第1章
「ありがとうございます、デイリー4つでございますね。
1000Gになります。
少々お待ちいただけますか?」
ラメルは、カウンターの客に会計を伝えると、そこからつながる厨房に入り、声を響かせた。
「……店長、デイリーが4つ入りました!
それから、マリアさん! オニギリのストックお願いします!」
シェフを兼ねている店長に注文を伝え、傍でその補助をしている妻のマリアにも、店頭のストックが減っていることを忘れずに伝える。
以前は緊張のあまり声はうわずっていたし、接客をしながら店頭に置かれた商品の減り具合を横目で見るなど、とても余裕が無くてできなかった。今はすっかり落ち着いて、注文を取りながら、もしくはその合間に周りに気配りすることもできるようになってきたと、自分では思っている。
「はい、ラメルちゃん。切れそうになってるのは?」
マリアは忙しさの中でも穏やかだ。そんな肝の据わったところが、いかにも理想の女将さんであると、ラメルはいつも思っている。
柔らかな色の金髪を後ろで低めのシニヨンに結い、エプロン姿でパタパタと炊飯用の釜に駆け寄っている。
「グリルサーモン、サラダ、オムレットです!
ミックスサンドイッチもお願いします!」
旅の携行食を買い求める冒険者や旅人で、『フードパック・ピジョン』の前には長蛇の列ができていた。他にも、このハピサンの街や、近隣の街に住む人々も常連となって来ることも増えている。開店前から並ぶ常連客のために、わざわざ店長が開店時間を10時に早めた程だ。それでもピークを避ける客は開店前から待っていることが多い。
これに加えて配達もあると、毎日昼過ぎまで店はてんてこ舞いだった。
だからこそ、開店当初からの従業員であるアデリアに加え、ラメルもセレンも雇われることとなったのだが。
「ラメル君、これデイリー4つね!
次どんどんオーダー聞いていって!」
デイリーパック、つまりは日替わり弁当を仕上げながら、店長 ジョン・ブラウンは指示を飛ばしてくる。デイリーパックなどは仕込みで大方仕上げているため、できあがりが早い。ヒゲモジャのクマさんみたいな外見であるが、白い調理服にコック帽をかぶった店長は、動きもスマートで無駄な動きがなく、作業が物凄く早い。さすがにラメルのような素人でも、この人は只者でないということがよく分かった。
若い頃、船員の仕事をしながら様々な国を渡り、かつ食べ歩いたという彼は、東洋の島国・ジャポンにおいて、その携行食文化に驚いたという。
そして故郷に帰った彼は、料理人を目指し、一般的な飲食店で修行した。独立して自分の店を持つ際、”ベントー”と呼ばれるフードパックやオニギリを取り入れ、冒険者や旅人、もちろん町人にも売ることを思いついた。若い頃の記憶を辿りつつ再現にこだわり、自分の国でなんとかジャポンの食材が手に入らないか奔走したとも聞いた。フードパック用の紙箱やオニギリの包装は特注品だ。そして、再現度を上げるための細かな注文と、コストを少しでも減らすため、商社を通さず直接交渉するのが店長のやり方だと聞いている。ピジョンはそんな彼のこだわりの結晶だった。
アイデアマンの彼は、大量の仕込みや調理に追われるこの忙しさの中でも、新商品の開発に余念がない。
しかし、どんなスーパー経営者かと思えば、陽気でユーモアたっぷりな中年オジサンという、見た目のイメージも捨てていない、見事なギャップを兼ね備えた人物であった。
その妻であるマリアは、夫と共に店を支える女将的存在である。
一見温和でいつも笑顔を絶やさない、どこにでもいるような夫人だが、夫の斬新なアイデアにも動じないところ、肝っ玉母さんなのかもしれない。ふたりには子どもはないようだったが、ラメルは就職以来、この夫婦に娘のようにかわいがって貰っていたし、それは他の従業員に対しても同様だった。
「ハイ!
お会計失礼いたします。1000Gちょうど頂戴いたします。こちらが商品でございます。
ありがとうございました! またお待ちしております!
……いらっしゃいませ。大変お待たせいたしました。今日は何になさいますか?」
昼間はこの台詞を繰り返し続けるラメルである。
* * *
ラメルが『フードパック・ピジョン』にフルタイムで雇われたのは、数ヶ月前であった。
18歳になり、孤児院を出て自立することになったからである。
赤ん坊の頃に母親は亡くなり、父親は孤児院に5歳のラメルを預けた後に失踪してしまった……それしかラメルは自分のルーツを知らない。
孤児院の女主人・ブランシュは、長年付き合いのある職業ギルドのエミリアに孤児たちの働き口をいつも相談しており、この婦人があてがってきたのが、弁当屋の売り子・配達・食材の仕入れの仕事だった。
フードパック・ピジョンの存在を、ラメルは就職にあたって初めて知った。ラメルは孤児院のあるフロガー村からほとんど出たことがなかった。
フロガー村は山間にある村で、それほど店も多くなかったし、人の出入りもそう多くはない。村の外は山間とあってモンスターも比較的多く、最近は盗賊の問題もある。村から出るといえば、ブランシュが用事で村から外出する際の付き添いくらいだ。老齢でモンスターや盗賊と戦うことが難しいブランシュはひとりでの外出が難しく、比較的戦闘能力のある孤児がその警護を担ってきていた。ラメルは先輩・アレックスが王国騎士団への入団で孤児院を出た後、その役割を務めていた。
そんなわけで、戦闘能力にも自信があり、外回りの仕事もOKということでラメルはピジョンに入店した。しかし入店以来、主に務めているのはカウンターでの接客や、仕入れられた品物の整理などであった。
――メニューや食材を覚えなきゃ始まんないから、仕方ないっちゃ仕方ないけど。
「あのぉ……そこにあったオニギリ?ってのが欲しいんだけど……
よく分からなくて……」
ラメルがデイリーパック注文の客に品を渡したところで、次に並んでいた男性客が手ぶらでそう言いながらカウンターに近づいて来た。カウンターの客を捌きながら、ラメルもこの中年の男性がオニギリのテーブルの前でウロウロ困っているのに気が付いてはいた。が、なかなか客が途切れずに声を掛けそびれていたので、厨房からマリアを呼ぼうか迷っていたところだった。とりあえず行列の長さを見て、並んだ方が良いと判断してくれたのだろう。
「はい! 麦よりもモッチリした穀物で、米っていうんですけど、蒸し上げて握り固めた中にフィリングが入っております!
今日はこの4種類出てます。オススメはグリルサーモンですね!」
ラメルはカウンターにも置いているオニギリを客の前に1つずつ並べ、備え付けの味の説明のボードを取り出した。客は、イラスト入りのそれを見ながらふむふむと考えて、結局すべての種類を1つずつ買っていった。オニギリの説明を求められるのはよくあることであるし、フードパックのついでにオニギリを注文していく客も多いので、カウンターにもオニギリをいくつかストックしている。
なんせ、店長のジョン・ブラウンのこだわり故に、店内のメニューはこの国ではなかなか馴染みのない物ばかりだ。
先ほどの客がウロウロ迷っていたのは、店に入ってすぐ、オニギリやサンドイッチといった、既に包装済みで、あとはレジに持っていくだけという状態の商品が並べられた棚やテーブルの前だ。フィリングごとに、バスケットに入れて並べられている。
サンドイッチは一般的で、パン屋でも売られているため問題ないが、このオニギリというものを扱っている店はごくごく限られている。
そもそもラメル自身も、ピジョンに入店してから初めて米を食べたほどなのだ。それもそのはず、国内に食用としてあまり出回っていない米を、もともと小麦を主に生産していた農家に頼み込んで生産を始めて貰って仕入れるようになったという。
店長に言わせれば、本来はここに”ノリ”という海藻を乾燥させて作ったものを巻きたいようなのだが、さすがに材料も、乾燥させる設備も持てないがために諦めているそうだ。
そのため、乾燥やくっつくのを防ぐために、オニギリは植物の皮で包まれている。これもバンブーという植物の葉を取ってきてもらって使っていると言う。客からすれば、茶色の皮に包まれたそれは、余計に中が分かりにくい。よって客にイメージを持たせるのは至難の業だった。
絵心のあるマリアによって、断面図のイラスト付きのメニューが掲示され、カウンターに用意されているため、先ほどのように、ラメルはそれに助けられている。しかし、他にも弁当の献立など、売り子には説明能力が求められることになるのだ。
街の外にはびこるモンスターや、近年特に問題化している盗賊の襲撃という危機も伴う仕事は、主に先輩のアデリアと、ラメルより少し前に入ったセレンが担っている。アデリアは王国騎士団も驚くような剣術の使い手であり、仕入れに使う馬もすっかり馴らしている。セレンも、ラメルは見たことはないが、腕が立つからこそ配達を担当しているのだろうと思われる。
――わたしもブランシュ先生の護衛をしてたんだから、そこそこいけると思うんだけどな。
いやいや、もうずっと家と店との往復生活で、モンスター倒したのって初出勤の日がラストじゃない!?
ラメルは就職に伴い、店のあるハピサンの街に引っ越してきたので、あれ以来街の外にも出ていなかった。日々の買い物は街の市場で済ませることもできたし、日中はほとんど仕事、職場でまかないも出る生活となれば、仕事以外の外出すら少なかった。
――はぁ、久々に外に出てみたいなぁ。
ミシェルにもあれ以来会ってないし。
ハピサンからひとつ山を越えれば、共に過ごしたフロガー村がある。しかし、親友 ミシェル・ナタリーも、ラメルと同時期に遠方の洋裁店に就職し、孤児院を出ていた。孤児院を出てからも頻繁に手紙のやり取りをしているが、実際会うとなれば、あらかじめ手紙で約束をして、ミシェルからもこちら側に出てきて貰わないと、会うのは難しい。
「……何ぼんやりしてんの?」
すっかり客足も落ち着いた頃、ふと気が付くと、配達から戻ったらしきセレンが、店の入り口からこちらを覗いていた。
さらさらした金髪のショートボブに赤いバンダナをカチューシャのように巻き、白いTシャツにジーンズ姿とラフな格好だ。バンダナに収めきれなかった前髪から大きな瞳が覗いているが、それらは険しくラメルを見つめていた。
壁に掛けられた時計を見ると2時半だ。
「あ、お帰りなさい。
いや、今日も忙しかったなーと……ハハハ」
「レジのお金は? 数えたの?
終わったならさっさと補充するなり、厨房手伝うなりしなさいよ。
ピーク終わっても暇じゃないんだから。
休憩ならさっさと上がって。こんなところに突っ立ってられたら邪魔」
セレンは言い捨てると、厨房に入って行った。戻ったことを店長とマリアに伝えたのだろう。
セレンの言ったことはごもっともで、まずはランチタイムの売上を数えたのち、夕方・夜のピークにかけて、帰って来たセレンとアデリアが仕入れてきたり、他の業者が持ってきたりした資材を整理しないといけない。
基本、ラメルは昼のピークが終了した時点で休憩なので、セレンはそれを途中で思い出したのだろうが。
――相変わらず厳しいよねぇ……
セレンの後ろ姿を見送りながら、ラメルは溜息をついた。
セレンはラメルより先に店に入ったと言っても、ほんの数週間ほどの話らしい。
業務のほとんどが配達や買い出しなどの外回りであるため、ラメルとは入れ違いであることが多く、会話といった会話をしたことがなかった。
ふたりの年齢が同じだということも、マリアから聞いて初めて知ったほどである。
さっきのように顔を合わせることがあっても、無視や仕事の注意をしてくるのみで、その刺々しい態度にラメルは苦い思いをしていた。
そんな後輩たちを見かねてか、アデリアが何度かセレンを注意をしたようだが、そのことも彼女は気に食わないようだった。
* * *
セレンの言うとおり、レジの精算をした後、それを伝えて指示を仰ぐために厨房に入った。
店長夫妻から、デイリーパックを手渡され、休憩に入るようラメルは言われた。
マリアが既に従業員のために紅茶を入れてくれており、ラメルはそのカップとデイリーパックひとつを持って、従業員控室へ向かった。
店舗スペースからは、厨房とはもう一つ反対にバックヤードへ行ける勝手口がある。
そこは倉庫につながっていた。業者が店頭に品を持ってきた場合でも、すぐに倉庫に持っていけるのがメリットだという。その倉庫の小部屋の、一番手前は、従業員控室として使われていた。主にスタッフの着替えや、昼休憩を取るのに使っている。と言っても、この店の2階は店長夫妻と、住み込みであるアデリアの居住スペースになっているし、3人は休憩は厨房やなどで適当に取ってしまうので、実質ここを使っているのはラメルとセレンだけだ。テーブルひとつに椅子が数脚、あとは姿見と簡単なロッカーが置かれていたが、それで十分だった。
ラメルは短い祈りをして、デイリーパックに手をつけ始めた。今日はフライドチキンとサラダだ。
セレンは休憩を終えて店に戻って来たのか、別の場所で休憩を取っているのか、控室にはやって来ない。
ラメルは、先ほど店長夫妻から指示のあった午後の準備について頭の中で整理しつつ昼食を摂る。
まずは客がいないタイミングを見計らってホールを簡単に掃除すること。それから、フードパックを入れる紙袋を補充しないといけない。先ほどもデイリーパックを一気に4つ注文した客がいたが、他にもたくさん注文していった客が多かった。小さいものだけでない、大きな紙袋を倉庫から出してこないとならない。
夜のピークは昼ほどではないものの、夜のモンスターを狩りにいく冒険者たち、夜勤に入る色んな職業の人たち、さらには食事作りが億劫な主婦たちや老人たちまでもが、夕食夜食の調達にやってくる。
その夜のピークが過ぎるまでが、ラメルの就業時間だ。一応朝の開店前から夜の7時までと決まっているが、忙しければ手伝うし、その分の残業代はきちんと出た。あとはアデリアやマリアがカウンターに出てくれるので任せている。
一方のセレンは、配達が終わった時点で上がりとなっているようだった。遠方の配達から順に回っていくため、ラメルよりずっと早く出勤して、フードパックを抱えて出て行く。その分終業時間も前倒しになっているのだろう。道理で顔を合わせることが少ないのだと、ラメルは思った。
アデリアはというと、どんな事情かは分からないがこの店に住み込んでいるという。恐らく、仕入れや配達にも時々使う馬の世話があるからであろう。
それにしても、とラメルは思う。ピジョンの採用試験にて、ラメルの戦闘能力を見るため、アデリアとラメルは手合わせしている。このときのアデリアの力と素早さは、騎士かと見紛うほどのものだった。ラメルの練習相手であったアレックスとは、まるで比べ物にならない。あれくらいの能力があって、どうして商売人を選んだのか、ラメルは今も理解しがたい部分がある。しかし、いくらアデリアがラメルに優しく仕事を教えてくれる先輩とはいえ、一回りは年上であろう彼女にそんなことは気安く訊けなかった。
* * *
「店長、マリアさん、ご馳走さまでした。
今お客さまいないので、モップ掛けますね」
休憩から戻りがてら、紙袋の補充をすると、ラメルは厨房に声を掛けた。
はーい、よろしくねーという店長の声に頷きつつ、ラメルは再度倉庫へ向かう。
――ああ、やっぱりモップとバケツも一緒に持って来れば良かったなぁ。
何往復もするの面倒くさいや。
掃除道具も倉庫にあるので、店のフロアーと倉庫とを何度も行き来する羽目になってしまった。しかし、食べ終わったフードパックの空箱と、マリアの貸してくれたティーカップを厨房に持ち帰らなくてはならない。ティーカップはいくらなんでもぞんざいに扱うわけにはいかなかったので、仕方ないなとラメルは思った。マリアが好意でお洒落なティーカップを貸してくれるのは、ラメルとしてもテンションが上がるのでとてもありがたいのだが、自分のマグカップでも持ち込もうかと考え始めた。
「ラメルちゃん、今日の紅茶どうだったかしら?」
バケツに水を入れるために厨房に入ると、椅子に腰掛けたマリアが立ち上がり、声を掛けてくる。
「えー、そんな、わたしに訊かれてもそんな大層なこと答えられませんよー。
でもあっさりしてて飲みやすいとは思いました。今日はチキンでしたし」
ラメルも紅茶にそこまで詳しいわけではない。率直に感想を伝えたが、マリアは満足したようににっこり笑う。
「そーう! その答えで十分よ! 今日はダージリンを軽めに淹れてみたの」
「えっ、あれダージリンなんですか? そこまで紅茶って感じはしなかったので、まさかそんな王道だなんて…」
思わず水道ポンプの手を止めてしまったラメルだった。
「そう、だから軽めに淹れてみたのよ。オニギリやライスだからってグリーンティーばかりじゃつまらないでしょう? 苦手な方もいらっしゃるし…」
「な、なるほど~...」
「あらごめんなさい、モップ掛けてくれるのよね。邪魔してごめんなさいね」
バケツを見てだろうか、我に返ったようなマリアに、ラメルは思わず微笑んでしまった。
料理だけでなく、メニューの挿し絵を描いたりなど、店長と同じく器用だなと思っていたが、紅茶に関しては思い入れがまた違うようだった。いっそのこと店でも紅茶を扱えばいいのに…ポーションだって瓶に入って売っているのだ、とも思ったが、趣味は趣味で仕事と絡めたくない人もいるだろう。
モップ用バケツをフロアーに置き、モップ掛けを始める。床は赤茶色系統のタイルが敷き詰められている。普段はこのように水拭きするだけだ。観葉植物の周りと、ひとつだけ置かれているオブジェの周りにも掛ける。オブジェと言っても、これも観葉植物を模したものになっている。黒とクリーム色のツートーンの大きな花瓶に、ツタで編まれた実のようなものがぶら下がる枝が活けられたようなオブジェだ。枝や実も黒くコーティングされている。
こうしたオブジェを始め、このフロアーの内装は少しエキゾチックだ。恐らく、店長の東洋趣味なんだろう。クリーム色の壁は、天井で丸くドーム状にデザインされているし、そこにはガラスの照明が取り付けられている。焦げ茶色の扉などの建具もシックだ。焦げ茶色といえば、オニギリやサンドイッチが入れられているラタンのバスケットもそうだ。そのバスケットに掛けられた布やテーブルランナー、厨房の暖簾などはすべて紅色で、壁に掛けられた幾何学模様のタペストリーの色と統一感が出されている。
客はフードパックを買ったらすぐ帰ってしまうのに、なぜこんなにインテリアにこだわったのかは分からない。しかし、連日行列をなしている客には、待っている間に少し特別な気持ちを抱かせるサービスにはなっているかもしれない。ラメルはフロアーをざっと眺めながらそう考えた。
モップを掛けつつ、カウンター辺りまで来た。カウンターも焦げ茶色の木材で、エキゾチックな模様が彫られている。ところがその横にある数脚のスツールは、間に合わせなのだろうか、薄い色の木材でできていた。フードパックのお渡しに少し時間が掛かる場合に、お待ちいただく席だ。
最後にバケツでモップをすすぎ、ペダルを踏んでモップをしごくように絞れば、モップ掛けは終了だ。バケツを持って厨房に戻った。