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54.追試まで㉒

「マヤー、鷹村くんがいらっしゃったよ!」

おじいちゃんに呼ばれ、

「はーい!今行きます!」

私は学習道具を持って階段を駆け下りました。


「鷹村くんいらっしゃい。お待たせしました。」

「あ、おう。・・・ジャージ?」

「そうよ、いいでしょ。気合いを入れたの。勉強はスポーツだから。」


 するとおじいちゃんは、

「荷物の整理は終わったのかい?」

と私に尋ねます。私は

「ごめんなさい。つい、懐かしい本が出てきて・・。」

と言うと、

「はぁ、早く片付けるんだよ。それより鷹村くんからいただいたよ。」

とおじいちゃんが紙袋を見せます。YAMATOKUと書いてあります。

「え?山徳?」

と尋ねると、鷹村くんは

「あぁ。山徳の隣に山徳がやってるカフェがあって。そこのデザートが人気らしくって。小鳥が好きかと思ったから。今日も一日勉強教えてもらうし・・・。」

と答えます。私は

「わー。ありがとう!すっごくうれしい山徳がやってるお菓子だから間違えないよ。」

と心からの感謝を伝えました。おじいちゃんは

「鷹村くんありがとうね。さっ。あがってあがって!」

と言って鷹村くんを部屋に案内しました。


学習準備が整ったので、 

「さっ始めよっか。」

と私が腕まくりをすると、

「ジャージなんだな。」

と鷹村くんは私を見ました。

「何で?いいでしょ別に。何か不満?ちゃんとしたスポーツメーカーのジャージでしょ。どこが悪いのよ。」

「悪くないです・・・。荷物の整理終わってないって・・・ジャージはあったんだ。」

「学校で使うかと思ってジャージは学用品と一緒に入れてたのよ。でもうちの学校、指定ジャージがあったから結局使わなくって。あー、家にジャージあってよかったーー。」

「ジャージあってよかったって・・・。私服ないと困るんじゃね。」

「ううん。全然困んないよ。私、平日は学校と塾で土日も塾でしょ。うちの塾は制服で通わなくちゃいけないから、私服いらないもん。」

「塾以外では出かけないのか?映画とか、買い物行ったりとかさ。」

「うちの学校の生徒は土日とか放課後は塾に行っている子がほとんどだし、この前に一緒に勉強した椎名さんや滝川さんとか畑中くんや林くんも土日は塾だから。遊びに行くとしたら学校や塾の後だしね。」

「でもほかの学校の生徒とは出かけないのか・・・。俺とかさ・・・。」

「え?」

「いや。何でもない。すまん。・・・そ、それより、勉強の前に荷物整理手伝おうか?昨日、本が重いとか何とか言ってただろ。俺引っ越しのバイトもしてたから、とりあえず重い本だけでも一緒に片付けようか?」

「え?いいの?でも悪いよ。追試まで時間がないでしょ。」

「じゃあ、30分あれば結構片付くと思うからさ。小鳥に世話になってるから俺も役に立ちたいし。」

「ありがとう。じゃあ、お願いします。」


私達は2階に上がりました。

登場人物

小鳥遊マヤ→秀華学園、高校2年生(2年A組)。アメリカに住んでいたが両親を事故で亡くし、祖父母に引き取られ日本に戻ってきた。

鷹村龍→赤髪。鬼山高校の2年生。他校の不良たちと度々問題を起こしてきた問題児。

小鳥遊巌→マヤの祖父、たかなし医院の院長

小鳥遊富士子→マヤの祖母

森田先生→マヤ(2年A組)の担任

東口先生→秀華学園の生活指導の先生

畑中昇太→秀華学園、(2年A組)

椎名歌→秀華学園、(2年A組)。あだ名はしいちゃん。

滝川 恋れん→秀華学園、(2年A組)

林 頼人らいと→秀華学園、(2年A組)

ひぐりん→鬼山高校の先生

菊田毅→金髪。鬼山高校(2年)

川村利明→茶髪。鬼山高校(2年)

小森健太→緑髪。鬼山高校(2年)

小川→鬼山高校

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