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5話 その一歩、新たな門出

村を出る時がやってきた。

時間はまだ朝だが、長居は無用だ。

次の標的を探す為に少しでも早く先を急いだ方が良い。


「本当にありがとうございました。これ少ないですが旅の足しにどうぞ」


村長が何かが入った袋を渡してきた。中を見てみると、中にはこの世界の硬貨らしきものが入っていた。

なるほど、旅の軍資金にってことか!


「全部で5000ルドです。」


"ルド"?この世界での通貨の名称か。

日本円で5000ルドっていくらぐらいだ?

まあここは異世界だから細かい事は良いか・・・。

次の標的を探す為にそろそろ出発だ。


「ちょっと待ちなさいよ!」


「ん?」


村を出ようと背を向けたばかりの俺に背後から話しかけてきた。

シルヴィアだった。

大きな荷物を背負っているが・・・。


「シルヴィア、その荷物は?」


「ごめんじいちゃん、私凶太郎(こいつ)の旅に同行する事にするよ!」


「はあ?お前正気か?昨日俺が何の為に旅をしているのか言ったはずだろ?それでもか!?」


「それでもさ!私今回の出痛感したんだ!まだまだだって、だからあんたと一緒に旅をしてもっと強くなる!」


唐突に俺に決心を告げたシルヴィアの眼は固い決意をした瞳をしていた。

ここまできたらもう着いてくるななんて言えねえや・・・。

少なくとも仲間が出来るのは心強い。


「分かった・・・好きにしろ・・・」


「ありがとう!」


俺とシルヴィアは村のみんなに別れの挨拶をして村を出た。

シルヴィアは名残惜しそうな顔をしていたが、振り向かず涙を拭いて俺と共に前へ進んだ。


「振り向くな・・・俺も過去を捨てた身、一度決めたらとことんやるぞ!」


「うん、そうだね・・・これからもよろしくな!凶太郎。」


「俺の方こそよろしくな、シルヴィア。」


正確に名前を呼び合うのは初めてだな・・・。

異性とこうして名前を呼び合うのってこんなに恥ずかしい事だったのか!?

いやいやそんな事はどうでもいい!

今はただ前へ進むんだ!




◆◆◆◆◆




随分と村から離れたな・・・。

そろそろ街ぐらい見えても良い頃だけど。


「ん?」


道端で人を2人見つけた。

何か話しているようだな?


「なんだろう?」


2人の人物に近づいてみると、話している内容が聞こえてきた。


「おい、聞いたか?また男がいなくなったってよ・・・」


「これで何人目だ?」


なんだ?また失踪系か?


「あのうどうかしましたか?」


「え?おい・・・」


シルヴィアがどうどうと2人組に話しかけて来たよ・・・。

まあ何か情報が入るかもしれねえし、聞いてみるか?


「なんだ?旅の者か?」


「ここ最近街の男がいなくなることがあるんだ?」


「まさか?攫われたとか?」


「いや、それは知らねえけど?失踪した男達には妙な噂が出てんだ・・・」


(妙な噂?)


よく聞いて見ると、どうやらここ最近街にある女が住み着いたらしく、失踪した男達はその女の虜になっているやつらばかりらしい・・・。

さらに話を聞くと、男を手玉に取っている娘だとか?


どうやらそいつもクラスメイトで正解かもな・・・。


俺達はその街を目指す事にした。




◆◆◆◆◆




街に着いた。

特に変わった様子はないが、確かに男が少ねえ・・・。

子供ならいるが、若い奴からじいさんまで見かけねえ。


「なあ凶太郎・・・これもそのクラスメイトって奴の誰かの仕業なのか?」


「確証はないが、さっきの話と合わせると、俺も一応心当たりある奴がいるんだ・・・。」


こうしてまた、俺達の戦いが始まろうとしていた。

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