女子会
バイト終了後、バックヤードでは私と美穂の女子会が繰り広げられていた。
時刻は19時過ぎ。
丁度お腹がすいた頃だ。
美穂と私は、従業員割を使って賄いを注文した。私はたまごサンドとカフェオレのセット。
美穂はカルボナーラだ。
パスタを持ち上げるたび、クリームの香りが部屋中を漂い、お腹の虫がぐるぐると鳴いた。
「美穂…」
「1口だけね」
私の言葉を先読みした彼女は、サンドイッチの乗ったお皿の横に1巻よそってくれた。
豪華プレートの出来上がりだ。
「わーい、ありがと!」
カフェオレにたっぷりの砂糖を加えたら、準備は万端だ。
「いただきます!」
口いっぱいにカルボナーラを頬張ると、濃厚なクリームが舌にねっとりと絡みついた。
たまらん。うますぎる。
口内をリセットしてくれるのは、ミルクいっぱいの甘いカフェオレだ。
一口飲んでは、幸せいっぱいの温かさに身体全体が包まれた。
美穂はそんな私の顔を見て、また鼻で笑う。
美穂と私の関係を周りは“ 奇妙な関係”と称する。正反対の2人、なんて言われるけれど、私にとって彼女ほど気を使わなくて良い存在は他に居ない。
「で、ルイは?どうすんの」
「へ」
美穂からの以外な問いに間抜けな声が漏れた。
興味が無いようにみえて、意外と人の話をちゃんと聞いてくれている。
「どうするって…どうもしないけど」
ずるずるとカフェオレを啜れば、じんわりと胸の辺りが温まる。
一日中火照った身体は未だ冷めることを知らない。
テーブルに肘を付いて、お行儀悪く食べる美穂が驚いたような顔で答えた。
「あら、珍しい。あんたの事だから、連絡先とか聞くのかと思ってた」
「さすがにそれはしない!というか、ルイかどうかもまだわからんし」
私がこれでもかと首を横に振れば、「それもそうか」と納得したように頷き、再び食事を再開した。