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新天地へ⑥

 纏の極意、これは自身の魔力を属性に変換し身体に纏う通常の“纏”と違い、外部の魔力を己の属性に変化させ、操る。

 大きな違いは2つある。1つは外部の魔力を使用することで自身の魔力が枯渇することがなくなる。ただ、自然界に漂っている魔力も無限ではないため、半永久的に使用し続けることはできない。

 もう1つは身体だけでなく、周囲の環境自体にも属性を付与することができる。


「クラーケン、久々にきついの貰ったお詫びにいいもんくれてやる」

「炎牢縛り!!」

「焼き入れてやるよ!!」


「す、すごい、、」

「火の縄がクラーケンの腕を縛り上げている!!」


「魔力を最大限に生かせる分、高火力の技が繰り出せる、、」

「これが団長が見ていた景色!!」

「さて、一気に決めてやる」

「好きなだけ硬化しな」


 クラーケンは危険を察したのか、急所部分の効果を始めた。


「火はやがて炎となり矮小なる存在に加護を与えん バーニングスラッシュ」




「行くぞ!!はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」





「バーニングッッ    スラッシュッ!!!!」





「ギュォォォォォォォン!!!!」


 断末魔が夜の海に響いた、、、


 クラーケンはそのまま海に沈んでいった。



 数十分前、場面は変わり船内3階、、、



 俺は1階の牢屋から3階のエマたちがいる部屋へ向かった、部屋は扉が開いており中には誰も居なかったが、同時に廊下の奥の方で物音がしたため、俺は急いで物音がした方へ走った。


「な、なんでだ??」


 そこには短剣を抜き、戦闘態勢に入っているエマと、風魔法使いの船員、その横にマカフィーの姿があった。


「セレン!?てことは上にも脱獄の事は伝わってるのね」

「風魔法使いの船員はマカフィの兄よ!!」


 俺は頭がパニックになった。


「兄って言ったって船員の方は人族だろ?」

「、、、まさか!!!」


「そう、ハーフだったのよ」


 この世界でのハーフは人族と獣人のような種族が違うもの同士の子供は、どちらかの種族として生まれることの方が多い。今回の場合、兄が人族として生まれ、妹が獣人として生まれてきたのだろう。


「でもなんで、、そうなると実の妹に罪を着せたことになるだろ」


「なんのために船員に扮したと思ってんだ?」

「妹が拉致られて、法も秩序もないこの世界で妹を取り返すにはこうするしかなかったんだよ」

「おい、お前ら、ここで見逃せば命までは取らねぇ」


「セレンさん!騙すような形になってしまって本当にすみません!!」

「私も犯人がお兄ちゃんと気付いたのは昨日だったんです、、」

「捕らえられた時はパニックで気付かなくて、、」

「たまたま他の船員さん達の会話を聞いて、カルティって名前が聞こえてきて、、」

「風魔法ってこともあって確信に変わったんです」

「そして魔物の混乱に乗じて牢屋に来てみたら、、」


「肩の傷もマカフィが治したのよ、私も少し目を離してしまったから、、」


「少し頭を整理したい、今この状況で俺達がマカフィの兄と戦う理由がなくないか?」


「ダメよ、こいつは野放しにしておくと船長や船員を皆殺しにする気よ」


「な、なんでそんなことを、、」


「当たり前だろう、この船はよく奴隷の運搬に利用される」

「それがどういうことかわかるか?」

「グルなんだよ、全員なぁ!!金を持ってるやつらは汚ぇ仕事に手を染めてやがる」

「奴隷運搬なんていう糞みてぇなことを見逃す代わりに多額の金を回してもらってんだよ」

「だから見て見ぬふりの船員どもを皆殺しにするんだよ」


「そうと分かればお前を野放しにはできない、マカフィには悪いけど、、」

「俺はここでこいつを食い止める!!」


「大人しくしてれば痛い思いもせず済んだものを」


「エマ!マカフィの傍に、、」


「何言ってんのよ!こいつ、完治はしていないけど十分戦える身体になってるのよ!」

「私も戦うわ!!」


「クラーケンとの戦闘も終わってない状態でマカフィを1人にしておくのは危険だ!」

「マカフィもまだ幼い、エマ、頼む!」


「わかったわよ、何かあったらすぐ助太刀するから」


「そうはいかないがなぁ!!」

「闇魔法 ブラックルーム」


「な!まさか!」

「くそ!話には聞いていたのに!油断したわ!!」


「自ら分断を望むなんてお前は物好きな奴だな」

「あの時は保護者にまんまとやられたが、今回は俺もヘマしねぇ」

「確実にお前を殺した後で、あの女も殺す」


「御託はいいよ、俺は早くジーニスさんのところへ加勢に行かないと」


「く、くははははははっ」

「お前が俺に勝てるわけないだろう?」

「この数日で頭がおかしくなったようだな、まぁいい、、死ね」




「神裂き 連!!」



 なんだろうこの感覚は、攻撃が遅く感じる。



「な!避けやがった?!技も使わずに!!」



 そう、俺はあの変な夢をみてから妙に身体が軽くなった気がする。

 いや、正確には身体が勝手に反応するような感じだ。

 それに、、今なら扱える気がする、、



(スゥゥゥハァァァ)

「纏 光」

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