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13.有名人②

 私が教室に着くと二人の生徒が駆け寄ってきました。一人は昨日塾でも一緒だった椎名歌さん。もう一人は・・?

「小鳥遊さん、今、れんから聞いたんだけど、昨日鬼山高校の生徒に駅前のファミレスで絡まれていたんだって?大丈夫?昨日、言ってくれたらよかったのに。・・・ってその時には手遅れか・・・。でも相談はしてくれても良かったのに。」

と椎名さんが心配そうに話しかけてくれました。・・・絡まれた?えっ?私が?なんの話かよくわからずに戸惑っていると、れんさんという方が

「私、昨日の部活帰りに駅前のファミレスの前を通ったら鬼山高校の生徒に小鳥遊さんが囲まれているのを見て。助けに行きたかったんだけど、怖くって。それで鬼山高校に「おたくの生徒が秀華学園の生徒に絡んでいる」って連絡したの。鬼山の先生は駅前とかよく見廻をしてるから警察に連絡するより早いと思って。そしたらすぐに先生らしき人がファミレスに入って、少ししたら小鳥遊さんが慌てて出て来たから。声をかけたかったんだけど、すごい勢いで駆けていったからよっぽど怖い目にあったんだと思って。」

と言って私を見つめます。・・・あー。そういうことね。私は2人にファミレスでの出来事を説明しました。すると、れんさんという方が

「ごめんなさい。私、早とちりをして・・。普通、鬼山の生徒にうちの生徒が勉強を教えるなんて思わなないから。」

と申し訳なさそうに話すので、

「心配してくれてありがとう。私、日本に戻ってまだ1週間も経ってなくって、そういう情報、全く知らなかったから。でも、昨日教えた人達は、熱心に勉強していたし、そんなに怖い人ではなかったよ。それと、あなたが先生を呼んでくれたおかげで、私が帰った後も彼らは先生に教えてもらうことができたと思うから。それとね。・・・あの、あなたのお名前まだ覚えていなくって。ごめんなさい、教えてもらっていい?」

と尋ねると、れんさんという方は

「ひど〜い。名前覚えてくれてないの?私の名前は、滝川恋たきがわれん。腹が立って知らない人に勉強を教えるなんて。小鳥遊さんって制服は校則通りきちんと着て黒縁メガネにおさげでしょ。私、すっごくまじめで話にくい人かと思っていたの。でも、とても面白い人なのね。」

と言って笑いました。これってほめられているのよね?私は滝川さんに

「ありがとう。」

と一応お礼を言いました。滝川さんは

「鬼山の生徒も全員が不良っていう訳ではないし。鷹村龍っていうヤバイ人だけには近づかなければ問題ないと思うから安心して。」

と言いながら笑っていました。私は

「そうそう、昨日数学Ⅱと古典が苦手な人がいて、今日4時半から5時半にファミレスに来れば教えてあげるって伝えているんです。それで彼が来た時に使おうと思ってプリントを作ったんだけどどうかな?」

と二人に見せると、分かりやすくていいとほめてもらえました。それから間も無くしてホームルームの開始を知らせるチャイムが鳴りました。

小鳥遊マヤ→秀華学園、高校2年生(2年A組)。アメリカに住んでいたが両親を事故で亡くし、祖父母に引き取られ日本に戻ってきた。

小鳥遊巌→マヤの祖父、たかなし医院の院長

小鳥遊富士子→マヤの祖母

森田先生→マヤ(2年A組)の担任

畑中昇太→秀華学園、(2年A組)

椎名歌→秀華学園、(2年A組)

滝川 れん→秀華学園、(2年A組)

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