あの大空に〜、翼を広げ〜。
会話だけで終わってしまった......(><)
少しの迷いのあと、師匠は口を開いた。
「飛ぼう」
「......は?」
何を言いだすんだ。この人は?
「飛ぶんだよ、ほら早く!」
「いやいやいや! 人間は飛べませんってば! というか、あんな高度まではどんなに飛行に長けた種族でも無理ですよ! 高すぎます! 絶対無理です!」
「......無理か?」
「目を潤ませて懇願しても駄目です。というか、実際問題、どうするつもりですか?」
「あの子を連れて行って、学会の耄碌爺共に証明させる」
「言葉が通じるかもわからないんですよ? あんな高さにいること自体が謎ですし......」
「大丈夫だ! 兎に角やってみよう! ほら、準備して!」
「いや、話聞いてました? というか、準備って何ですか?」
「そりゃあ、身体強化......もとい、跳躍力のブーストと、落ちても大丈夫なように祈るんだよ」
「......不安しかない。私の身体強化も、足に集中したとしても、跳躍力はせいぜい200倍程度にしかなりませんよ? それ以上は身体が破裂します」
「五月蝿い! 兎に角、私は、お前が思いっきりジャンプした時に『風烈巨砲』《ウィンド・キャノン》で上空に吹っ飛ばして、あとはお前が姿勢を制御すれば完璧だ!」
「......ちなみに成功確率は?」
「さあな。0.2%ぐらいじゃないか?」
「終わった......」
「ええい! ぐちゃぐちゃ言うな! ほら、立て! お前は無駄に頑丈だから大丈夫だ!」
「......根拠は?」
「気合いだ!」
「......もういいです。やりますよ。早く終わらせましょう」
「よし、その意気だ! 仮にも研究者なんだから、多少の犠牲は付き物だしな!」
「もしかして、私が死ぬ前提で話してます?」
「......はっはっは、ソンナコトナイヨ?」
「まあ、そんなことないって信じてますからね!」
「お、おう......」
「さあ、やりましょう!」