プロローグ・異世界作り
「あ〜暇だ、こりゃ駄目だ暇すぎて死にそうだ」
愚痴をこぼすのはもう生きて何千年と生きた神様、今は【地球】と呼ばれる惑星を観察しているところだ。
「地球って過ごすのも大変だし、見てるのも暇だし…なんでこう魔法とかダンジョンとかないの?」
あ、少なくとも会社っていうダンジョンがあるな、と呆れて乾いた笑みを作る。
真っ白い空間に地球儀が置いてある酷く殺風景な部屋で神は思った
「あ、自分で世界作っちゃえば良くね?」
世界を作る、それは神様特権を使い新たな世界を誕生させる、それをさも『なければ作ればええやん』と軽い気持ちで世界を作ろうとする。
「でもどうせ作るなら神様みたく「貴様は勇者だ!悪しき魔王を倒して世界を救って見せろ!」とか言ってみたいよな」
もはやRPGツ○ールのノリで世界を構築していく、魔物、人、魔力、全てを片手間に作っていく、地球の合わせた地上よりも大きな土地、海、世界最高峰の山より大きい山、深さがありえないほど深い渓谷、次々世界が出来ていく様に神は心を踊らせる、なぜ今まで作らなかったのだろう、と過去の自分を思い出す程だ。
「うん、大体出来たなあとは…異世界って言ったら異世界人でしょ、これは地球から持ってこれるとしてスキルとかも考えるのか…思ってたよりもめんどくさいかもな」
だが全然苦ではない表情で大まかな【世界の世界観や設定】を作っていく。
「あまり発展していない方がいいか、魔法でなんとかなるしね後は役職…役職じゃダサいかな?天職って名前にするか俺(神)が作るんだしね、あとは鉱石とか素材?モンスター?」
思ったよりやる事がいっぱいだった。
〜数時間後〜
「お…終わった」
全ての【設定】を終らせて世界を構築した神様は達成感と久しぶりの披露で床に大の字に倒れる、いくら神とて世界を簡単に構築していくのは疲れるらしい。
「ふ〜…よし!あとは異s…地球の人を呼ぶだけだな」
最後の仕上げ、それは異世界召喚だが神様は違った
「俺も異世界行きたいな…代理を呼んで転生するか」
転生、死んで生き返り新しい人生を歩む、それをさも当たり前として実行しようとする
「流石に肉体も必要か…まぁどのみち呼ぶ必要あったから手間が省けるな」
転生にはその肉体が必要、その為の人を呼ぶのに予め書いて置いた魔法陣を起動させる。
白い閃光が弾けた瞬間に男は魔法陣の上に立ち、開口一番に…
「は?どこだよここ」
目の前の赤髪の少年が当然の疑問を吐く、だがおかしい俺は若くて死んでなおかつ運動できる肉体を召喚しようとしたんだ。
「ここは神の領域ひとつだよ、ひとついいかな?おr…僕は神様なんだけど、確か死んだ人間を召喚させる予定だったんだけど…なんでめちゃくちゃ元気のいい君が来たのかな?」
流石に威厳も保ちたい神は一人称を変えて、目の前の赤髪にこちらも質問する。
「いや、どうもこうもトラックに轢かれたと思ったら急に白い部屋に出るし、どうなってんだこれ?」
どうやらテンプレ中のテンプレを引いたらしい。