推しの幸せが私の幸せ
12月21日
コンビニのアルバイトが、あんなに大変なものだとは思ってなかった。
なんなら、アルバイトの中で一番大変なんじゃないかと思う。
もうやめたい。
3日前始めたばかりのアルバイトにすでに心折れつつあるのはいつものことだ。
どこかに楽して稼げる仕事はないのか。
そんなことを考えて、人の来ない深夜帯のコンビニバイトを選択したのに。
客は来る、酔っ払い多い、店長ウザいの3点セットでもう最悪。
これから始まる地獄を想像しただけで、自然とため息が出た。
秒針の音がやけに大きく聞こえる。
テレビ台の横に居座るそいつに視線を向ければ、時刻は22時50分を指していた。
もう時間か。
「……行ってきます」
真っ暗だったスマホ画面に顔を向ければ、私の声に呼応した彼が微笑んでくれている。
愛しの最推し。ルイ。今日も尊い。私あなたの為に頑張ります。
艶のある美しい金の髪。
王子様みたいなキラキラした笑顔。
少したれ目の可愛い目元。
マスクで口元は見えないが、絶対イケメン。そう確信がある。
てかこのイベントの時の写真、マジでビジュ良すぎなんだよな。
またこの髪形して欲しい、てかそれよりもっとリアイベやってくれ。
そこで我に返らせてくれたのは、画面に映る52の数字。
急いで家を後にした。
心優しき天使。
そこのあなたです。
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今日もみなさんお疲れ様です。
明日ものんびり頑張りましょうね!