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第8話 俺達とダンジョンのボス

「やああああ!」



 ロナは道中現れた鳥の頭蓋骨を持ち体は人間の骨でできている変な奴らをあっという間に斬り伏せたてみせた。


 このダンジョンに入ってから既に一時間。これまでに八回ほど魔物の団体と遭遇しているが、全て人間の骨と鳥が合わさったような気色悪い化け物しかでてきていない。


 魔物というのは大半が加工したら何かに使えるような部位を持っており、それを採取して売り捌くことができるのだが、この気色悪い奴らはそういった部位がまるでわからない。


 見た目もきもいし今の俺たちには金にもならない。あんまりいいダンジョンを選んだとは言えないのかも……。



「あ、やった!」

「どうした?」

「私の『フレア』がレベルアップと同時に『フレアータ』に成ったの!」

「そりゃあめでたい」



 ロナは骨の魔物の軍団を倒すたびにどんどんレベルアップしている。こんなに簡単にレベルアップするのだから、俺たちが戦っている敵は全て、彼女にとっても本来なら格上なのだろう。


 また、俺の能力は味方だけでなく、敵を倒した後の経験値などにも影響しないということがはっきりとした。俺は魔法に詳しくはないが、もしかしたらマイナス効果系の補助魔法と同じような扱いなのかもしれない。


 ……それより、なにより、一々ニコニコしながら報告してくるロナがマジで本当に可愛らしい。



「とりあえず、先に進もうぜ」

「うん!」



 ロナ曰く、ダンジョンで倒した魔物の遺骸は放っておけば一定時間、あるいはすぐにチリとなって消えるらしい。こういった情報はほとんど『ダンジョンの地図』を見せびらかしてきた親戚のSランクの冒険者からの知識だそうだ。いやー、本人はただ自慢したかっただけかもしれないが、なんともありがたい。


 というわけで鳥の骨の残骸は放っておき、俺とロナは前に進んだ。しかし、ほんの少し進んだだけですぐにまた足を止めることになった。単純に行き止まりだったからだ。


 そしてその行き止まりには淡く赤色に輝いている、水溜りに日光を反射させたような、異様な雰囲気の謎の光の塊がポツンと存在していた。



「なんだこれ?」

「これこそがダンジョンのボスの部屋に続く道だったはず。たしか片足を入れたら移動するんだよ」

「そっか。じゃあ俺が先に行ってボスを俺と互角にしてくるぜ」

「わかった」



 おそるおそる、その光の中に片足を入れてみる。その瞬間、目の前がたった今踏んだ光と同じ色に輝いた。その輝きが晴れて目が効くようになると、前に空間が広がっているのがわかった。そして、その部屋のど真ん中に俺を睨んでいる六匹の気色悪い骨がいることも。


 なにが気色悪いかって、普通の人より大きめな鳥の骨でできた魔物の上に、人骨の剣士が乗馬でもしているかのように乗っているんだ。肉も皮も一切見当たらない異様な景色。……下の鳥の骨はスープの出汁として使えないだろうかとちょっと考えてみたりはする。



「っと。おお、移動した! あれがボスかな?」



 ロナも続けてやってきた。それを見て骨の剣士達は腰にぶら下げた剣を抜く。しかし今更遅い。俺を睨んでいた時点で、アイツら六匹全員がこの紳士たる俺と互角の強さになっている。油断はできないが勝ったも同然だ。



「よし、ロナ。頼んだぜ」

「ふふ、任せて! フレアータ!」



 ロナはいきなり覚えたばかりの進化した炎魔法を一組の骨に向かって飛ばした。骨の剣士は剣を突き出し、何かをしてロナの魔法に対抗しようとするがそれも虚しく、あっけなく全身が炎に包まれた。そのまま骨の剣士と鳥の骨は倒れ、チリとなって消える。



「やった!」



 喜ぶロナをよそに、残った二組はかなり慌てていた。おそらく本来は今の魔法に対して何か対抗できる術があったのだろう。でも俺はそんな手段ない。俺にできないことはアイツらにもできない。今更自分たちが弱く、いや、ジェントルなこの俺と互角になったことに気がついたって遅いのさ。


 ……つまりロナって、俺のこと魔法一発で消し飛ばせるんだな? おーこわ。



「もう一回、フレアータ!」



 二度目の炎塊。骨の鳥があたふたしながら回避しようとするが容易く被弾し、上の剣士ともども一組目と同じように倒される。ボスのくせに、もう残り一組となっていた。



「はああああ!」



 最後の一組となったところでロナはその場から動き出し、その骨二匹に突撃していく。人骨と鳥骨はそれを迎え討とうと駆け出したはいいが、ロナとのすれ違いざまにまず鳥の方が簡単に首を跳ねられ、剣士は落馬ならぬ落鳥をした。ロナはすぐにそちらを振り向き、流れるような動きでそのまま落ちた剣士の首を斬り落とす。そうして最後の一組もあっけなく消え去った。



「……これで終わったのかな?」

「だと思うぞ」



 あまりにも早い決着。ロナ自身でも、もう終わらせてしまったという実感が湧かないようだ。まあ、それも仕方がない。ボスのくせにここまでの道中の魔物達とほとんど同じ時間しかかかっていないのだから。



「今の魔物ってたしか、BランクとCランクなんだよね……私の記憶が正しければ」

「ま、俺がいる時点でFランクと変わらないがな」

「ふふ、それもそうだね!」



 俺に向かって楽しそうに微笑むロナ。そんな美しい彼女よりさらに後方で、光の粒のようなものが集まって、何かが形成されていっていた。やがてその光は宝箱と魔法陣になった。なるほど、こうやってできるのか。

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