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ネカとの出会い

お城を後にした私達は町を歩いていた。本来の姿へ戻れたドラキグルンは私の隣でスキップしていた。


「嬉しそうね。ドラキグルン。」


「だって…ご主人様を守れる力が戻ったんだもの!これほど嬉しいことはないよ〜!」


嬉しそうにそう言うドラキグルンを見て、思わず私もニコリと微笑んだ。その時…


「キャーッ!助けて〜!」


遠くから悲鳴が聞こえてきた。私達は悲鳴の聞こえる方へ走り出した。


「へっへっへ…もう逃げられないぜ。大人しくするんだな!」


「いや!こっち来ないでよ!」


悲鳴の聞こえた場所に着いた。するとそこにはかつて卵だったメタルを売り飛ばす為に私を襲った盗賊が少女を取り囲んでいた。


「やい!あの時の盗賊共!何をしている!」


ドラキグルンがそう言うと、盗賊はこちらを向いた。


「げっ!お前達はあの時の…!」


「親分どうします?逃げますか?」


「仕方ねぇ…!お前ら!やっちまうぞ!」


盗賊はそう言って剣を抜いた。私達も負けじと戦闘態勢に入る。


「くたばれェェェ!」


盗賊の一人はドラキグルンに向かって斬り掛かった。しかし…ガキンという音と共に剣を弾いた。


「硬さもあの時と変わってない…!よし!喰らえ!パペットファイア!」


ドラキグルンは炎を吐き、盗賊の一人を火だるまにした。


「ギャーッ!またかよぉぉぉ!」


あの時と同じ光景だ。そう思って見ていると…


「隙ありっ!」


「キシャーッ!」


奇襲を仕掛けてきた盗賊をメタルが体当たりでふっ飛ばした。


「うっ…!やっぱり俺じゃあ勝てねぇ…。」


ふっ飛んだ盗賊はそう言うと、がくっ…と倒れてしまった。


「俺…この戦いに勝ったらカニクリームコロッケ食べるんだ!うぉぉぉ!」


盗賊はいかにもなフラグを立てながら斬り掛かってきたが、足を引っ掛けて転ばしたら簡単に倒れてしまった。


「やっぱダメでした…」


そう言って盗賊は地面に倒れ込んだ。私はその隙に兵士を呼び、盗賊を連行してもらった。私は少女に声をかけた。


「大丈夫?」


「助けてくれて…ありがとうございます。私の名前はネカと言います。」


ネカという少女は私にお礼を言うと、恐る恐るドラキグルン達を指さした。


「ところで…どうしてモンスターを連れているのですか?」


どうやらモンスターが町の中にいる理由を知らないようだ。私はプルンデスが町の人から聞いた世界の法律の事をネカに教えた。


「へぇ〜。そうなんだ。そんな法律ができていたなんて…。」


ネカは驚いた様子で頷いていた。そしてしばらく考えてから話しかけてきた。


「そうだ!よければこれ…助けてくれたお礼…。」


そう言うとネカは謎の卵を渡してくれた。


「これは?」


「私が見つけた卵だよ。どの本にも載っていないから新種だと思う。これを持っていたから盗賊に襲われたと思うの…。」


「ふむふむ…そうだ!おーい!プルンデス!」


『ここにいますよ〜。アカネちゃん〜!』


私は別行動していたプルンデスを呼び、ネカから受け取った謎の卵を見せた。


『…この卵は!…わかりません!』


「わからないのかよっ!」


プルンデスに対し、ドラキグルンが思わずツッコミを入れた。


「プルンデスでも分からないか…まぁいっか!ふ化すれば良いだけ!」


私はそう言って卵を鞄の中に大切に仕舞った。そして、ネカにこれからどうするのか尋ねた。


「そうですね…私はもう少しこの町を巡ることにします。えっと…皆さんはこれからどこへ?」


「私達はこの町を出て、別の街へ行こうと思ってるよ。」


「ボクはご主人様についていくだけだよ〜。」


「キシャーッ!」


『ご飯の美味しいこのシャルカール王国ともお別れですか…。さみしいものです。』


話を聞いたネカは、城下町の北門へ案内すると言ってくれた。私達はネカについて行き、次なる場所を目指すのだった。…プルンデスは食べる事ばかり考えているみたいだった。

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