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甘くて不味い私の日常  作者: 中村ぽっぽ
6/9

美穂

「ほんとにそれ本人なの?」


バイト仲間兼友人の美穂は、またはじまったよ、と言わんばかりの呆れ顔だ。

無事お昼のアルバイトに遅れずに済んだ私は、出勤するなり昨日の出来事を彼女に話し始めた。

美穂は大学3年生で年が近いこともあり仲が良い。


抑えきれない欠伸をかみ殺しながら、彼女の言葉に食って掛かった。



「ルイの声を私が間違えるとも?」


「うーん、わからん」



適当な返答をしつつ、彼女の手は常に動き続けている。

コーヒーをドリップしつつ、パンケーキのトッピングに手を伸ばす。

ふわふわの出来立ての生地に、綺麗な生クリームのタワーが作られてく様をじっと見つめていると「チョコかけて」と彼女からの指示がとんだ。

冷蔵庫からチョコソースを取り出し、ふんだんにかける。


「でもさ、もしあれがルイだとしたら……また会えるかもだよね」


考えてみれば、家が近い可能性すらある。

辞めたくて仕方なかったアルバイトに少し希望が見えてきた。

今度会ったらどうしよう、ドキドキしてきた……。

今日からジャージ出勤やめよう。



「かもね。じゃあ、2卓様に提供おねがい」



いつの間にかトレイに乗せられたコーヒーとパンケーキ。

私の興奮をよそに相変わらずの手際の良さだ。


「うん。ありがとう」


両手でしっかりと持ち上げれば、コーヒーの香ばしさと、パンケーキの甘い香りが鼻をくすぐった。

うん、今日も美味しそう。


私は、大事に抱えたトレイと共に2卓へと足を運んだ。



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