国境を超えて
新たな仲間としてプランデッドが加わり、旅を続ける私達は、森を抜けて街道を歩いていた。
「ご主人様!あそこに大きな砦らしきものが!」
「あれは…国境の関所かな?私達、通れるといいけど。」
そう言って私達は関所へ向かっていくと、一人の兵士が頭を下げた。
「これはアカネ様!ゼノニス王子から貴女が来たら通すように言われていました!」
そう言って兵士は、門を閉じている兵士に呼びかけ、門を開けさせた。
「ではお通りください!後ろのお仲間さんもご一緒にどうぞ!」
兵士は笑顔で敬礼し、私達を見送ってくれた。
「ご主人様〜。王子が手を回してくれて楽に通れたね〜。」
「ゼノニス王子には感謝しないとね。」
「キシャーッ。」
ドラキグルンと私がそう言って門をくぐり抜けると…
『わぁ…これが新しい場所なのですね。』
国境を超えた先には一面砂漠が広がっていた。
「これは暑そうだね…。私の干からびたこの身体がさらに干からびるかもしれないね…。」
プランデッドはそう言ってため息をついていた。私はプランデッドを励まし、プルンデスにお願いをした。
「プルンデス。水がなくなった時の補給はお願いね?」
『アカネちゃんの頼みとあれば!いくらでも水を出します!』
プルンデスのはりきり具合は相変わらずだった。私は砂に触れて熱そうにしているふーちゃんを抱きかかえてなでた。
「フーッ♡」
『不死の魔竜の分際で…アカネちゃんに撫でられるなんて…羨ましい…!』
プルンデスは私怨を漏らしながら悔しそうにこちらを見ていた。…私は無視した。
「ご主人様〜。この砂漠を歩くのはかなり大変かもしれないよ〜?どうしよ〜?」
ドラキグルンは不安そうにこちらを見つめていた。私はしばらく考え込んでいたが、ふと近くの見渡すと、行商人の荷馬車が通っていた。私は良い事を思いついた。
「あの人に頼んでみましょう。すみませ〜ん。」
私はそう言って行商人を呼び止め、いくらかのお金を支払い皆を呼んだ。
「みんな〜!乗ってもいいってさ!」
「こんなに銀貨を渡されちゃあ乗せないわけにはいかないよ。」
行商人は渡した銀貨を袋に入れて、私達を荷馬車へ乗せてくれた。最後にプランデッドが乗り、程なくして馬車は動き出した。
私達は商隊のキャンプまで運んでもらうことにしたのだ。
次なる場所はどんな冒険になるのだろうか…私はそう考えながら荷馬車に揺られていくのだった。




