27.有名人⑯
電車が来ましたが会社や学校帰りの生徒たちで満員です。私達はその電車に乗り込むと、鷹村くんが私を壁側に立たせて私が潰されないように立ってくれています。不良で怖いと聞いていましたが、結構いい人だなと思い、思わず鷹村くんに、
「鷹村くんっていい人ですね。」
と言ってしまいました。すると、
「べ、別にいい人って程でもねーよ。」
と言って照れていました。私は、鷹村くんは不良だと聞いていましたが、とても優しい、紳士的な人だなと感心しました。見た目も全然不良じゃないし(アメリカでは彼のような髪色のピアスの生徒も普通にいたし)な。
「あの。変なこと聞いていい?不良の人たちってリーゼントとか、パンチパーマはかけないんですか?鷹村くんの髪って赤く染めているだけで不良っぽくないでしよ。だから、貴方が不良の世界で有名な人って聞いてもぴんとこないのよね。」
と気になっていたことを尋ねました。すると鷹村くんは
「ぶっはっ。」
とふきだして、
「そんな・・不良ってか、そんな高校生今時いねーよ。」
と言って笑いました。
「中央文化センター、中央文化センター。扉近くのお客様はご注意ください。」
とアナウンスが聞こえると扉近くにいる私が危なくないように鷹村くんに引き寄せられました。びっくりして上を向くと鷹村くんは赤くなっています。その瞬間扉があき、たくさんの人たちがおりました。私と鷹村くんと椎名さんと畑中くんが下車をしました。・・・扉近くにいたから鷹村くんは一旦降りただけだと思っていたけど、鷹村くんは再び電車に乗ろうとしません。・・・え。鷹村くんって次の藤中駅が最寄り駅って言ってたよね。私は
「鷹村くん早く乗らなきゃ。発車するよ。」
と伝えると、
「俺もここで降りるから。」
というので
「アルバイト?」
と尋ねると、
「いや。」
え?試験前なのに夜遊びとかしないよね・・・。まさかね。
「何か用事があるの?」
と尋ねると、
「小鳥を家に送るに決まってんだろ。」
・・・はぁ?思わず私は
「何で?」
と聞くと、鷹村くんは
「暗くなってんのに小鳥を一人で帰らせるわけにはいかねえだろ。」
と照れながら言います。おいおい照れている場合ですか。
「お気持ちは嬉しいんだけど、追試前でしょ。1分1秒無駄にできない時なのに。私は大丈夫だから帰って勉強して。」
と伝えると、畑中君が
「送ってもらいなよ。歩いて体を動かすといい気分転換になって鷹村くんの勉強もはかどると思うよ。俺も勉強の合間に散歩するし。」
と言います。・・・確かに。あ。そしたらついでに歴史の漫画を貸せばいいか。教科書よりわかりやすいしね。歴史を学ぶ入り口としてはちょうどいいのよね。私は
「じゃあ。お願いします。」
と頭を下げると、
「あぁ。」
と言って歩き出しました。
登場人物
小鳥遊マヤ→秀華学園、高校2年生(2年A組)。アメリカに住んでいたが両親を事故で亡くし、祖父母に引き取られ日本に戻ってきた。
鷹村龍→赤髪。鬼山高校の2年生。他校の不良たちと度々問題を起こしてきた問題児。
小鳥遊巌→マヤの祖父、たかなし医院の院長
小鳥遊富士子→マヤの祖母
森田先生→マヤ(2年A組)の担任
東口先生→秀華学園の生活指導の先生
畑中昇太→秀華学園、(2年A組)
椎名歌→秀華学園、(2年A組)
滝川 恋れん→秀華学園、(2年A組)
林 頼人らいと→秀華学園、(2年A組)
ひぐりん→鬼山高校の先生
菊田毅→金髪。鬼山高校(2年)
川村利明→茶髪。鬼山高校(2年)
小森健太→緑髪。鬼山高校(2年)




