新天地へ④
船内の食堂に着くと、様々な料理が並べられていた。俺は二日間飲まず食わずで寝ていたため、かなり空腹だった。
ご飯はソーセージやスクランブルエッグなど、前世であった食べ物が多く並べられていた。ちなみにこの世界でのご飯は特に前世と比べて凝ったものはなく、魔物がいる分、魔物食があることぐらいだ。
動物だって、鹿や牛、兎など、前世でよく見た生き物はこの世界にもいる。
「体力を回復させるにもまずは食事だ!いっぱい食え!」
俺たちは腹いっぱいになるまでバイキングを楽しんだ。
「ジーニスさん、見張りの件、ありがとうございます」
「おかげさまで安定な船旅をお客様に提供できています」
船員の一人が近寄ってきた。
「いやなに、どのみち俺たちのためでもあるんだ、気にしないでくれ」
「ありがとうございます、今日明日と魔境海層なので、、」
「あぁ、わかっている」
「魔境海層?」
俺は気になって思わず会話に割って入り、ジーニスに問いかけた。
「まぁ俺から話しても良いが、その道のスペシャリストがいるからな」
「折角だし説明してやってくれないか」
「わかりました」
「海には魚以外に様々な魔物も存在するのはご存じかと思います」
「魔物自体は海全体が生息域でどこにもいるのですが、大陸から少し離れると魚が極端にいなくなる代わりに厄介な魔物が多く生息する、魔境海層なるエリアが存在するのです」
「その魔境海層に今日、明日の二日間かけて抜ける予定です」
なんと恐ろしいことを聞いてしまったのか、、
そう言えば船に乗る前だか後だかにクラーケンがどうとか言ってたもんな、、
「まぁセレンも起きたし、エマやマカフィもいるんだ」
「何とかなるし俺がいるんだ、安心しな」
先の戦いでジーニスの強さを肌で感じた俺からすれば、これほど安心できる人はいないだろう、と思った。だが、なんだこの胸騒ぎは、、
「そういえば!!ジーニスさんあの風魔法の船員と戦った際に纏使ってましたけど、二属性も纏えるんですか!?」
「ん、あぁ、纏自体に種類や数の制限はないぞ」
「ただ基本的に手練れの冒険者でも、この前言ったみたいに二属性扱える奴がほとんどでお前みたいなやつは珍しい部類だ」
「それに何種類も纏ったところであまり強くなるイメージがないな、属性同士が邪魔しあう気がする」
「邪魔、ですか?」
「あぁ、例えば速度上昇の恩恵が受けられる光や雷に土や岩を組み合わせると、せっかくの速度上昇も効果が薄まるんだ」
土や岩は確かに防御とか攻撃系のイメージがあるな、、
「何でもかんでも組み合わせれば良いってわけでもないんですね」
「その通りだ、それに扱いも難しい」
「確かに二属性同時に扱うなんてイメージつかないです」
「まぁ鍛錬あるのみだな」
「ちなみに私は今、二属性纏の鍛錬中よ」
「セレンはまず一属性の纏を極めるところからね」
この女はなかなかにイラっとさせるのが上手いな、、
顔がきれいなだけに勿体ない性格してるな、、
俺たちは少し話して夜になるまで身体を休めることにした、、
そして、、
「時間だな、行くか」
ジーニスと俺は船の甲板に上がり見張り、エマはマカフィと一緒に船内で待機になった。
俺たちはゆっくり夜風にあたりながらジーニスに父さんとの思い出話を聞いていた、すると、船のサイレンが大きく鳴り響いた、、




