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崩壊  作者: 林檎ドレッシング
3/7

切断

私の中で大きく弾けた・・・

今までの我慢と苦渋と悲しみと恐怖、そして限界を迎えた。


晴天とは反対に、娘に腕を捕まれ体を抱えられ、人目を気にせず涙がボロボロと零れ落ちた。

心療内科に入っても、涙が止まらない。


ー普段なら、一切の悲しみも恐怖も隠して、どこでも人前なら笑顔で恐怖を笑い飛ばしていたのにー


医師の診察へ向かう時も、「ママ、大丈夫?」と娘に声を掛けられて入っていった。

医師の前でも震えが止まらない。激しい動機もある。足の先からの震えを抑えることができなかった。

医師も私の尋常ではない姿に、「どうしましたか?」よりも「何がありましたか?」と聞いてきた。


私は、夫といると不安でいっぱいになり、そして帰ってきたら動悸が治まらず、震えも止まらないこと。

子供たちと身を寄り添うように、4人でくっついて寝ていること。怒鳴り声が耳から離れず、いつも恐怖で震えを抑えていること…。


今までの13年もの歳月の限界を迎えていること、どれだけ伝えられたのか、うまく話せたのか、一切記憶にない。泣いて話している姿に、医師もゆっくりを耳を傾け、最後に言った。


「あなたは、旦那さんと一緒にいてはいけない、症状が悪化するだけです。できるだけすぐに離れてください、そして離婚してください。」


その言葉に、安堵していた。誰かに言ってもらいたかった。

私は、もう一緒にいてはいけないんだ…。いなくていいんだ…、我慢しなくていいんだ。

余計に涙が零れ落ちた。夫と一緒にいなくていい。


娘に体を支えてもらいながら帰宅し、なんとか処方薬を服用した。

この家に帰ってくることさえ、恐怖を感じる。


倒れこむように布団の上で意識が遠のいていった。







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