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出逢い①

 時は戻り現在、俺はジーニスに事件の全貌を聞き、父親が衛兵団長を辞めなければならなかった理由や、現国王の非道さ、黒仮面ことヴォルテックスの過去を知った。

 だが、一つ気になることがある。


「シャリア皇女やアリス女王?は今どこで何をしているのですか?」


 この世界というかノース地方だけなのかはわからないが、日本では天皇の娘のことを皇女なんて言っていたりもしたからアリス女王って呼びづらいんだよな、、王女と言っている人は見たことがない、いや、聞いたことがない。記憶が戻った弊害が最近ちょくちょくあるんだよなぁ。


「シャリア達は現在、セントラル地方の機械都市、ギアランドにいる」

「そして俺らが向かっているのも“そこ”だ」

「ギアランドにはイッシュ王国からの移民が多いんだ」


 そう、イッシュ王国はノース地方の南に位置しており、ギアランドはセントラル地方の北にあるため、地方を跨ぐとはいってもそう遠くないのだ、さきの説明でもあったが一か月はかかるが、徒歩と船で一か月らしい、、

 ちなみに転移魔法も存在するが、悪用されないために国、または大権力者なる者が管理しているため、そうそう使えたものではないらしい。


「ちなみにアリス様の“元”国婿、まぁ旦那だな、も、ギアランドで鍛冶師をしているらしい」

「どういう経緯かは知らんが、、風の噂によれば今は三人で暮らしているらしいが」

「っと、話はここまでだ、、ようやく現れたぜ、魔物さんがよ!!」


 俺たちが国を出て二日目で初めての魔物だ、、しかもかなりでかい!!一軒家サイズだ!!


「こいつはサンドヴェノム!火や風、木属性だと歯が立たない、水を使う、見とけ!!」


 すると、きれいな水色の髪をした女性が颯爽と現れた、、


「纏 水」

「スプラッシュシャリオ」


 強烈なシャワーのような攻撃であっという間にサンドなにがしを倒してしまった。


「纏を使えるなんてなかなかの手練れだな、冒険者か?」


 ジーニスは女性に問いかけた。


「いや、この辺で魔物相手に鍛錬していただけよ」


 見たところ20歳くらいか、背は日本女性の平均って感じだな、、

 お胸もお盛んなことで、、そんな女性が杖を片手に鍛錬とは、最高な世界だなおい、、

 ん、腰には短剣もある、剣術もかじっているのか。


「セレン、旅がてらお前に教えようと思っていた技が、いま彼女が使った通称“纏”だ」

「属性によって効果は変わるが、基本的には身体能力、攻撃力や防御力が大幅に向上する」


「あなたまだ纏も習得できてないの?軟弱極まれりね、歳も大差ないでしょうに」


 カチン、、


「歳は“まだ”14ですしあなたよりは人間できてますので、下を見つけては見下すような人にはなりたくないなぁ、、ニヤリ、、」


「なによ、私だって歳は17だし本当の事を言っただけじゃない、てかあんた生意気ね、躾が必要みたい」

「いいわよね?」


 女性はそう言いジーニスの方を見た。


「あぁ、好きにしな」

「セレン、一度お前の腕も見ておきたい、本気でやってみろ」


「わかりました」

「身の程をわきまえさしてやります」


「ぐちゃぐちゃにしてサンドヴェノムの餌にしてやるわ」


「では二人とも準備はいいな、、、、、、それでは始め!!!!!!」


「纏 水」

「流水一閃」


 女性、、もとい口減らずのアマが杖を捨て、腰の短剣を抜き、流れるような動きで襲い掛かってきた。

 俺は腰の剣を抜き、構えた。


「残像剣」


 口減らずアマの一振りを躱し、カウンターで真上から剣を振り下ろす。


「な、消えた!」


 残像剣とも違う動き、気付けばアマに背後を取られ、俺は首に短剣を突き付けられていた、、


「両者そこまで!!」


 ジーニスの制止でこの勝負は終わった。


「あんた、歳の割にはいい動きするわね、ヘレンとか言ったかしら」


「セレンだよ!あんた強いな、名前は?」


「私はエマよ、エマ・ラヴィアンローズ」


「エマさんか、ずっとこの辺で鍛錬してるって言ってたけどどの辺に住んでいるんだ?」


「エマで良いわ、私はノースの最南にあるサモン港に住んでるわ」

「住んでるとは言っても一人だし、家に帰るのは一週間に一度程度だけど」


 一人暮らし、、訳ありか。


「野宿も慣れているのか?この辺は鹿かウサギがいるから食うに困ることはないだろうが」


 ジーニスはエマにそう話しかけ、食事にしようと言った。

 一日目に狩った鹿肉が残っていた


「野宿はするけど動物を狩ったりしたことはあまりないわ、いつも港で買っていくから」


 エマは鍛錬のため一週間分最低限の食料を用意し、尽きたら変える、その繰り返しの日々だという。


「なんでそんなに鍛錬するんだ?しかもサモンからは3日ほど離れたところで」


 ジーニスは心配そうに聞いた。


「なるべく危険な状態に身を置き、鍛錬することで、より洗練された経験が得られる」

「そう師匠は言ってたから、今はもう死んじゃったけど」


 時折エマの発する言葉に憎しみが感じられる。だが今は聞かないでおこう、知り合ったばかりだしな。


「それよりも鹿肉が食べたいわ、ちょっと分けてよ」


「あぁ!食べろ食べろ、若いうちは食わないとな!ほら!セレンも食え!」


 そういって焼いた鹿肉をジーニスはエマと俺に渡した。


「お、おいしい!!」


 エマも満足そうな顔をしている、エマの持ってきた食料は非常食のようなもので、味はまずまずといった感じらしい。


 そして俺たちはしばしの優雅な食事タイムを過ごした、、

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