旅立ち
「んにゅ…はっ。」
脱力した声と共に目が覚めた。カーテン越しに窓から光が差し込む。朝が来たことを告げている。
「さてと…冒険の準備をしなくちゃね。」
魔法の箱から卵とベーコンを取り出し、フライパンの上で焼き始めた。じゅわじゅわと音をたてながら焼けてゆく。焼きあがった卵とベーコンをパンの上に乗せ、もう一枚のパンで挟んだ。
「よし!ベーコンエッグサンドができた!」
私がサンドイッチを食べようとした時…突然、プルンデスが身体から出てきた。
『私、人間界の食べ物を食べた事無いんです。あの…良ければ、一口くれませんか?』
「仕方ないな〜。ほら、お食べ。」
プルンデスの身体の中の5つの球体の内、中央の大きな球体がサンドイッチにかじりついた。
『もぐ…もぐ…。…これは!何と美味しいのでしょう!』
プルンデスは絶賛していた。それはもう残り4つの球体をキラキラさせながら。そして私は気づいたらサンドイッチをプルンデスに全部あげていた。
「私の食べる分なくなったけどまぁいっか。」
美味しさの余韻に浸るプルンデスを横目に、私は着替え始めた。シンプルな軽装に身を包み、必要最低限の荷物を入れた鞄を肩に掛けて、知り合いから譲ってもらった剣を手に取り、準備万端!
「プルンデス!行くよ〜!」
『!!わかりました〜!』
プルンデスは心の中に戻っていき、私はお家の扉を開けた。
「いってきま〜す!」
私は冒険の第一歩を踏み出した。