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母、再会する

今日でこの世界に来て、何日目だろうか…

1週間?10日?

一人で過ごす事がこんなに時間が長く感じるなんて知らなかった。

外には怖くて出ていない。

周りは森なのか、木がたくさんある。

夜になると何処かで動物の吠える様な音が聞こえたり、ガサガサと何かが通る音も聞こえる。

庭に真奈美の胸の高さ位の柵があり、この家を全て囲んである。

動物なら越えられる高さかも知れない。


庭も広くはないが、子供がボールで遊べる位の大きさだ。

家の中は寝室が三つあり、寝室の隣にはウォークインクローゼットが一つずつ付いている。他に本がたくさんある書斎、パーティルームの様な広い部屋、リビング、ダイニングキッチンの隣に貯蔵庫。二階建てでトイレは1階と2階に一つずつある。後は広い浴室。新築の様に新しい。


庭は怖いので探索していない。

一歩外に出る勇気が出ないのだ。


食材は貯蔵庫にたくさんあるし、何故か使っても次に見ると補充されてある。

とても不思議。とても便利だ。



あと一つ、この世界に来て変わった事。


若くなっている事。

多分、17、8歳位の昔の自分に戻れたみたいだ。

中身はアラフォーのままですが…


私のお願い事って、若くなる事だったのかな…?


全く記憶がない。

そんな様な事を言った様な…覚えてないなー

ま、良いか。

若くなるなら、一番自分が可愛い時に戻りたかったし。


体力も若さのお陰か、疲れ知らず。

何もしてないけど。


『ガタッ!ガタッ!!』


リビングでソファに座りホットココアを飲んでいると、2階で物音がした。


「何?何の音…」


何かがいるのかはわかるが、怖くてその場を動けない。


この上は書斎だよね…

私が転移して来た最初の部屋…


『ガタタッ!』


「ひっ!!」


ソファーの上に足を乗せて小さくする。


怖い怖い怖いー


「にゃーん!」


!!!!この声は!!


真奈美はソファーから立ち上がり、スリッパを履かずに急いで2階の書斎を目指した。


「まる!まるちゃん!」


「にゃー!!」


書斎のドアを開けると、まるが胸の中に飛び込んで来た。


「まるちゃん!!」


その後ろには龍星が驚いた表情でこっちを見ている。



「りゅうちゃんも!」


真奈美が龍星に駆け寄ると、



「どちら様ですか?」



////////////




「龍星!ふざけてる場合じゃないよ!どうしてここにいるの?まると一緒にって、私の机も一緒に?」



龍星とまると机が一緒に書斎の中に現れたのだ。



「真奈ちゃん?真奈ちゃんなの?」



龍星は信じられない顔をして真奈美を見つめる。



「そうだよ。私を忘れる程離れてないでしょ?1週間位だよね…?」



「いや、2日だけど。じゃなくて、真奈ちゃんは若くなった?痩せたし。」



何て失礼な奴だ(怒)


「昔は痩せてました。てか、若くなりたいとお願い事をしたみたいなんだよね。管理者さんが叶えてくれたみたい。」



「管理者?この家の?」



「いや、この世界の。」



「は?」


真奈美は窓側の机の上に置いてある手紙を指さした。



「りゅうちゃん宛みたいだから、読んでみたら?」



龍星は怪訝な顔で真奈美と手紙を交互に見る。

本当に『有田龍星様、有田まる様』と書いてあった。

手紙を開くと、真奈美も覗き込んできた。

自分より年下の母親の扱い方がわからない…不思議な気持ちだ。



『有田龍星様、有田まる様

はじめまして、私はこの世界の管理者です。特に名前はありません。管理者とお呼び下さい。この度は真奈美様が異世界転移されてから、龍星様とまる様には大変なご迷惑をおかけして、申し訳ございませんでした。この世界は滅びる運命にありましたが、真奈美様が異世界転移をして下さったお陰で少しずつですが、修復に向かう様になりました。異世界転移は管理者が選ぶ事は出来ず、運命の様な結び付きで選ばれるのです。急に真奈美様がいなくなり、とても心配された事と思われます。今回は特別処置としまして、龍星様とまる様にも異世界転移をさせて頂きました。お礼にスキル数種をプレゼントさせて頂きます。皆様でより良い異世界ライフが過ごせます様に…』



////////////



「何て勝手な管理者だ。管理者って神様なの?」



「さあ?そうなのかもね。でも、世界が違うと、神様と言わないのかも。」


真奈美は顔がフニャフニャとにやけてしまう。ひとりぼっちで寂しくて寂しくて、龍星とまるを残して異世界に来てしまった事にも不安はあった。



私も勝手だな…


「りゅうちゃん、ごめんね。巻き込まれて。りゅうちゃんのこれからの人生もあったのに、異世界転移しちゃったし…もう帰れないかもだし…帰っても何事もなかったかの様にはいかないよね。」



「え?別に良いよ。真奈ちゃんがひとりぼっちの方が心配だから。まるも寂しそうだったし、俺も寂しかったし…」



「にゃーん」


「ありがとう…りゅうちゃん…まるちゃん!」


また三人で家族皆で生きて行こう。

この世界で…



////////////


龍星が一緒に持って来てくれた真奈美の机にはたくさんの思い出が入っていた。

両親のアルバム。もう二度と見れないと思っていたから、とても嬉しかった。


龍星が生まれてから最近までのアルバムも入っていた。

まるのアルバムももちろんある。


両親にもらった思い出のネックレスや時計等の小物類も…


「ありがとう、りゅうちゃん。机もまるちゃんも一緒に持って来てくれて。」


もう、あの世界には未練はないよ。

後はこの世界で生きて行くには外に出ないと…



「真奈ちゃんは、スキルもらったの?」


「スキルかー確認してなかったな…」


「俺は、鑑定とアイテムボックス、認識阻害、隠蔽、サーチ、剣士スキル、槍スキル、回復魔法、毒無効、状態異常無効、言語理解、があったよ。スキルレベルはMAXだから、かなりチートかも…スゲッ!」


「ふーん…何が何やら…どうやって、自分のスキルを確認するの?」


「そっからかー。まずは、ステータスオープンと唱えてみて。」



「ステータスオープン?」



真奈美の目の前に透明な板が出現した。


「わっ!何これ!」



「自分のステータスが見れるんだよ。ステータスは、身分や状況って意味だよね。」



「意味はわかるけど…なになに…」



『有田真奈美 17歳

称号:異世界からの転移者。管理者の恩人。

レベル99

攻撃力5000

魔法攻撃力5000

物理防御5000

魔法防御5000

運99

スキル:アイテムボックスLvMAX、言語理解LvMAX、認識阻害LvMAX、隠蔽LvMAX、状態異常無効LvMAX、毒無効LvMAX、回復魔法LvMAX、弓スキルレベルMAX、風魔法LvMAX、水魔法LvMAX、




「…だって。」



「Lv99?」



「うん」



「俺、Lv25なんだけど、真奈ちゃん強いね…ステータス5000って。俺、1000…真奈ちゃんとケンカしたら負ける。」



「ケンカしないよ…」

いつも読んで頂きありがとうございます。

少しずつですが、ゆっくり更新しますので、よろしくお願いします。

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