3話 その男、エロの塊故に不快
ーー秋山勇作
こいつはまさに"エロの化身"ともいえるほどの変態野郎だ・・・。
女子のスカートめくりなんて日常茶飯事。
年齢を偽って18禁ものの本を買ったりするのも何の躊躇もなくやるどうしようもないエロ野郎だ。
おまけに女好きで頭の中は常に性的な事しかねえ・・・。
男子からは受けはいいものの・・・当然女子からは毛嫌いされている・・・。
なのに、こいつときたら、それを「自分の事が好きで素直になれていないだけ」と変な勘違いをしているもんだ・・・。
幸せ者だな・・・。
「なんだお前?俺の顔になんかついてんのか?」
こいつ?俺の正体に気付いていないのか?
なら好都合だ!
「悪ィな!村長との約束でな!一宿一飯の為にお前を倒すから!」
「やってみろよ!いけ!俺の奴隷ども!」
攫ってきた女たちが攻撃してきやがった!?
「みんな!どうしたの!?私だよ!シルヴィアだ!」
シルヴィアの言葉に何の反応もねえ・・・
どうやらこれは秋山の《スキル》らしいな・・・
「どうだ!女神から与えられた俺の《スキル》!その名も《奴隷》!これのお陰で俺の周りは見ての通り女の子だらけ!世界を救うよりこっちの方が幸せだ!」
だめだありゃ!完全にスキルを無駄にしている顔だ!
やべ!俺も女どもにやられる!
「さっそくこいつを試してみるか!」
俺はヨーヨーを使ってみた。
なんとか女どもはヨーヨーの糸で縛り上げて動きを封じた。
さすがに関係のないやつの命を奪う訳にもいかないからな・・・
「お前、なんてことを!」
秋山は他の奴隷にした女どもを差し向けてきた。
どうやらこの能力は厄介みたいだな・・・。
ん?
よく見ると、女どもに・・・首輪?
まさか?
「おりゃ!」
ダメもとでヨーヨーを首輪に当てた。
するとどうだ?
首輪が外れた!
「あれ?私何をして?」
やっぱりな!
あいつのスキルは首輪をはめたやつを奴隷にするらしいな!
そうと分かれば、他の女たちも解放だ!
「え?私何して・・・?」
「そうだ!確か変な男に首輪を付けられて・・・」
少しずつだが女どもは解放できた!
残るはあいつだ!
「おい、なんでだよ!!何なんだよお前!?」
やれやれ・・・まだ気づかねえのか・・・
じゃあ、これでどうだ?
「やっぱり分からない?僕だよ秋山君・・・」
「え!?お前?最上!?最上なのか!?なんだよ・・・なんなんだよそれは?というかお前、あの時死んだんじゃ?ふざけんじゃねえぞ!地味男の分際で・・・」
「ひどいよ秋山君・・・僕はずっと待ってたんだよ?」
「ずっと待ってた?何をだ!?」
「君に・・・一矢報いる時を!!」
「ひぃ!?」
秋山の表情がおびえた様子になりやがった。
こいつも俺をいじめてあざ笑っていたやつのうちの1人だった。
だから復讐対象としては、問題ない!
「お前が俺にしてきたことを、この場で返してやるよ!!」
俺は狂気に満ちた顔で秋山に言い放ち、やつを10個全部のヨーヨーで縛り上げて動きを封じた。
「な、何をする気だ!?」
「お前のスキルは使い方によっては、最強だな・・・今度は俺の中で生活して見ねえか?」
「やめろ!やめてくれ最上!今までの事謝るから!ゆ、許してくれ!」
許してくれだあ?
冗談じゃねえぞ!
お前らの所為で俺がどれだけ嫌な思いをした事か?
他の奴らと共に俺をいじめていた分際で、それで「やめてくれ」だぁ?
身の程知らずが?
「待ってろよ!他の奴らも後で連れてくるから、それまで1人で俺の中で過ごしてろ!」
「や、やめろ!あ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
俺は《吸引》を使って秋山を吸収した。
秋山は断末魔のような叫びを放ちながら俺に吸収された。
攫われた女たちは無事に解放されて村に戻ってきた。
まず1人・・・。
秋山勇作・・・。
退治!