(2年)
川村利明→茶髪。鬼山高校(2年)
小森健太→緑髪。鬼山高校(2年)
小川→鬼山高校




