新天地へ⑤
「船の真下に巨大な魔力反応を検知!!!!」
「超音波砲の準備を!!」
「超音波砲準備、完了しています!!」
「よし、できるだけひきつけろ!!」
船員と船長らしき人がやりとりしている。
「目標到達まで約20秒!!」
「残り10秒地点で超音波砲を放て!!」
「了解!!」
「カウント!!3!!2!!1!!放て!!」
「超音波砲、発射!!!」
波が大きく揺れ始めた。
それと同時に海面に大きな影が映った。
「クラーケンを確認!迎撃準備用意!!」
「よし、俺たちの出番か」
「そうですね…!!」
魔物は船の下から襲ってくることが多く、超音波で船底を守り、海面に魔物を引きずり出してから迎撃するのが主な戦法らしい、、、
「ジーニス衛兵団長!船長のボワールです!急ぎ連絡したいことが、、、」
「なんだ?もうクラーケンが浮上してきているぞ!!」
なにやら船長と団長が話している、クラーケンは超音波砲で少し麻痺しているが、すぐに回復するだろう、海面に完全浮上しているわけではないから攻撃しようにも難しい状況だ。
「セレン!急ぎ頼みたいことがある!」
ジーニスの顔がいつも以上に険相だ、、、
「あまり大きな声で喋るなよ、、」
「風魔法使いの船員がいたろ、あいつが脱獄したらしい」
「ケガも負っているはずだから今のお前なら十分捕らえられるはずだ」
「クラーケンは俺に任せておけ、頼んだぞ」
「、、、わかりました」
「奴は今一階にいるらしい、気を抜くなよ!」
「はい!!」
俺は急いで一階へと向かった。
一階の牢屋には数人の船員の遺体があるだけで奴の姿はなかった、、
「どこだ、、」
一階の牢屋までは誰にも会わなかった、乗客は今部屋の中で待機が命じられている。
この船は三階層になっている、どこにいったのか、、まずはエマたちのところに行こう、、
俺は三階のエマたちの部屋に向かった。
場面は変わり、対クラーケン
「ジーニスさん、こいつの腕は肉が厚くて攻撃が通りにくいので気を付けて下さい!」
「あぁ、そのようだなっ!!」
こいつ、何度攻撃をしてもかすり傷程度しか喰らわねぇ、、
纏で火力を上げてるのにな、、相性が悪いぜ、、
「船員は腕の攻撃をいなしてくれ!!俺は身体部分を狙う!!」
甲板の船員は20人弱、腕は10本だから2人も居れば何とかなるだろう、、
「火はやがて炎となり矮小なる存在に加護を与えん バーニングスラッシュ」
眉間にぶち込んでやる!!!!
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
剣先が眉間に刺さる瞬間、皮膚の色が黒くなった。
キィィィィィン!!!
「はじいただと!?」
「おいっ、皮膚が明らか硬化したぞ!事前の話し合いでそんな事は聞いてないぞ!」
「硬化?そんな個体は聞いたことがありません!」
「ちっ、亜種か」
この世界には極稀に魔物の亜種が存在する、確認されている亜種は数が少ないが、通常の個体と違い、特殊能力を持っている。必ずしも従来の個体と比べ強くなる、というわけではないが、今回は大当たりを引いてしまったらしい。
幸いなことに剣は折れていない、さすがはシャリア、、待ってろよ、、
「硬化するのはおそらく弱点の眉間だけだ!そう思いたい!」
「腕は攻撃時に硬化しなかったことから腕は大丈夫だ!!」
硬化する前に最大火力の突きを入れるか、硬化をものともしない火力をお見舞いするか、、
「シュナイド団長、、借ります、あなたの技」
「纏 雷」
「雲の雷、怒りを我に ライガーインパクト!!!」
剣先から放たれる衝撃波が眉間を襲う、、
硬化が間に合っていない、、いける!!
バチンッ!!!ドンッ!!!
「な、何が起きた、、」
意識が遠のいていく、、
「さん!!ジーニスさん!!」
はっ!!
「俺は、、」
「数十秒気絶していたんですよ」
「腕を抑えられなかったせいでジーニスさんに攻撃が、、すみません、、」
身体がまだ痺れている、、
辺りを見渡すと船員が半分も倒れている、、
回復が間に合っていないのか、、
「動け、身体!!」
俺は纏で身体能力を向上させ、麻痺した身体を無理やり起こした。
「ジーニスさん!この人数で腕を完全に抑えるのは難しいです!」
先の攻撃時、周りが見えてなかったがすでに何人か倒れていたのか、、
くそ、余裕がなかったにしても情けない、、
「大丈夫だ!!お前たちは船への攻撃を防いでくれればそれでいい!!」
今立っている船員たちは皆、B級上位の実力はあるだろう。
大事なのは、船を守ることだ。倒れないことが優先!!
「クラーケンへの攻撃は俺が請け負う!」
腕もよく見れば傷は付いている、確実に弱ってはいる、、
さて、あいつも今、頑張ってるんだ。こんなところで俺が弱音を吐いてちゃ団長に示しがつかねぇ。
もう一段階上の領域へ、、
「纏の極意 炎の陣!!」




