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甘くて不味い私の日常  作者: 中村ぽっぽ
7/9

生クリームたっぷりパンケーキ

「お待たせしました、コーヒーとパンケーキのセットです」


2卓に座っていたのは、若い男性だった。

ノートパソコンを広げ作業をしていたので、邪魔にならないようテーブルの端に乗せる。


彼は商品を横目で見ると「どうも」と一言添えた。


コーヒーとパンケーキのセットを頼む男性のおひとり様は珍しい。

しかも生クリームたっぷりのあまーいパンケーキだ。


興味本位で彼の方に視線を向ければ、難しそうな顔でPCと向き合っていた。


不健康そうな青白い指が、カタカタとキーボードの上で跳ねてる。

ブルーカットのメガネが画面を反射して、瞳の奥は見えなかった。


SE系の仕事の人なのかな、いかにも外出てなさそうだし、指輪してないから未婚かな。

彼女もいなそうだなー、アクセサリーとか付けてないし。これは私の偏見だけど。



接客業あるある、相手の人生背景をやらたと想像する。これは私だけだろうか。



「…えっと…なにか?」


「えっ」


気づけば2卓に立ち尽くしていた私に、彼が怪訝そうに声をかけてきた。

メガネの隙間から覗く瞳が余りにも綺麗で、思わず息を飲む。


やべ、イケメンだったから長居しすぎたわ。


あなたの人生背景を想像してました、もしかしてSEのお仕事してますか?彼女はいない!当たってるでしょ?なんて言えるはずもなく。


「も、申し訳ございません。ぼーっとしてしまいました!失礼いたします」


逃げるように厨房へと向かった。


「なにしてんの」


そう鼻で笑う美穂の胸に、真っ赤な顔を隠すよう飛び込んだ。

どうやら今日は相当浮かれているらしい。


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